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露骨な欧米崇拝、近づくジャスミン革命

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ランドマーク的存在の「グランド・リスボア」

東京タワーすら節電で暗い日本を離れ、電飾ピカピカのマカオ・香港・上海に取材で来ている。

マカオはついでに寄った程度だが、外資解禁によって、2004年のラスベガス・サンズの参入を皮切りにカジノ産業が拡大し、いまやマカオは、カジノの売上規模でラスベガスを抜いて世界一になった。

建設中のファイブスターホテルが10個以上もあり、日本とは正反対の超好景気。開発利権がほしい石原都知事がお台場カジノをやりたいのもよくわかる。

なかでも現在、世界一の規模だというカジノが、同じサンズ資本で2007年にオープンした「ベネチアン」という豪華なホテルの1階にあるので、訪れた。東京ドームの敷地面積と同じくらいの広さが、すべてカジノ。しかも人で埋まっていて、繁盛しているようだった。

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ベネチアン

18歳未満は入場不可だが、入り口が無数にあるうえ、チェックは日本のパチンコ並みに適当だから、どうみても高校生くらいの中国人もたくさん。

家族連れが多く、大衆的で明るい。日本の賭博場らしい退廃的な雰囲気などまったくなく、日本の競馬やパチンコよりはるかに健全に見える。

この「ベネチアン」はイタリアのヴェネチアをモチーフとするテーマパークで、ホテル内に川が流れ船が走ってたりする。日本にもあった「長崎オランダ村」「志摩スペイン村」などと同じく、アジア人の卑屈なほどに隠しがたいヨーロッパ崇拝心を利用したものである。客の中に欧米人など、ほとんど見かけなかった。

2004年にできたサンズホテルの目の前の海岸沿いには、フィッシャーマンズワーフがあり、そこには、なぜかローマのコロシアムをモチーフにしたイベント場が突然現れる。そしてまた、ブランドショップ街が続く。魚介料理などろくになく、訳が分からない場所だった。

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中は撮影禁止。ベネチアン入口。天井の壁画もイタリアン。

マカオは欧米ブランドだらけだ。ファイブスターホテル(ウィン、MGM、ベネチアン、ギャラクシー…)の1階にカジノがあり、その周辺や上層階をブランドショップ街が取り囲む。悪銭身に付かずで、カジノで儲けたカネは散財されやすいという人間心理を利用しているかのようだ。パっと見、1ショップあたりの品揃えは銀座の2倍、広さは5倍といったところで、銀座などアジアの田舎なんだな、と実感した。

中国4千年の歴史なんていうが、おそらくは中国政府が歓迎するであろう、三国志の時代など自国をモチーフにしたテーマパークがヒットするかというとそんなことはないし、ましてや京都の街をモチーフにした「キョータリアン」なんてテーマパークは、見向きもされないだろう。

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なぜかローマなフィッシャーマンズワーフ

文化に優劣はないというが、残念ながら市場原理でその答えははっきりしている。

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