「採算は月を追うごとに悪化」しているという京セラの本社総務部が、「創業以来の危機を乗り切るために」、経費節減を各事業所にお願いし始めた。
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「経費節減のお願いについて」
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その文書によると、下記のような、しょうもない経費節減策が打ち出されている。
・文房具の在庫を持つな、各自が持っている文房具を部署単位で集約しろ・部門で購読している新聞、雑誌を減らせ
カルロス・ゴーンが書いた『ルネッサンス』には、かつての破たん寸前だった日産の様子が記されている↓
| | | 日産は細かな部分であれこれと経費削減に努めていた。エグゼクティブ経費にもメスが入れられ、たとえば海外出張時にビジネスクラスを使うのをやめたりした。社内でも紙や事務用品の節約を呼びかけ、冷暖房も過度の使用を控え、夕方ある時刻以降休止する措置まで導入した。こうした措置は、実際には社員に罰を与えているだけで、本質的な問題解決につながるものではない。暖房の設定温度を一度下げるのは、コスト削減のための優先順位設定からの逃避である。 冷暖房費の削減をするのもいいが、問題の核心に手を着けないのなら、いつまでたっても財政難から脱出することはできない。優先順位を決め、それに従って行動するべきである。どこに問題の核心があるかを知るには、損益計算書を見なくてはならない。調達コストが総コストの60%を占めているなら、まずその分野を優先順位に従って徹底的に分析しなくてはならない。 ‥‥優先順位を正しく設定し直すためには、2つのステップが必要である。第一に、プランニングを中央集権化すること。第二に、実施に際しての明確な責任系統の確立である。社員全員が一点のあいまいさもなく、誰が意思決定し、誰が実施責任を負うのかを分かっていなければならない。 | |
つまり、このような微調整は、社員に罰を与えているだけであり、本質的な問題解決から眼をそらすだけの有害無益なものである。
京セラも、かつての日産のように、破たん末期に近づいているのかもしれない。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。