 Baa 優良企業予備軍
(仕事4.5、生活2.3、対価5.0)
|
「どうせ上の人に言われてやっただけなのに」「かわいそうに」。今回の不祥事発覚後、社内で一番多く聞かれた感想は、同情だったという。
2005年6月、排ガスの微粒子除去装置(DPF)の性能データを偽ることで指定を受け東京都に販売したとして、三井物産の元先端技術事業室長(47)とその部下(29)が詐欺の疑いで逮捕された。2人を含む関係者3人が懲戒解雇となっている。
【Digest】
◇社員の逮捕・解雇に同情も
◇前回よりは身に染みた
◇3年目の配属先に一生骨をうずめる
◇変わるビジネスモデル
◇儲かれば何でもOK
◇ネームバリューで人脈作りも
◇旧来型のオフィス環境
◇女性には厳しい職場
◇マイルは個人のものに
◇カネの力と名刺の力
◇30代半ばまで年次で一律昇格
◇至れり尽くせりの海外駐在員
◇評価は人事異動で
◇限界まで残業する時期も
◇海外駐在は短期でグルグル
◇目立つ体育会系
◇社員の逮捕・解雇に同情も 「室長」とは、一番下の管理職で、一般企業でいうライン課長を指す。2002年12月、部下からデータねつ造を打ち明けられた室長は「誰にも言うな」などと口止めを指示したとされている。室長の年収は交際費込みで1,800万円、その部下も約1,000万円。その代償として「社員は常に、本部の業績に戦々恐々としており、上からの強いプレッシャーがある」(他本部の社員)。2人が所属する本部は、既存事業の業績が悪く、新規事業で儲けるために焦っていたという。
同情が多いのは、氷山の一角であることを、多くの社員が感じているからだ。たとえば儲け頭の「鉄鋼原料」では、販売先が大手鉄鋼メーカー1社に大きく依存しているため、「出張という名の豪遊」を要求されれば、断れない構造にあるという。こうした合法的な接待も、相手が公務員になれば違法となる。今回は、DPFの性能試験に立ち会う予定だった都の職員2人を釣りに誘って、巧妙に立会い検査も回避していた(都は2人を停職処分)。接待は慣れたものだ。
「環境問題であること、東京都の行政が絡んでいること、という点で一線を越えているのに、ちょっとした判断ができなかったということでしょう」(中堅社員)。
◇前回よりは身に染みた
同社では、2003年にも、国後島のディーゼル発電施設工事を巡る入札において談合を主導したとして、社員2人の有罪が東京地裁で確定している。入札参加を見合わせた丸紅に5,000万円、兼松など2社に2,000万円を談合協力金として支払い、競争を断念しなかった別の商社に「まだやる気か」「鈴木(宗男)先生が怒っている」などと脅す徹底ぶりだったという。同年、モンゴル高官への贈賄疑惑も発覚して当時の会長・社長が引責辞任している。
2年前に続き三井物産本社に家宅捜索が入り、再び社員が逮捕されるに及んで、さすがに今回こそは様子が違ったようだ。社員全員が直接、室長からミーティングで注意を促されたほか、イントラネットに「謝罪と代替商品への交換に留まらず、当社信用を大きく損ない企業存亡の危機になる」といった槍田社長による深刻なメッセージも掲載された。
事件発覚が年末年始の直前だったため、忘年会など慶事も全面的に自粛。関係本部以外の本部からも各部1人ずつ、計260人(全社員の5%弱)を引き抜き、トラック会社など販売した取引先への謝罪やDPF問題の対応に張り付かせ、全社員がEラーニングで「それなりに難しい」コンプライアンスのテストをパスするまで受けさせられ、コンプライアンスのビデオを全員必修で視聴。「全社員が日常に影響を受けたので、国後島の時よりは身に染みた.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
キャリアパス |
|
|
30代前半
|
|
|
公表データ
|
|
