業績、配当、年間給与の推移(有価証券報告書より)
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就職活動において、学生は11月~来年にかけて、人事部採用担当など、企業側の人の話を聞く機会が増える。企業は当然、自分らに都合の悪いことは言わない。売り手市場の昨今は特に、頭数をそろえるため、学生をだましてでも囲い込もうとする。なかでも企業側が絶対に教えない情報の1つが、サラリーマンという働く形態の置かれている絶望的な状況についてである。今日は君たちがだまされずに企業を見抜くためのポイントを教える。
(本稿は10月中旬に行われた立教大学での講演内容である。終了時に行ったアンケートでは有効回答77名中69名が「満足」または「大変満足」と回答した。)
【Digest】
◇配当3倍なのに給与が減っているトヨタ
◇株主重視、社員軽視の大きな流れ
◇株主のグローバル化
◇人件費のグローバル化
◇株主にとっての「勝ち組」≠従業員にとっての「勝ち組」
◇サラリーマンの9割がロウアーミドルに
◇2つしかない生き残る道
◇公務員的人生に適した企業、キャリア開発に適した企業
◇配当3倍なのに給与が減っているトヨタ 右記が、トヨタ自動車とキヤノンという、日本を代表する“超優良”とされる“勝ち組”大企業の業績と配当、平均年間給与である。これをみて、みなさんはどう思うだろうか。
一目瞭然なのは、社員が頑張って働き、企業業績が上がっても、社員には還元されずに、株主の不労所得になった、という確たる事実である。
黄色の列に注目していただきたい。トヨタは配当を3倍にしているが、給与は減らしている。キヤノンも配当を4倍以上にしているが、人件費は3%増、それも成果主義とはいえ平均年齢が上昇しているため、ほぼ据え置きといってよい。
両社ともに、4年連続で売上高が上昇し、利益も上がっている。もちろん、社員が頑張った成果だ。もし「成果主義」であるというなら、利益の上昇とともに賃金も上昇しなければならないが、特に成果主義を強調するキヤノンでほぼ据え置きというのは、どういうことなのか。
成果主義の名のもとで、労働は間違いなく強化されているのに、利益が2倍になっても賃金が据え置きとなると、実質的な減俸と考えてよい。
◇株主重視、社員軽視の大きな流れ
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企業業績の推移
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これはトヨタやキヤノンに特有の現象ではない。
右記は、財務省の法人企業統計であり、2006年で273万社超が対象となっている国内最大規模の調査である。4年連続で売上高と経常利益は増加している。だからここ3年ほど、一般的には景気が拡大しているということになっている。
だが、サラリーマンには、あまり実感がない。
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配当と労働分配率の推移 |
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それは、左記の同じ法人企業統計による「配当と労働分配率の推移」を見れば明らかだ。業績が向上するにつれて、株主への配当金は、まったく同じカーブで上昇しているが、労働分配率は微減か横ばいで、上がる気配がないのである。
労働分配率というのは様々な定義と算出方法があるのだが、ここでは、もっとも働く側の実感に近いものとした。すなわち、従業員給与と福利厚生費を足したものを分子にとり、分母のほうは、それに営業利益と減価償却費を足したものとした。要するに、会社が生み出した余剰資金のうち、どれだけ従業員に還元しているのか、を示す比率だ。
利益を誰に配分するかは、単年度で見ればゼロサムゲームである。「未来への備えだ」と設備投資に多くまわすか、「株主重視」をうたって配当にまわすか、従業員に報いるか、役員賞与を出すか、それとも税金を払って貯金するか(次期繰越利益)、といった具合で、カネの取り合いだ。従業員は完全に取り合い合戦に負けているといえる。
逆に、株主への配当はうなぎのぼりである。2001年度までは4兆円程度で推移していたが、その後の5年間で、なんと4倍になった。新聞報道によると、2007年度も過去最高を更新する見通しだ。
◇株主のグローバル化
企業は、なぜ従業員を軽視して株主にばかり手厚く配分しているのか。
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10年後の大企業社内格差 |
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