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「小谷-古川ギャップ」の意味

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9月18日WBS

各番組に閣僚クラスが出てインタビューを受けているが、WBSの小谷さんが圧倒的にいい質問をしている。8/30の経済学者・エコノミストのオールスター選挙特番も非常にいい仕切りで、あれは経済が分かっている人でないと務まらないポジションだった。他番組がひどすぎるから余計に際立つ。

さすが日々、経営者や経済学者と話さなければいけない仕事だけあって小谷さんは成長著しい。1つ年下の国家戦略室・古川議員よりもずっと経済のことが分かっているのは今日の議論を聞いていてよくわかった。

--経済財政諮問会議は、規制緩和、構造改革を目指したが、国家戦略局はどこを目指しているのか?

 「政治主導で政策を指揮するのが一番大事なことだ」

(あほか、そんなこと聞いてないって)

--自民党は、郵政の民営化を推し進めた。それを凍結すると、真逆を目指している印象を受ける。

「郵政はマニフェストで決めている。我々は、予算の組み替えをしていく」

どこを目指しているのかを聞いているのに、質問に答えられない古川氏。役人の答弁のような、はぐらかすような長いだらだらした答えが続く。イライラして呆れた小谷さん、話をさえぎってまた聞く。

--たとえば、構造改革に見合うような成長戦略って何ですか?

 「消費者、家計の所得を増やしていく。年金など国民の不安を手当てして安心をつくっていくことが消費を喚起する」
(それは分配の仕方を変えるだけでしょ、構造改革とはレベルが違うって)

(ここで三菱UFJの五十嵐敬喜氏が口を挟む)
--目指すものは、構造を変えていくということなのか?

(また答えずに)「今までの仕組みから変えていくということだ。マニフェストで約束したことをやる。予算の大幅な組み替えをやることで政治の信頼を取り戻す」

(小谷さん)
--それが結果的に構造改革につながるということですか?

「信頼を回復することが構造を変えていくことになると思う」

(ぜんぜん納得せず、次の話題に…)

 結局、議論がかみ合わない。

構造改革なくして経済成長なし、という常識がインプットされている2人に対して、その意味を理解していない暢気な古川氏、という構図。図まで使って同じことを何度も分かりやすく聞いているのに、国家戦略局を使ってどうやって経済成長させるのか、という日本経済の最大の課題について、相変わらずノーアイディア、ノープランであることが浮き彫りになっていた。

しかも、それをたいした問題だと感じていないことまで伝わってくる。この「小谷-古川ギャップ」が、日本の「経済学者(経営者)-民主党経済閣僚ギャップ」の縮図だ。

法学部と大蔵省しか経験していないキャリアだと、経済の感覚が身につかないのだろう。藤井財務大臣も全く同じキャリアだし、古川氏と同じポジションの大塚耕平氏も日銀出身。バックにいる榊原英資氏も元大蔵省だ。完全に過去官僚内閣になっている。

 民間の常識的なエコノミストや経済学者が、まったく民主党の政策立案プロセスに入っていないのは、この内閣の致命的な問題だ。さらに、それを気づかせ、追求できるキャスターが小谷さんしかいない日本のテレビ番組の経済オンチぶりも何とかならないのか。

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