エコロジーに反する人為的な雇用規制
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立花隆のデビュー作『エコロジー的思考のすすめ』は1971年、氏が31歳のときの作品(私が生まれる前だ!)であるが、私はこの本を記者時代に読んで感銘を受けファンになった。
生態系を観察することで、人間社会にずいぶんと示唆があるものだ。人間も生物の一種なのだから、考えてみれば当り前である。
うちのオフィスにいるパキラは、2年で3割ほど丈が伸びた。1日置きくらいに水をやりつつ観察しているが、下のほうから1枚ずつ順番に葉が枯れていき、ある時期になると突然、上に新しい葉群が、ボコボコっと生まれ、一気に成長する。よくできた新陳代謝の仕組みである。
「オマエの役割は終了」といわんばかりの指示が出されると、下のほうの老葉は、たちどころに色が変わりはじめ、数日後には落ちる。そして1週間後には、4枚ほどの枝ごと、落っこちる。そうしないと、小さな新しい葉に、栄養分が行き渡らないからだろう。
週一で3~4枚拾ってるので、2日に1枚は落ちている計算だ。だから、全体の葉の枚数は、ほとんど変わらない。どこに司令塔があるのか分からないが、これが自然の法則なのである。
で、立花隆的に、人間界になぞらえて言うなら、企業の新陳代謝も同様でなければならない。国の規制があるから、と面積がデカくなって多くの養分を吸い取る老葉を、ぜんぶこの幹で支えろ、ということになったら、新しい葉に栄養が行き渡らないばかりか、木が丸ごと倒れてしまうだろう。
解雇・降格規制を現状のままにして、入り口で「若年既卒者も新卒扱いに」などと小手先の指導をしたところで、何も変わらない。こういう愚かな提言しかできない団体は、問題の解決を先送りにするだけなので、潰したほうがいい。天下り官僚とか、現場を取材したこともない浅はかな学者と役人だけで議論しているから、トンチンカンでクルクルパーな結論しか出せないのだ。
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