なぜ読売は、司法命令に従わないのかを問い合わせてみたが、「黒薮さんとは係争中なので、お答えできません」との回答を口頭で得た。読売は、わたしに対しては、常に取材を拒否している。
|
最高裁が読売新聞販売店「YC広川」(福岡県)店主、真村久三さんの地位を保全して、12月25日で1年。だが真村さんは、裁判所の命令に従わない読売の「力の政策」によって、販売店を改廃され、いまだ配達を再開できていない。11月26日に福岡地裁は、再度、真村さんの地位を保全、YC広川へ新聞供給を再開するよう命令を下したが、読売は無視。やむをえず真村さんは、日額7万円の「間接強制金」(=制裁金)を裁判所に申請、少なくとも1部は認められる見通しだ。読売は現在、「YC久留米文化センター前」にも制裁金を月120万円ずつ払い続けている。意地でも裁判所の決定(新聞の供給)に従わないつもりだ。
【Digest】
◇司法無理1-判決は異例の長文
◇司法無視2-新聞の供給を再開せず
◇司法無視3-過去にも同じ手口が
◇言論弾圧へエスカレート
◇江上武幸弁護士による解説
記者クラブ主催の記者会見をフリーライターが取材しようとすると、かならず押し付けられる条件がある。
「傍聴は許可しますが、質問は控えてください」
|
日本の新聞をダメにした責任は、この人にもあると思うが、誰もあまりそれを指摘しない。極端に臆病になっている。写真は、『やっぱり読売新聞が面白い』(中経出版)より。
|
|
日本の新聞社が記者クラブを通じて警察や官庁などから情報提供を受けている事実は、周知になっている。それが慣行化してしまうと、だれもそれを異常とは感じなくなる。あげくの果てには、記者クラブがフリーライターに対して質問を禁じることで、権力機構を防衛するという、世界に類なき珍現象まで生じている。
このような「仲よしごっこ」の中で、
作文コンクールを警察庁の後援で主催してみたり、警察OBが販売局に天下りする(いずれも読売新聞社)などの癒着が生じている。しかし、その反面、自分たちの意にそぐわなくなった者に対する態度には、驚くべき傲慢さを見せる。
本稿では福岡県の販売店訴訟における、読売による司法無視の実態をレポートする。司法判断を堂々と踏み倒し続けている読売とは、一体、「なに様」なのか?司法を無視してまでも、自分たちの意にそぐわない勢力を押さえ込もうとする体質が、「反読売」の言論活動に対する憎悪に転化したとき、なにが起こるのだろうか?
◇司法無理1-判決書は異例の長文
YC広川(福岡県)の店主・真村久三さんの係争についてはマイニュースジャパンでもたびたびクローズアップしてきた。
手短な経緯は、読売が真村さんを解任しようとして係争になり、七年にわたる裁判の末に最高裁が真村さんの地位を
|
偽装紙(押し紙)の実態。新聞の部数を偽装することで、莫大な紙面広告の収益を得ている。
|
|
保全した、というものだ。それがちょうど1年前の12月25日だった。この日を境に真村さんには平穏な日々が戻ってくるはずだった。
ところが、それから半年後に、読売は真村さんに対して商取引を打ちきる通告書を送付した。その結果、最高裁の決定が意味をなさなくなる事態が起きたのである。通告書は最高裁に対する読売の「挑戦状」と言えるだろう。
読売が持ちだしてきた主要な解任理由は4つあった。
1、努力不足で営業成績が低迷している。
2、新読売会を設立した。
3、読売に対して損害賠償の訴訟を起こした。
4、黒薮へ情報提供を行った。
真村さんは福岡地裁へ地位保全の仮処分命令を申請した。7年前とまったく同じような情況に追い込まれたのである。この時点までは既報した通りである。
真村さんが長年にわたって裁判を戦ったことも、最高裁による地位保全を勝ち取ったことも、読売の強引な手口の前では無力だった。読売の企業戦略は、理性よりも、暴力で押さえ込んだ者が勝を制する「軍隊の論理」に似ている。
幸いに11月26日に福岡地裁は、真村さんの地位を保全すると同時に、読売に対してYC広川へ新聞の供給を再開するように命令を下した。読売が持ちだしてきた改廃理由は、ことごとく却下されたのである。
しかも、判決文は、仮処分命令としては異例の27ページにも及ぶものだった。仮処分命令の場合、通常、主文だけが記されるが、司法判断を軽視する読売に対する裁判官の怒りもあったのか、たいへんな長文となった。真村さんの主張がほぼ全面的に認められたのは言うまでもない。
参考までに、なぜ、「1」~「4」の理由が無効なのかを手短に説明しておこう。
(1)確かに真村さんの営業成績が低迷していたことは事実である。しかし、それは読売が7年に渡ってYC広川を「飼い殺し」にした結果であった。責任は全面的に読売の側にあった。
(2)既存の読売会とは別に、新読売会を設立したのは、真村さんが読売会から除名された状態のまま、復帰が認められなかったからである。そこで数人のYC店主と一緒に新読売会を立ち上げて、セールス団の派遣を受けられる条件を整えようとしたのである。
(3)読売に対して損害賠償訴訟を起こしたのは、真村さんが係争に巻きこまれて被った損害を読売が賠償しようとしなかったからである。賠償しないどころか、「飼い殺し」すらも事実上解除しなかった。
(4)黒薮への情報提供に至っては問題外で、ジャーナリズムが内部告発の窓口として認められていることを記すだけで十分だろう。
最高裁の決定から、真村さんが再び改廃通告されるまでの半年の間に、読売は判決を真摯に受け止めたのだろうか。結論から先に言えば、なんの反省もしていないように見うけられる。
実際、担当員が訪店を再開したことを除いて、ほとんど何も変わらなかった。たとえば真村さんに対する「飼い殺し」策は、裁判が終わった後も持続していた。そのために真村さんに対しては差別的に補助金の支給をしないままだった。営業の支援もなかった。さらに.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
真村さんの“仮裁判”の判決文。争点2である「本件更新拒否に正当な理由が存するか否か」に対応する裁判所の見解。 |
|
