読売、最高裁が地位保全した店主を解任 また司法判断を無視
「押し紙」や販売店の強制改廃など の問題が多発するなか、新聞販売問題に取り組む弁護団が制作したパンフ。近々、発行される予定。 |
8月1日の早朝、YC広川に新聞を積んだトラックはやってこなかった。予測していた事態ではあったが、真村久三さんは、販売店主としての地位を奪われたことを実感したのである。販売店にとって、新聞の供給停止は、「死」を意味する。
新聞は情報を売り物とする商品なので、日付が変われば、商品としての価値がなくなる。在庫品では代用できない。それゆえに新聞の供給がストップすれば、販売店はたちまち廃業に追いこまれるのだ。
マイニュースジャパンにたびたび登場いただいた真村久三さん。今後も、新聞販売の問題解決に取り組む。 |
真村さんは、新聞の到着に備えて店舗に待機していた配達員たちに、これまでの経緯を説明して、
「長いあいだありがとうございました。また、仕事をお願いすることもあるかも知れませんが、自分の道も探してください」
と、労をねぎらった。
午前4時半、配達員たちは店舗を後にした。明けがたの闇がとけはじめていた。
華々しい「ANY」のかけ声のもと朝日、読売、日経による販売網の整理・統合が進むなか、販売店の強制改廃が急激に増えている。昔はヤクザ(整理屋)がいきなり販売店へ押しかけていき、有無を言わさずに改廃することもあったが、現在では新聞社の法務関係者が改廃の役割を担っているようだ。
◇読売の勘違いしかし、YC広川の改廃には特殊な側面がある。他のケースとは若干性質が異なっているのだ。
真村さんには、読売を相手に7年に渡る地位保全裁判を戦った経緯がある。そして昨年の12月、最高裁判所が読売の上告受理申し立てを拒否したことで判決が確定し、真村さんは店主としての地位保全を認められたのだ。それゆえに一連の流れを知る者は、こんなふうに呟かざるを得ないだろう。
「えっ!どうして真村さんが?半年前に最高裁が地位保全を認めたはずなのに・・・」
弁護団が福岡地裁に提出した仮処分命令申立書の中の「事実関係」について述べた部分。真村さんが受けた差別扱いなどが詳細に記録されている。 |
読売社員は司法について、どのように教えられたのだろうか?大メディアの足下にも及ばない存在として受け止めているのではないか?
筆者を含め、読売という大集団に違和感を感じている人も多く、たとえばある新聞関係者が次のように話す。
「あの社(読売)は裁判所なんかなんとも思っていないのではありませんか。自分たちこそ世界を動かしている勢力だと勘違いしているのかも知れませんね。もう少し謙虚になるべきでしょう。だれもが警戒してこの集団を批判しないから、おかしくなってしまったのではないでしょうか」
◇部数増への病的なこだわり真村さんと読売の係争は、
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真村裁判の高裁判決の一部分。販売店をむやみに改廃してはいけない旨が記されている。
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YC広川(福岡)
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読者コメント
二度による裁判の結果、読売が販売店に新聞をおろさないと言うと裁判所の沽券が許さないと思うが?
今後この裁判の行方は。山賊の親分である、ミートホープみたいな強引な会社を司法は許すのだろうか?
今日のNHKのニュースを聴いていて、下請けイジメに対して不法な要求をしてた企業から罰金をと言っておりましたが。
新聞販売界は、下請け企業では在りませんが売れない新聞を押し付けられているようですから、一度経済産業省に相談してみては如何でしょうか。
下請け代金支払い法が適用できないだろうか。
意見陳述全文を読んだがアレはやばいでしょう。4割減るというのはこの業界が流動的という意味で、他紙の契約切れをチャンスにしてセールスすれば1/3に減るなんてことはありません。常識をわきまえた裁判官なら、考え方が甘すぎると判断されるだけです。昭和39年の九州発刊から携わった関係者はそういう甘えは許されなかったということを認識すべきです。
真村久三様がんばってください!
私はマイニュースジャパンでも取り上げてもらっている読売セールス員から暴行を受けた田代裕治という者です。
社会正義に反して、また基本的人権も侵害する、読売の行為は社会的にも指弾されなければなりません(裁判でもそう判定された)!
真村様はじめ、みなさまは社会のプライドです。
こんなに、販売店が困っているときに永年新聞業界の裏を知り尽くしている新聞の業界紙は何を伝えてきたのかな。
我々の苦しみを知っているくせに何故に真実を伝えようとはしないのか。
今度新聞代の集金に来たときは金は払いたくねえよな。
読売の販売店(埼玉)の拡張員のガラが悪すぎです。まるでヤクザ。あまりにも態度が悪く、それで良しと考えている節があったので解約しました。
あなたの言うとうり、
現役店主だね、もっと最新情報を具体的に聞かせて。
宜しくお願いいたします。
読売新聞は何かとキャンペーンを行っては、店側に法外なノルマを課してきます。締め切り期日間際に社側から来る担当や部長の【激励FAX】なんて、ハッキリ言って内容は脅迫以外の何ものでもないですよ。
「拡材攻勢じゃなく人間関係の構築で務台的手法を封じ込んだんだよ」
意味不明です
元ASA関係者さんに質問しますが、では押し紙問題についてはどうお考えでしょうか?
