読売販売店の店主らが「押し紙」排除に成功 本社への内容証明で
「押し紙」と折込チラシの水増しは、新聞業界が隠してきた大問題である。新聞特殊指定でも「押し紙」は禁止されているが、公正取引委員会はほとんど取り締まったことがない。ビニール包装された束が「押し紙」。新聞で包装された束の中身は、秘密裏に破棄される折込チラシ。データに基づいた筆者の推定では、読売1000万部のうち、300~400万部ぐらいが「押し紙」の可能性がある。(写真と本文は関係ありません) |
- Digest
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- 4割が「押し紙」に
新聞販売の現場で、とうとう新しい流れが始まった。新聞社の「押し紙」政策が破綻する兆しが現れたのである。
11月7日の午前3時。福岡県大牟田市にあるYC大牟田明治の店舗に印刷されたばかりの新聞を積んだトラックが到着した。所長の野中彰夫さんらは、トラックから新聞束を下ろして店舗の中に運んだ。毎朝、繰り返してきた作業であるが、この日はこれまでとは少し様相が異なっていた。
野中さんが希望したとおりの新聞部数、1480部が搬入され、これまで希望とは別に運び込まれていた余分な約900部の新聞はなくなったのだ。そのために、配達しない新聞を店舗の中に積み上げる作業はなかった。
新聞社によっては、水増ししたチラシを段ボールに入れて破棄している地域もある。
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日本全国の販売店には、総計で約4500万部の朝刊が搬入される。しかし、そのうちのすべてが配達されるわけではない。新聞社が販売店に対してノルマとして買い取りを押しつける新聞があるからだ。比率にすると推定で3割、あるいは4割といわれる。
これらの新聞は、新聞社が押し売りする新聞というニュアンスで、「押し紙」と呼ばれる。
「押し紙」の商慣行は、少なくとも1970年代には一般化しており、新聞販売店の経営を圧迫してきた。また、膨大な紙を破棄するために、環境問題としても水面下で指摘されてきた。独禁法の特殊指定も「押し紙」を禁止している。それにもかかわらず、公取委が「押し紙」を本格的に取り締まることもなく現在に至っている。しかし、読売新聞の販売現場で、ついにこの悪徳商法の一角が崩れ始めたのである。
読売が販売店に対して提出を求める業務報告書。YC広川の例。真村久三さん提供 |
YC大牟田明治が「押し紙」の排除に成功した前日にあたる6日にも、同じ大牟田市にあるYC大牟田中央で同様の光景が見られた。中島相互所長が希望した部数のみが店舗に運び込まれたのである。「押し紙」はなかった。
真村裁判の原告でYC広川の所長・真村久三さんが言う。
「まさか読売新聞社がこんなにあっさりと、販売店の要求に従うとは思いませんでした。わたしたちが読売を相手に裁判を始めたころには、考えられない状況が生まれています。それだけ時代が変わってきたということでしょう」
「増紙こそ正義である」という言葉がある読売の販売現場で起こった激変である。「押し紙」をして、公称部数を1000万部に伸ばしてきた読売が、販売政策の柱である「押し紙」を一部のYCで中止せざるを得なくなったのである。
その背景に何があるのか。結論を先に言えば、真村裁判の高裁判例がはやくも効力を発揮し始めたのである。
◇真村氏に「押し紙」を相談今年の8月、YC大牟田明治の野中さんとYC大牟田中央の中島さんは、真村さんの自宅を訪れた。真村さんが言う。
「わたしは2人から、『押し紙』問題についての相談を受けました。『押し紙』が全体の4割ぐらいあり、経営が立ち行かなくなってきたというのです」
2人の店主が相談相手として真村さんを選んだのは、真村裁判の進展を見守ってきたからだ。真村さんは、2001年に、読売からYC広川の強制改廃を迫られた。真村さんに続いて、YC久留米中央とYC宮の陣の店主も、やはり改廃を突きつけられた。そこで、3人は地位保全の裁判を提起した。
読売が真村さんらに廃業を迫った背景には、販売店の整理・統合の計画があったと推測される。ところが読売は、正当な改廃理由をみいだせない。そこであるひとつの姑息な方法を使ってきたのである。真村さんらが業務実態を虚偽報告していたといういいかがりである。
◇トリッキーな業務報告書読売が言う虚偽報告が何を意味しているのかを理解するためには、同社が販売店の管理に使っているトリッキーな業務報告書に言及しなければならない。
業務報告書の記入項目のひとつに定数と言われるものがある。これは店主が注文する新聞の部数である。
たとえば定数欄に2000部と記入すると、その月は毎朝、2000部の新聞が搬入される。3000部と記入すれば、3000部が搬入される。もちろん販売店は定数に応じた卸代金を支払わなければならない。
さらに業務報告書にある「実配(実配部数)」の欄にも、数字を入れなければならない。この欄には、実際に配達している新聞部数を記入する。
しかし、ここからが肝心なのだが、定数や実配数は必ずしも新聞の需要と供給の関係だけで決定できるものではない。店主は新聞拡販のノルマを課せられ、それを達成できなかった場合、営業不振を理由に改廃を迫られる恐れがあるために、ノルマの未達成分が存在しないという前提で、数字の帳尻をあわせる。
ひとつの例を挙げれば、実際に配達している部数が2000部で、1000部が余っているとする。この場合、残紙を隠すためにたとえば次のように数字をねつ造する。
定数:3000部実配数:2950部
予備紙:50部
