読売が攻撃材料にしてきたチラシ。真村さんの支援者が制作したもの。福岡市内で配布された。
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2001年に、配達部数6百部弱に過ぎない1店主である真村久三さんが、自称1千万部を発行する読売新聞との裁判に巻き込まれてから10年近い歳月が流れた。これまでの判決は、真村さんの6勝0敗。そして2月初旬、読売が判決を不服として保全抗告の申立て手続きを行い、裁判の舞台を福岡地裁から福岡高裁に移しての「第7戦」が決まった。最高裁が真村さんの地位を保全してもなお、ビラやパンフレットの配布、ノボリを立てる行為、さらに単行本の出版などの言論活動を解任理由にあげて最高裁決定に従わない読売。あらゆる手段を動員して言論を抹殺しようとするその姿勢は、正力松太郎元社主が幹部だった特高警察の活躍を連想させる。
【Digest】
◇読売による保全抗告
◇人権問題としての真村事件
◇「読売攻撃=悪」の視点
◇読売は憲法21条を否定するのか?
◇ノボリを立てたのはけしからん
◇出版の自由があやうい
◇調査報道に足枷
◇推測の記述に対しても名誉毀損
◇ペンに自信がないから裁判?
◇自由人権協会への疑問
言動の端々からその背景に潜んでいる企業の体質が浮かび上がってくることがままある。真村裁判の原告・真村久三さんが、読売の動きについて言う。
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「押し紙」の収集場所。住民の視線をのがれるためにコンテナ型のトラックが使われている。「押し紙」回収業が産業として成り立っている。 |
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「読売の方針に変更はないようです。あくまでわたしに対する裁判を続けるようですね。目的は裁判の勝ち負けよりも、嫌がらせのようにも感じられます」
2月の初旬、読売が裁判の舞台を福岡地裁から福岡高裁に移し、「第7戦」が決まった直後の弁である。これまでの対戦成績は、真村さんの6勝0敗。しかも、最近は真村さんが圧勝している。
2001年に真村さんが読売との裁判に巻き込まれてから、すでに10年近い歳月が流れている。負けても負けても、真村さんに立ち向かっていく読売の姿勢からは、凄まじい執念と敵意が伝わってくる。配達部数がわずか600部弱の1店主に勝つことができない焦りも相当なものがあるのだろう。
皮肉なことに負けが重なるにつれて、法廷における読売の主張が社会通念からますます乖離してきたように感じられる。後に詳しく述べるように、言論の自由や集会結社の自由に対する敵視すらも垣間見え始めているのだ。
読売みずからの言論が、読売の体質と思想を露呈しはじめた。
◇読売による保全抗告
すでに「マイニュースジャパン」(1月21日付)でも報じたように、今年の1月15日に、裁判所は真村さんに6度目の勝訴を言い渡した。
その後、2月の初旬になって、読売は判決を不服として、保全抗告の申立て手続きを踏んで、裁判の舞台を福岡地裁から福岡高裁へ移した。
(保全抗告:裁判所から仮処分命令を受けた場合、異議を申し立てることができる。異議が却下された時は、上級裁判所に対して不服を申し立てることができる。これを保全抗告という。)
初めての読者のために、真村裁判の経緯を簡単に説明しよう。発端は2001年。この年、読売が真村さん経営のYC広川を強制的に改廃しようとしたところ、真村さんが福岡地裁・小倉支部に対して、店主としての地位を守るべく、地位保全の仮処分命令を申し立てた。これが延々と続く「読売VS真村」裁判のはじまりである。
福岡地裁・小倉支部は真村さんの地位を保全した。その後、「本裁判」になり、地裁、高裁、最高裁と進み、すべて真村さんが勝訴した。最高裁が2007年の12月に真村さんの店主としての地位を保全して、裁判は終わったのである。
本来であれば、この時点で問題はすべて決着したはずだった。
ところが読売が凄まじい執念を露呈することになる。最高裁が真村さんの地位を保全した約半年後、予想外の行動に出てくる。YC広川に対する新聞の供給を一方的にストップしたのだ。
新聞販売店に肝心の新聞が供給されなくなると、無条件に商売が出来なくなる。新聞は毎日発行される商品であるから、在庫も意味をなさない。水道の元栓を閉められると、トイレもバスも使えなくなるのと同じ原理である。
◇人権問題としての真村事件
やむなく真村さんは、再び裁判所に地位保全の仮処分命令を申し立てた。この第2次地位保全裁判は、厳密に言えば、最高裁が地位を保全してから、読売がYC広川を改廃するまでの約半年の間に、真村さんが失職するに価する不祥事を行ったか否かが争点になる。
しかし、一般の人々はそんなふうには見ていないようだ。前訴の攻防が、そのまま続いているとする見方が主流を占める。わたしも2001年に始まった係争がそのまま持続していると解釈している。最高裁決定からのち、真村さんを失職させなければならない理由がなにもないからだ。
事実、裁判所は2008年11月、真村さんの訴えを認め、読売に新聞の供給を再開するように命令を下した。が、読売はこの司法命令を無視した。そこで1日に3万円の間接強制金(制裁金)を払わされることになる。
その後、読売は裁判所に異議を申し立てた。しかし、異議審でも訴えは認められなかった。そこで2月の初旬に高裁へ裁判の舞台を移したのである.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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読売が攻撃材料にしてきたパンフ『「押し紙」を知っていますか?』。写真は2ページと3ページ。 |
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読売が攻撃材料にしてきた『新聞販売の闇と戦う』(花伝社)。 |
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