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転職5回でグローバル人材に「行く気なくても面接の数をこなせ」

情報提供
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サラリーマン人生15年で転職5回、現在30代後半
 日商岩井から始まって、半強制的な新会社への転籍も含め、15年間で三井物産、日立製作所など大手有名企業や外資系を含む、のべ6社に在籍。現在は「サラリーマンは最後」と決めて、年収1500万円前後で大手コンサルティング会社にてシニアマネージャーを務めつつ、5年後にはグローバルなビジネスのプロフェッショナルになることを目指し、サラリーマンキャリアの総仕上げにかかっている。「日本のグローバル人材の育成に貢献したい」と話すインタビュイーに、豊富な海外ビジネスの経験やグローバル人材としてのキャリアの積み方、賢い転職活動のやり方などについて、話を聞いた。
Digest
  • ボーナス0.1ヶ月に
  • 「一身上の理由で…」退職届で強制転籍
  • 中国に3年赴任
  • 仕事がデキない富士通出身の事業本部長たち
  • 三井物産へ転職
  • 日立からコンサルへ「サラリーマンはこれで最後」

ボーナス0.1ヶ月に

グローバルに仕事がしたいという漠然とした思いから商社系を中心に就職活動をして、日商岩井(当時)に入社したのが96年。同期は38人で、一般職の女性含め53人でした。すでに就職氷河期といわれ、受かっていれば財閥系に行ったでしょうが、海外ビジネスができることを第一条件に決めました。キコクでもないし、英語が堪能だったわけでもない。まだ、今のように学生に明確な志望動機を求める時代でもなかったと思います。

自動車部門へと配属され、鉄を扱う仕事からスタートしました。簡単に言うと、鉄鋼メーカーと部品メーカー(トヨタの下請け)の間に入る仕事。当時、商社は「冬の時代」で、不良債権処理に苦しんでいた時期で、99年末ごろには「客のところに手形を買い取りに行け」と言われたこともあります。

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転職面接の合間に話を聞いた

99年は、ボーナスが0.1ヶ月とほとんど出なくなり、車をローンで買っていた同期は、売却してましたね。富士通にニフティ株をすべて売却したのも、99年のことでした。そんなリストラ真っ最中の折、トヨタのアメリカ進出にともない、米国への長期出張に出るチャンスがめぐって来ました。

トヨタは車の最終工程を組み立てるだけで、数万に及ぶ部品を調達するために、傘下の部品メーカーも一緒に進出する。部品(トランスミッションなど)を作るには鉄が必要なので、そのサプライチェーンを整備する必要がある。それが日商岩井に求められた仕事でした。

99年~2001年まで日米を行ったり来たりして、その後、韓国・台湾も入って2002年まで、ずっと行ったり来たりになった。具体的には、アルセロールミタルやタタなどの鉄鋼メーカーから鉄の材料を買って、部品メーカーに入れるまでを請け負う。加工するための事業センター、コイル・鋼材センター、海外拠点などを、自分たちで作っちゃうんです。

韓国や台湾から自動車部品の金型を買いつけて、トヨタグループのティア1、ティア2(Tier1=自動車メーカーと直接取引きをする層)、つまり「トヨタ鉄工」「フタバ産業」「アイシン精機」「トヨタ自動織機」といった会社に売る仕事をしました。納期管理もします。これらの部品メーカーがアメリカに進出するための支援、コンサルティングみたいな業務内容でした。

地方の部品メーカーには、国際業務をできる人材もノウハウも不足しているので、商社による支援がないと海外でどうしてよいか分からないし言葉もできない。現地で加工センターを立ち上げる実務も経験できました。英語は、99年にアメリカに行ってからで、実務のなかで必然的に身についていきました。

「一身上の理由で…」退職届で強制転籍

個人的なキャリアとしては悪くなかったのですが、日商岩井は巨額の不良債権処理に追われ、株価も100円割れが続いていた。そして当時、三井物産、住友商事に続いて業界3位をキープし、看板部門でもあった鉄鋼は、4位の三菱商事との共同出資で新会社を作ることになった。

問題は、当初5:5の対等出資で協議が進んでいたはずの新会社が、発足時には、三菱商事の子会社(三菱商事6:日商岩井4)になってしまったことです。三菱商事よりも日商岩井のほうが鉄鋼では売上高が大きかったのに、出資比率は三菱商事6:日商岩井4。資産評価で劣ることから、日商岩井という本体の短期的な生き残りをかけて足元を見られた格好です。

2003年6月、新会社「メタルワン」が設立され、私を含む日商岩井の社員は「一身上の理由で・・・」という退職届を書いて転籍するか、会社を去るか、の選択となって、ほぼ全員が新会社へと転籍になりました。一方の三菱商事は、49歳まで出向扱いで

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jiangmin-alt2011/06/02 00:11

ウンコ暗黙知残念。

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