画像1: 富士ゼロックス社員D氏の解雇理由書。「業績が極めて低く」などとあるが、むしろD氏は営業成績が突出してよかった(営業を禁止されたので成績が上がるはずがない)。ちなみに解雇理由には会社ぐるみのパワハラについては一切触れていない
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富士ゼロックスに2009年、障がい者雇用で入社したD氏は、営業で成果を上げていたにもかかわらず、「社外でセクハラをした」などという嫌疑を根拠も示さずにかけられ営業禁止になり、以後、プライベートで会った人の個人情報を一カ月間に渡って徹底的に調べ上げられた。その後、フレックス勤務での採用にもかかわらず突然、フレックス禁止を命じられ、挙句、植木の水やりやゴミ箱管理などの雑用を命じられ、最後には人事部に“障がい者は用済み”と罵倒されて、昨年、解雇された。現在は解雇撤回などを求める訴訟準備を進めている。「障がい者に優しい」という美辞麗句を売りにしているブラック企業・富士ゼロの内幕を詳細にレポートする。
【Digest】
◇“障害者は用済み”音源公開
◇ゴミ箱の中身をチェックする上司
◇「プライベート情報を全て報告せよ」
◇フレックスタイムを突然禁止
◇障害者を罵倒する人事部
◇“障害者は用済み”音源公開
この音源は、D氏(30代後半男性、本人希望により名前・写真は伏せる)が富士ゼロックスから解雇通告を受けた後、同社人事部T氏と交わした話し合った際の、会話の一部分である。Tは、D氏のことを“障害者として用済み”と断定し、机をバンバン叩いて「悪いけどあなた理解力がないんだよ」などと罵倒。“用済み”発言を謝罪してほしい、と訴えるD氏に対し「こちらが謝罪してもらいたいくらいだ」との暴言も吐いた。
→音源ファイル
(説明テキスト)
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人事部T氏 会社は4で採用したんだよと言ってるだけよ。それが何で6に変わったのかを言ってるだけよ
D氏 変わったというのが間違いですね。4がなくなって新たな・・・
T だから、何度も同じこと言わせんなよ。会社は4の資格でとったんですと。
D なくなったら用済みだってことですか
T そうだよ。
D 障害がなくなったら…それというのは、労働者としては喜ばしいことであの…
T いや、だけど、会社は身障者でとったんだからその基準がなくなったんだから、どうしようかっていうだけの話よ。
(以下つづく)
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◇ゴミ箱の中身をチェックする上司
D氏は2009年夏に富士ゼロに入社した。D氏は内臓の病気を患っており、はた目からは分からないが、障がい者雇用での入社だった。
富士ゼロは障がい者に優しいということで有名だったことと、フレックスタイム制度での採用だったことが、D氏が富士ゼロに入社を決めた最大の理由だった。
「東京ミッドタウンの本社を見たときは、こんなきれいなところで働けるのかと思いました」とD氏は回想する。
だが、そんな淡い期待は、ほどなくして崩壊することになる。
D氏の配属先は、中央区にある支店だった。その支店には約50人の社員がいて、D氏は大手企業に対するコピー機の営業を担当した。
はじめの三カ月間は試用期間で、50歳前後の先輩の上司(以下、先輩)が教えることなった。D氏はこう語る。
「その先輩は、オフィス内でわたしが先輩の後ろを通っただけで、『うしろを通るな! 』と怒鳴りつけたり、わたしのゴミ箱の中身をチェックして『こんなもの捨てるんじゃねえ! 』と突然怒りだしたこともあります。自宅で印刷した書類を捨てただけなんですけど、『仕事と関係ないだろ!! 』と激怒するんです。ふつうゴミ箱はチェックしないですよね…他の社員が同じことをしても何も言わないんですよ。わたしにだけ、怒るんです」
しかも、その様子を、ほかの社員たちは見て見ぬふりをしていた。だがそれは、後述する〝パワハラの嵐〟に比べれば、嵐の前の静けさに等しい。
そんな試用期間を経て、秋ごろ、D氏は正式な社員となり、一人で営業を回り始めた。実はD氏は、前職で営業に関連する仕事に従事していたため、営業には自信があった。実際、当初は順調だったという。
「10日で40件の契約を結びました。数字がおもしろいように出て、すごいやりがいを感じました」
無論、ほかの社員は10日で40件も契約は取れない。D氏は突出して目立っていた。災いが押し寄せてきたのは、そのさなかだった。
◇「プライベート情報を全て報告せよ」
正社員となり約10日後の朝、D氏は出勤すると、突然、上司から呼び出しを受け、「本社の人事部に行け」と言われた。本社に着くと、会議室に呼ばれた。そこには人事部の三人が待ち構えていて、D氏が席に着くと、Hという男性が、こう切り出した。
「社外の女性からクレームが入りました。つきましては、入社後、社外で二人きりで会った女性の、名前、所属、住所を全て、会社に提出して下さい」
D氏は「何の事ですか? クレームを受けるようなことをしていません」というと「よく考えて下さい」。Hによると、クレームというのは通報した女性に対するセクハラ行為に関するものだというのだが、身に覚えのないD氏は「さっぱりわかりません」と反論した。すると、Hは「とりあえず調査するので、全部、教えてください」と言い、こう要求してきた。
「どこで知り合ったか、いつ、どこで会ったのか、どこの店に入り、何をしゃべったのか、いくらお金を払ったのか、二次会はどこへ行ったのか、全部教えてください」
それを聞いたD氏は「わたしはクレーム処理には全面的に協力しますが、クレームと関係ないことは聞かれたくありません」というと、「ダメです。社員は会社に、プライベートのことを全て伝えなくてはいけません。これは業務命令です」という。
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画像2: プライベートで会った人の個人情報を書くよう命じた文書。記入事項は箇条書きで19項目に上る |
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「業務命令」といわれては従わざるを得ない。D氏はしぶしぶ引き下がり、支店に戻った
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画像3: 富士ゼロのコンプライアンス宣言。「ハラスメントの禁止」「プライバシーの保護」などを謳っているが、実像は真逆のブラック企業である |
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画像4: フレックス禁止を命じる警告書。文中の12月28日に、自分の判断で勝手に行った時間外業務とは、忘年会があるので残るよう上司に言われた時のことを言っている |
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画像5: 富士ゼロの「障がい者雇用の基本方針」。実態とは正反対のキレイゴトの文言が並ぶ |
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