美女にモテモテの「わが師匠」、山路徹氏から学んだこと-1
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APF通信社のHPに掲載された山路徹氏の現場中継動画。マスコミ業界にいながらにして、女性問題で同業者から袋叩きにされている。 |
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- 「荒れた成人式」で殴られて
筆者が岡山から東京に移り住んだのは2002年の暮れ、今年で10年目となる。それ以前は『山陽新聞』という岡山に本社を置く地方新聞社に勤めていた。公表数字では朝刊45万4600部、夕刊5万9200万部(2000年1月)発行している岡山最大の地方紙である。年収は600万円ほど。地元では悪くないほうだ。
山陽新聞に入社したのは1997年4月のことである。31歳だった。おりしもペルーの反政府ゲリラによる日本大使公邸占拠事件で軍が突入作戦をやったというニュースが世間を騒がせていた。
それ以前は大阪府箕面市を拠点にフリーカメラマンをやっていた。といってもカメラで生計が成り立っていたわけではない。土木作業のアルバイトで資金を稼ぎ、アフリカ・中米の紛争地や貧困地帯を訪ねるというやり方だ。当時、土木作業は日当で1万2千円ほどくれた。休みなく働けば月に30万円以上になる。たまに結婚式や短大の卒業アルバム写真の撮影アルバイトもあった。こちらはもっと割がよくて2万円ほどくれた。下宿の家賃は1万3000円で自炊をしていたから生活費はしれている。毎月20万円くらいを貯金に回した。半年で100万円の資金が得られた。
バブル経済が崩壊したという実感はまだなかった。いまのようなどん底の不景気になろうとは誰が予想しただろうか。
そうやってカネをつくっては年のうち3ヶ月から半年は物価の安い外国に「出張」した。帰国すると写真や記事を雑誌などに売った。3つか4つの媒体に掲載されればよいくらいだった。原稿料はフィルム代や現像代で消えてしまったが不満はなかった。一仕事終わるとアルバイト生活に戻って次の構想を練った。
アンゴラ・モザンビーク、南アフリカ、メキシコ・ニカラグア・エルサルバドル・グアテマラ・キューバ・ハイチ・東チモールなどを訪ねた。経済格差があってこそなしえた旅だった。「日本は豊かで平和な良い国だ。日本に行きたい」と行く先々で言われた。
『山陽新聞』が社会人募集をしていると知ったのは、そんな生活をはじめて5年ほどがたったころだ。就職したかったわけではないが偶然インターネットで募集広告を見つけて興味を持った。年齢制限は30歳。筆者は31歳だった。試しに応募してみると採用された。この年は記者以外の業種も含めて20人以上採用したと思う。まだ景気がよかった。
13年住んだ大阪を引き揚げて岡山に移ることになった。ようやく安定した職についたと家族は喜んだ。友人や下宿のおばさん、バイト先の社長も祝ってくれた。
筆者は大阪外大イスパニア語学科(現大阪大学外国語学部)の出身だが、卒業に9年を要するほどの劣等生だった。留年3回休学2回の5年遅れ。単位に追われるのが苦痛で、計2年間、スペインとメキシコを放浪した。どうにか卒業したものの就職せず、土木作業員兼フリーカメラマンとなった。親をはじめ周囲が心配するのも無理はない。
いい会社に入った、刺激的で楽しい仕事が待っていることだろう。着慣れないスーツを着込み、期待に満ちて岡山へと向かった。97年の春だった。
◇社会部歓送迎会でデスクに殴られる
だが、期待はたちまちくじかれた。入社して目の当たりにしたのは想像していた「先端ジャーナリズム」とは裏腹の古く封建的な世界だった。入社式では親同伴で「君が代」を歌わされた。厳然たる上下関係。10年ほど年下の「先輩」から「おいミヤケ」と呼び捨てにされる。そんなのは序の口だった。
3~4ヶ月ほど研修期間があって社会部への配属がきまった。半年の試用期間中のことである。社会部歓送迎会が開かれた。その二次会で「事件」は起きた
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山路氏率いるAPF通信社の門をたたいたのは新聞社が嫌になったからだ。海外取材をしたいという希望もあった。新聞社に入る前はカメラをもって頻繁に外国を旅していた。給料はもらっていても当時が懐かしくてたまらなかった。当時発表した記事のスクラップ。
山陽新聞社を辞めたくなったきっかけは2001年におきた高松市の「荒れた成人式」で暴行被害にあったことだった。事件後PTSDを発症し2ヶ月休んだことが原因で記者職をはずされた。
2001年8月の雑誌『週刊金曜日』に掲載されたAPF通信社の「ビデオジャーナリスト実践講座」。編集・記者職を完全にはずされて腐っていた筆者の目に魅力的に映った。
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読者コメント
プライベートをツィツターで公にするのはその人の勝手だが、死んだ長井氏が存命なら、如何に思うか??
新聞社はジャーナリズムではなく、権力なんですね。
あなたがOBの山陽新聞社は、発行部数を水増しして、スポンサーに詐欺行為を働いているらしいです。
あなたの先輩や同僚もさぞ惨めな思いをしていることでしょう。
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