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三菱地所のコンプライアンス 「海の家事件」実行犯を本体執行役員に6年登用、子会社社長にまで厚遇する『人を、想う力。』
社員が携帯する「行動憲章カード」を示すインタビュイー。ブランドスローガンが記されている。

「三菱は国家なり」と言われてきたが、時に厚顔不遜となり、日本国の法令よりも三菱の論理が、しばしば優先されてきた。「海の家事件」がその象徴だ。複数の反社(総会屋)にカネを渡して商法違反で逮捕され、有罪が確定した社員は、その後、6年間の本体執行役員で厚遇され、現在は子会社の社長にまで出世。社内では、この人事に違和感はなく、むしろ同情的にみられているという。土壌汚染(ヒ素)を隠したままマンション販売した「OAP事件」を含め、不祥事で歴代トップが2人(高木丈太郎、高木茂)引責辞任した問題企業の割に、特段、コンプラに力を入れている気配はなく、情報開示も実に貧弱だ。対社内はともかく、世間に対する『人を、想う力。』は感じられず、またやりそうな臭いすら漂う。

【Digest】
◇会社の体質がわかる「海の家事件」の、その後
◇解雇の後、ほどなく子会社に復帰
◇執行役員6年、子会社社長に
◇「組織の三菱」「三菱は国家なり」
◇OAP土壌汚染隠し事件(2002年発覚)
◇所長が夜逃げした南青山の欠陥建築事件(2013年発覚)
◇「部下を殴って降格」高巖教授を招きコンプラ推進
◇基本は保守的、“間抜けな大金持ちの地主”
◇官僚VS野武士、2つのカルチャー
◇富裕層に強い三井不動産
◇長期ビジョンの森ビル、営業重視の野村
◇本社移転、フリーアドレスでストレス軽減
◇勤務地限定制度を総合職に導入
◇「利用実績は全員女性」退職者再雇用制度の拡充


◇会社の体質がわかる「海の家事件」の、その後
 1997年、いわゆる「海の家事件」で総会屋に利益供与していたことが発覚した三菱地所。その実行犯として逮捕され有罪になったのは、総務部の「副長」(部長の1つ下のランク、当時44歳)と、総務部「上席参事」(副長の下、当時41歳)だった。いずれも管理職クラスではあるが、ライン部長ではなく、出金の決裁権限を持つ総務部長や人事部長は、逮捕を免れた。同社では、この総務・人事畑は、社長を輩出してきた出世コースだ。

■総会屋とは
「総会屋」は、取締役の女性問題などスキャンダルを株主総会で追及する。たいていは事実であるため名誉棄損にもならず、その行為自体は正当である。そこで、スネに傷をたくさん持つ三菱地所をはじめとした大企業は、その追及を避けるため、こぞって総会屋に「株主総会の進行に協力する謝礼」としてカネを支払った。これは違法行為であるが、特命を帯びた総務部が、その「汚れ役」を代々、担ってきた。

 総務部の総会屋担当は、会社の秘密を握る部署となるため、将来は出世コースが約束されている。会社としては、墓場まで「バレたらヤバいことになる会社の秘密」を持って行って貰うため、一生の面倒を見ることで、会社と一蓮托生の状態にし続けるのである。露頭に迷わせ、恨みでも買ったら、文春にネタを売られかねない。

 もちろん、贈賄側も、収賄側も、犯罪となる。「海の家」事件では、総会屋・鄭照謨氏は、三菱自動車工業、三菱電機、三菱地所、東芝、日立製作所の計5社から計2230万円の利益供与を得た商法違反の罪で、懲役8ヶ月の実刑判決を受けた(1998年12月東京地裁)。

総会屋を活用していた三菱地所「海の家事件」「スチュワーデス情報誌事件」の時系列と犯罪社員の処遇
 詳しい時系列の経緯は、左記のとおり。副長の藪和之被告と、上席参事の小園雅孝被告は、懲役4ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受け、確定した。

 裁判長は「違法性を熟知しながら、あえて利益供与を継続した」と断罪した一方、「前任者からの引継ぎで、責任を両被告のみ問うのは酷な面がある」と執行猶予の理由を述べている(当時の各新聞記事による)。

