南の島の船長は(沖縄)
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三線を手に海を行く。 |
僕がフェリーに乗った日は、天気もよく、海はべた凪。定刻より5分ほど遅れて出港した船は、港の防波堤から外海へ出てもほとんどゆれない。高速船ならば40分程度の港まで、この船は2時間かけて行くのだ。
石垣の港を出港して、竹富島の横に差し掛かったとき、どこからか、沖縄の伝統的な楽器である三線(さんしん)の音が聞こえてきた。このフェリーは小さいので、船員さんは3人しかいない(船長含む)。客は僕一人だ。
操舵室をのぞくと、船長が工工四(くんくんしーと読みます。三線用の楽譜)を見ながら歌三線の練習中だった。ときおり右手で舵をクルクルと回すが、その間も三線を手放すことはない。船長の三線稽古は、到着の15分前までつづいた。
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