読売新聞が越境販売の違法行為 テリトリー制を無視
独禁法など「どこ吹く風」と言わんばかりの新聞業界。食品業、製紙業など、次々と企業の「偽装問題」にメスが入っているが、新聞業界だけはメスが入らない。 |
年明けそうそうに、久留米市を中心とする福岡県の筑後地区で、またもや読売新聞社の関係者が問題を起こした。俗にいう「コソ泥」事件である。
「コソ泥」があったのは、1月7日。サラリーマンにとっては実質的な仕事はじめの日だった。現場は 真村裁判の原告でYC広川の店主・真村久三さんが新聞販売の営業区域としている広川町である。
真村さんの営業区域に越境してきた別のYCが発行した新聞購読の申込書。日付は、20年1月7日になっている。購読期間は1年間。 |
真村さんの営業区域に隣接する区域にある別のYCから、ひとりの販売店員が越境してきて、あるマンションの玄関を入ると、新聞購読契約を取り付けて踵(きびす)を返したのである。
新聞社は各販売店に営業区域を割り当てている。これは同じ系統の販売店相互の競争を避け、販売網の混乱をふせぐのが目的である。いわゆるテリトリー制である。
テリトリー制は、新聞特殊指定に基づいた新聞の再販制度とセットになっている。独禁法は本来、取引地域など拘束条件を付けて取引をする行為を禁じているが、独禁法の第23条は、「再販売価格を決定し、これを維持するためにする正当な行為」は、その適用除外を認めている。
その結果、営業区域の独占と新聞の同一価格が保証され、新聞業界から、同一紙の販売における自由競争がなくなる。
もっとも実態は、ルールの無視が横行しており、理想とは大きくかけはなれている。
テリトリーの保証について、真村さんが言う。
「販売店を開業するとき、代償金と呼ばれるお金を前任者に支払って自分のテリトリーを買い取ります。他の商売ではこんなことはしません。販売店主はお金を支払って営業権が保証される区域を買っているわけですから、当然、他人のテリトリーで事業展開する行為は、他人の畑に入って農作物を盗み取るようなものなんです」
さらに真村さんは、事件の経緯について説明する。
「新しく広川町へ引っ越してこられた方の情報を得て、わたしの店の従業員が購読をお願いしに自宅へうかがったのです。ところが、すでに隣接区域のYCと契約済みになっていたのです」
翌日、YC広川の配達員がこの読者のポストを覗いてみると、すでに読売新聞が投函されていた。隣接区域のYCが、真村さんのテリトリーに入って営業活動を展開したなによりの証拠である。
読売新聞東京本社。福岡県の大牟田市や久留米市では、昨年、「押し紙」率が4割から5割のYCも確認された。渡邉恒雄氏の責任が問われる。 原寿雄氏も「新聞文化賞を受賞した新聞界のドン渡邉読売グループ会長・主筆には、ジャーナリズムを逸脱した保守大連立の工作より、まず自らの恥部解消を要請したい」(『週刊読書人』07年12月14日)と述べている。 |
テリトリー制を踏みにじる「越境行為」は、自由競争の原理を新聞業界に持ち込むに等しい。新聞の販売価格がすでにばらばらになっていることはよく知られているが、テリトリー制も危うくなっている。とくに新聞社との関係が悪くなった販売店が、「越境行為」の犠牲になる場合が多い
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昨年の12月25日、最高裁判所は、真村裁判における読売の「上告受理申し立て」を受け付けない決定を下した。これにより読売の販売政策が最高裁でも断罪された。
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読者コメント
会社組織の中で、コソ泥は解雇です。読売新聞西部本社は、コソ泥をしたその地区の長たる方をどう考えてるんですね?
お客様から直接話を聞いた者ですが、隣の社員さんが訪問されて「広川には販売店はない!」と言われたそうです。ちなみに、その隣の社員さんはスキンヘッドでお客様によるととても普通の人には見えなかったそうです。bantaさんも近くおいでの際は、隣の社員さんに会ってみてください。「一見は百聞に如かず」ですよ。
YC広川から読売をどうしても配達してほしくない、と、いうお客様かもしれません。過去に嫌な事があったかとか、隣の社員のほうが良い社員と判断されたのではありませんか。どの地域でもたまに発生しますね。
それはいけません。越境販売です。3ヶ月ほど読売新聞の販売店に住み込みで働いた事があります。どこの販売店でもする事は同じだと思うのですが。違いますか?
やる事が、同業者として怒ってます!どこの地区の店なのか、教えて下さい。その販売地区の読売新聞の不買運動をしましょう!皆さん、どうですか?
YC広川の顧客を水面下で奪い取る作戦かな?2、3年したら、ほとんど、入れ替わってるかも知れない、それまで店主の気力、体力があればいいけど・・・
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