別の場所で明かしているが朝日新聞西部本社の目の前の販売店にいて問題の読売新聞西部本社とは至近距離でガチで戦ってきたのですが・・・ウチの区域で言えばA30:Y30をA44:Y22くらいにしたので詐欺師のように積む必要がなかったんだよ。拡材攻勢じゃなく人間関係の構築で務台的手法を封じ込んだんだよ、販売局が乗り出したとたんにそれは瓦解したけどね。
誰がそんな嘘臭い話を信じるとお思いですか?
大量の押し紙の存在を問題視しているのは、ここのサイトだけではありません。業界の端くれにおられたのなら、もう少し社会の情報に通じておられた方が良いでしょう。
まあ、読売の廻し者が、元ASA関係者を名乗っているというオチでしょうね。
ノルマとほぼ同レベルの発行部数と世帯数の推移を分析してみれば新聞社のノルマがいかに楽かわかるはず。バブル崩壊やネットの普及で成績が落ちたとしたらそれはそれまでの努力が足りないだけ。それから新聞業界ほど販売経費を負担している業界は無いですよ、購読料を払ってもらえればぼろ儲けができるのにそれを古紙回収に出しているから儲からないだけ。
そもそも、販売店にノルマを課して達成出来なければ押し紙を引き受けさせるというやり方や発想自体がおかしいですよ。
会社が直接雇っている自社の社員に対してでも強制出来た話ではないですし、販売店に対して所得保障をしている訳でもないのに厚かまし過ぎです。立場の弱い者の足元を見て搾取する冴えない悪徳商法と言った所でしょうか。
本社のノルマをこなして不正と無縁だった人間からすれば、弁護団の製作するパンフって詐欺師販売店を賛美して正直者販売店を侮辱する行為にしか見えないのですが・・・
最近の、新聞社は追いはぎか山賊と同じだね。
販売店が販売促進業務を無読の多い中で必死になって行っているのに、目標、目標と言って勝手に新聞を送り続けるこれが失態ですよ。
いやなら誰でもやり手はいると言って取引相手に正論を押し付け部数を強要してくる担当員。
裁判所に従わない悪質な新聞社にも、間接強制金と同額の金額を罰金として国庫に納めさせることも必要ではないですか。
先日、NHKの番組で雪印乳業の牛肉偽装問題を特集してました。
この問題を内部告発したのが,西宮冷蔵の社長でした。
新聞社の押し紙問題も取り上げてもらうようお願いしたら如何ですか。
ペンの暴力、折込詐欺、資源の無駄遣い、国会を巻き込んでの再販売価格つぶしその他。
大問題ですね。
企業の傍若無人ぶりへの対抗策として、不買運動は大変有効でしょうね。
今の時代、騙しと隠蔽が悪党の常套手段。その増大ぶりに歯止めが掛からず、ただ見過ごすだけか、せめてもの些末な公的対策も後手対応です。
一人一人が和になって対策を打たねば、この国に明るい未来はないでしょう。
さて、もし本当にやるのであれば、実際にどう和を広げますか?
このブログを、全国の新聞記者もどこかで見ているはずだが。
最近の新聞記者も情けないよな。
これでまあ良くも他企業のスキャンダルを新聞紙面で報じているよ。
この書き込みを見ているあなたですよ。
たしか。
新聞社はタダの民間企業たったはずだ。
裁判所も、判決が地位保全というものだったと思うが、残りの一生を新聞販売にかけた真村さんの情熱だったと思う、真村さんが可哀想。
裁判所が新聞社を判決にしたがわさせないようでは情けないよな。
俺は、お金だけの人生ではないと思う。
裁判所の命令まで破り、金だけ払えば済むんですね、これでは、裁判所も形無しだ。
一販売店の起こした内部告発も〔新聞社の押し紙による紙の大量破棄、資源の無駄遣い、環境問題等〕大問題を放っといていいんですか。
新聞社は、販売店のクビをじわじわしめ殺しておいて、今後の裁判所のこれでは沽券にかかわりますね。
今後の司法の対応策が見ものですね。
どうも見せしめ的な意味合いが強いのでしょうが、むしろ販売店側の新聞社に対する不信感を増大させるだけかと思います。
人権無視・司法軽視の読売新聞の不買運動しよう。
全く呆れたやり口ですね。読売は。
顧客リストを持っておられるでしょうから、朝日とでも販売店契約を結んで、顧客にも購買紙を変えて貰えるように頼まれては如何ですか?
他にも対処法を模索されると良い気がします。
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