 たまたま、組織の機能として前からあった仕事を前任者から引き継いだら、運悪く摘発されてしまった。

 いわゆる「爆弾リレー」が、自分のところで爆発した格好だ。犯罪行為が、誰もノーを言えないまま、代々、平然と引き継がれていく点が、実に日本的なコンプライアンスの現場実態をよく表している。

※現在の日本の行政のIT化の遅れもすべてこの構図に似ており、前任者から引き継いだ通りに問題意識なくやり続けており、本人に罪の意識がないから、昭和時代の生産性が低いまま、税金が日々、無駄遣いされ続けている。

 この一見、“サラリーマンはツラいよ物語”は、その後、やや意外な展開を見せる。株主や世間の手前、刑事事件で有罪判決を受けた社員は、通常の会社では解雇されて終わりか、在籍するにせよ出世はできなくなって、外部からはどこにいるのかわからない窓際族となるのが一般的だが、三菱地所にそのような世間常識は通用しない。

◇解雇の後、ほどなく子会社に復帰
 ぜんぶ自分たちがやりました、上司の指示ではありません――という体裁にして部長以上の幹部を守った形になった44歳の藪氏は、上層部から見たら、かわいい優等生だ。会社のために汚れ役となって罪を被った前科者は、上場企業としての体面を保つため、形式的に解雇となったあと、ほどなく子会社に復職し、順調に出世階段を登っていった。

 いわば、組長の罪を被った「鉄砲玉」が刑期を終えて箔がつき、要職に抜擢されていく、ヤクザ映画の世界そのままである。

 「1998年頃に三菱地所住宅販売に復帰された、と聞いております。藪さんは、地所の総務部に配属される前は、新卒から、おそらくずっと三菱地所住宅販売に出向していて、初めての本社勤務が総務部だった、とのことです」(社員)

 三菱地所では、個人向け住宅事業は「オフィスビル」「商業施設」に続く第三の事業で、新興の成長事業だ。その住宅を専門分野としていたため、順当に元の職場に戻ったことになる。そして、有罪判決から10年後の2008年(55歳)、地所本体の執行役員・住宅事業部長に就任する。基幹職3級(部長クラス)のさらに上にあたる、住宅部門のトップだ。

 2つの事件で総会屋との窓口役となり、逮捕・起訴・有罪となった藪氏が、三菱地所の個人向け住宅事業の顔、執行責任者となったのである。丸の内の不販部門ならまだしも、一般消費者向け(B to C)事業では販売に影響が出そうだが、一部週刊誌を除き報道されることもなく、ほとんど影響はなかった。日本の消費者に、その手の敏感なコンプラ意識はない。

◇執行役員6年、子会社社長に
会社のために汚れ仕事をこなし前科がついた藪和之氏は、本体の執行役員を6年務めたあと、67歳の現在も子会社の社長と、大出世。これが三菱のコンプライアンス。
 本体の執行役員を計6年間務め、2010年からの4年間は三菱地所レジデンスの取締役専務も兼務し、60歳で第一線から離れた。そして2020年現在(67歳)もまだ、子会社「京葉土地開発」の社長で処遇されている。本体の取締役にはならなかったが、子会社の専務取締役、子会社の社長にはなった。会社のために、総会屋と“黒い取引”に手を染めた甲斐があった、というものだ。

 本体執行役員の平均報酬は年8,315万円(2020年3月期)と高額で、これを6年間も務めた。同期でもトップクラスに入る出世であることは間違いない。社内では、どのような見方をされているのか。

 「温厚で人格的にも仕事的にもバランスのとれた方といわれ.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



グループ全体で年63件だけの相談件数、内訳も対処結果も全て非公開で、ほとんど機能していない三菱地所のヘルプライン(「サステナビリティレポート2019」より)
三菱地所の勤務地限定制度(2017年4月~)
三菱地所の退職者再雇用制度(2019年10月改定)

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    01:04 10/02 2020
本来の意味で外との競合が無い世界。古い体質、古い価値観がそのまま色濃く残っている会社という印象。昭和的価値観の人間であっても違和感抱くレベル。GoogleかAmazonによって駆逐されて欲しい。