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01/02 2009
 年末年始の番組では、NHKスペシャル「激論2009」(元旦夜)が抜群に面白かった。スタッフィングが絶妙だ。この面子はNHKのブランドがないと揃わないと思う。このカードより面白いのは池田信夫VSリチャード・クーくらいだろう。

竹中平蔵・八代尚宏ペア
    VS
金子勝・斉藤貴男ペア

 のダブルスだった。
 (オマケで山口二郎、外交枠で岡本行夫、女性枠で勝間和代)

 急進構造改革派 VS イチャモン派、の印象。後者は対案が見えず「週刊金曜日」的だ。漠然と社会民主主義がいいと言って批判するのは簡単だ。どうすべきだったか、これからどうすべきかを徹底的に言えばよいのだが、問題だ、問題だ、とばかり騒ぐ。

 両者は“宗教”が違うので噛み合わないと思われたが、実はそう違いはないと感じた。私は「修正八代・竹中派」で、「経済・雇用の構造改革大賛成、だがセーフティーネット整備とセットでの実施が必須」派。

■八代:「規制緩和で非正規社員が増えたのは何の検証もなしに言われていることで、経済の長期停滞が原因である」

→これは違和感。2004年の製造業への派遣解禁で明らかに増えた。規制緩和で雇用が増え、失業率を下げたのは確かだが、非正規社員が増えていないというならば、相当な根拠の説明が必要である。

■竹中:正規雇用が日本では恵まれすぎているから新しいこと(=派遣)に逃げざるをえなくなった。雇用は守るのではなく、作るものだ。

→まったくその通り。

■竹中:同一賃金同一労働のためのオランダ型の労働市場改革を、小泉政権から安倍政権に引き継ぐとき、やろうとした。それを財界も労働組合も反対した。改革を中途半端に止めてしまっているからこういう事態が生じている。

■金子:同一労働同一賃金の話なんて、実際に出てこなかった。小泉政権のときの年金改革でも一元化は先送りになった。医療改革でも、低所得者ははみ出てしまう。

→その通り。ココがこの議論の最大のポイントだった。

 つまり、同一労働同一賃金、年金、医療といったセーフティーネットの構築が必要であることについて、出席者の全員が完全に合意している。だが本来、セットで同時期に行うべきだった(またはセーフティーネットが先!)改革なのに、郵政や派遣の規制緩和・構造改革だけを先行して行い、あとは放ったらかしにしたことが、今日の非正規労働の悲惨な状況をもたらしている。

 それは竹中も内心分かっているのだろうが、それを潔く認めてしまうと自分の功績・人生を否定することになり、ひいては小泉に傷をつけてしまうので、「財界と労組が反対して安倍政権が改革を続けなかったから」と他人のせいにしている、というわけだろう。

 そこを金子・斉藤ペアがザクっと指摘すればこの議論は綺麗に終わったのだが、2人にはその力量がなかった。

 竹中に言わせれば、「セットの片方だけでもやったんだからオレはエラい。1つでも前に進んだんだ!オマエら外野の評論家どもに政策決定の大変さなんて分からないだろう、批判ばかりしやがってラクな商売だよな!」と言いたいだろうし、金子・斉藤ペアに言わせれば、今日の格差社会は経済・労働の規制緩和だけを先行してやりすぎたせいだから、それを主導した竹中・八代ペアの責任は重い、となる。

 つまりこれは、為政者の結果責任をどの時点で判断するかという話なのであり、政治家は歴史が判断するというならまだ判断は早いが、今時点で判断するなら、小泉政権発足時と、その結果おきた今の状況(責任の半分は安倍福田麻生にあるが…)を比べると、経済も社会もあまりよくなっていない。

 竹中は2005年は株価が42%上がったというが、今は下がっている。後世にツケ回しした株価上昇など意味がない。まあ、この勝負、5分5分というところだろうか。

 結局、竹中は官僚(郵政、国交省)、道路族議員の既得権改革(公共事業削減)は確かにやったが、経団連・連合の既得権には切り込めず、未来の若者の雇用を犠牲にした。その罪は権力者として背負わねばならない。全て自分が正しく間違いはなかったと言い張るよりも、認めるべきところは認めたほうがカッコいいと思う。グリーンスパンだって認めているわけでね。

 個人的な心象としては、実行者のほうが評論家よりも格上なので、実行者としてできたこと、できなかったこと、をはっきり言ってくれれば私の評価は高い。

 
22:50 01/02 2009 | 固定リンク | アクセス数(625) | ブログトップへ | <<前へ | 次へ>> 

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ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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