実際は、配達部数が2000部しかないのに、「押し紙」部数の950部を加えて実配数の欄に2950部と記入しているのだ。かりに次のように正直に記入すると、定数と実配数の間に大きな差異があることが判明して営業不振とみなされかねないからだ
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弁護団が読売新聞西部本社に提出した内容証明の全文。
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読者コメント
読売ってほんと屑新聞だな。
この会社の実態知ったら、誰もこんな会社の新聞読まなくなるだろうし、ジャイアンツも潰れるだろうな
11月7日より残紙が無くなったことは、喜ばしいことです。しかし、今後、野中さんに対して新聞社の風当たりがきつくなるのでは??とご心配致します。是非、販売店を先立つ結果になるようにご期待しております。
私も新聞販売店で経営危機を迎えています。本社納金のために借金を繰り替えさずを得ないところで御座います。以前週刊誌漫画娯楽で取り上げられましたが、連載の予定が数回で終わってしまいました。これも新聞社の圧力??それとも新聞社の買占め??いづれにしても大手新聞社を一販売店が勝訴に持って行けたことは、民主主義ですね。
新聞社がテレビ局を持っているので、
当然、ニュースざたにもならない。
偽装してるのは、新聞社。誰か叩いてやってくれ
(続き)それでも店を押し紙ごと引きつがされた新店長は2年で立ち行かなくなってた。産経は広告収入が少ないから、ちょっとの押し紙でも店にとっては致命的だからね。かくいう私も読売は経験していないので、この記事についてはなんとも言えないけどね。(ヨミの配達員の友人から聞いた話では、産経と似たようなものみたいだけどさ)長々と失礼しました~。
(続き)ちなみにほぼ同時期同地域に私がいた毎日は7割弱。当時まだ何も社会のことを知らない若造だった私に、残紙回収のトラックの運ちゃんが押し紙の意味と「ここだけの話、この店は多いんだよ。こんなにひどい店はほとんどない」と教えてくれたっけ。次の年に入った産経の店は3割程度だったかな。4割はいってなかったはず。
>元ASA関係者さん>本社のノルマなんて世帯数の伸び程度でしかなく、他業界並みの仕事をしていれば達成可能。朝日はそうなのよ。朝日とそれ以外は枚数が全っ然違うの。全国的にどうだかは知らないけど、私のいた地域では朝日で販売店に残る紙は50枚以内。部数減を報告していないのがバレたら店長は即クビ、って聞いてた。7年位前の話かな。
押し紙無くせば、無駄に紙を使わなくていい(再生紙だと、むしろ石油とか使って再生するから環境に悪い場合がある。)無駄に刷る電気代もいらない。無駄なインクも使わなくてもいい。最大のエコ
最新情報・速報 読売は、20日からYC久留米文化センター前店への「押し紙」約1000部の搬入を中止しました。これでYC大牟田中央、YC大牟田明治に続いて3店が、「押し紙」排除に成功しました。
新聞社としては、このご時勢、料金値上げによる読者離れも相当怖いはず。だから業界挙げて、消費税引き上げ時の軽減税率適用を求めています。
08年新聞用紙代交渉が同年1月ごろに予定されている。各社とも値上げ圧力に対抗しているが、屈せざるを得ない原油高。製紙業界叩きをしつつ、譲歩を引き出すヤクザまがいの戦略だって考える。それが新聞社。権力は怖い。で、今回の用紙費上げを吸収するには定価改定しかない。よって消費税導入で改定理由が欲しい。一気に消費税容認論調が増えると予想する。
新聞社は紙面で官僚を批判し、悪徳業者を糾弾論調で叩く。 その実、新聞社の営業政策は官僚そのもの。好きな多用用語も行政機関が好むものばかり。 新聞社就職で端から営業を好むワケだから、そこにジャーナリズム感覚は相容れない。本能的に昇格競争や損得勘定に長けたような連中が多くなるのは必然。
実質的に普及率が10%の店主が20%分の仕入れをすると、実質15%で16%仕入れの店主より本社からの評価は高くなる。この業界ではよくある話だ。他業界では有能な人材が残り、ダメな人が脱落するのに、この業界ではずるがしこい人間が甘い汁を吸って、正常な人間からいなくなる。
速報: 3通目の内容証明によると、YC久留米文化センター前の「押し紙」は、送り部数2010部に対して、997部です。約5割が「押し紙」です。 これが公称1000万部の実態です。
速報: 12日、YC久留米文化センター前店の「押し紙」を排除するために、弁護団が読売本社宛てに内容証明を発送しました。これで3通目。
新聞で森林保護を訴えるのはヤメロwww
この業界は同一商品販売については競争が無く、手抜きをしても業績がガタ落ちになりにくい。だから仕事に対する取り組みはいい加減で、日々の努力で結果を出すより、架空読者を作って折り込み料詐欺で辻褄を合わせている。不正と無縁だった人間から見れば、自称被害者たちが犯罪者集団にしか見えないのですが・・・
もし3~4割部数が減るのなら、本社が取る道は販売店の数を半分に減らす大リストラだな。本社のノルマなんて世帯数の伸び程度でしかなく、他業界並みの仕事をしていれば達成可能。しかもネット普及後はある程度の下落を容認している、公表されている部数を見れば一目瞭然。
九州地方で押し紙を切っても他のところに持っていかれる可能性があります。全国的な流れになるようにすべきです。真村氏の功績を無駄にしないためにも、もっと広めていくべきです。
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