アートネイチャー4 「血を、採るんですよ!」
これがディープクレンジングコースのプラン。それでも丸山さんが安いというからには、他のサロンはどうなっているのか? |
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- サロン1回1万6千円って安いのか?
- なぜ長期契約?
- フルーツ酸で脂を抽出
- リーブの黒い霧
サロン1回1万6千円って安いのか?
「双田さんは、えー、脂を取るので、ディープクレンジングコースかトータルコースというのになりますが」と、丸山さんは価格表のページを開き、金額を説明し出した。
「サロン施術1回が1万6千円くらい。最低12回からの設定なんで、月に1回やった場合は、1年で15万から20万くらいということですね。24回は(回数が)多い分単価は下がります。
そしてあと、自宅ヘアケア用品。1年分で17万4千円。半年分もあって、これは9万円」
ちなみにベーシックコースというのもあるようだったが、「どちらかというとフケ取り用」とのことでカウンセラーは私にはすすめなかった。
ディープクレンジングでは、
施術24回とホームケア一年分で、450、000円
施術12回とホームケア一年分で、324、000円
施術12回とホームケア半年分で、291、000円
施術24回とホームケア一年分で、546、000円
施術12回とホームケア一年分で、372、000円
施術12回とホームケア半年分で、243,000円
あきらかにがっかりとした顔をしている私に、慌てて丸山さんは告げる。
育毛剤が(皮脂を抑制するというプレローションと、育毛効果があるというスカルプローションの育毛剤)2つで6千円。
あと、クレンジング剤、これ、ローションの前に脂を溶かすものですが、これが8000円。で、そのぶんちょっと高くなるだけです」
トータルコースのプラン。実は施術6回のコースもあるといいながら、これには記されていない。ホームケア半年分の記載があるだけだ。どうも、人の様子を見て情報を小出しにしているとしか思えない。 |
「あ、思い出した。ええっと、あと、さっきサロンは最低12回からって言いましたけど、会社の規定が変わって、6回から受けることができるようになったんです」
……。
「いや、えっとですね、でもこの金額っていうのは、当然いきなり払うわけじゃなくて、月々払うという形で皆さんおやりになっています。ローンで月々1万5千円から2万5千円くらい払うという形で。例えば、双田さんみたいにディープクレンジング12回コースだと、32万4千円。これをローンにすると、月々1万5千8百円の24回払いです」
確かに、シャンプーや育毛剤には自分でやっても年間10万程度かかるから、ホームケア製品17万は------質にもよるから、ひとまず飲んでおこう。だが、サロン施術が予想外に高い。普通、こんなするものなのか?
「えー、サロンの金額に関してはですね、全身のマッサージを受けたら、1時間半で9千円くらいかかりますよね。やっぱりそういうところで人件費的な費用がかかってくるわけですね」
ですねって言われても、一時間半ずっと客の体を揉みっぱなしのマッサージと比べられるか? ホームページを見る限り、人がやることといえば、頭洗って育毛剤塗ってドライヤーかけるだけだろう。表参道あたりの有名美容院だってカット7千円てのが妥当な値段だぞ。
なぜ長期契約?
--1回ずつ受けられたりしないんですか?そんな効くかどうかもわからないのに、いきなり一年契約なんておかしいじゃないですか。
「そうなんです、社員のほうとしても、前々からそういう要望があるので、一回ずつ受けられるように社のほうにお願いしているんですよ。ただ、一回では良くなったかどうかわからないので、最低限やはり半年から一年という形になるんですね」
確かな実績と、リーズナブルな金額設定のサロンだったら、ほっておいても客は続けるし、集まってくるだろう。
どうしても顧客を束縛したいなら、毛髪の状況が改善しない場合には金を返すとかそういうサービスも組み込むべきだ。
バラ売りは……してません、と丸山さんは、まるでラフからのティーショットを引っ掛けて池にインしてしまったような悲痛な面持ちで答える。
確かに彼にあたっても仕方ないのだが、納得できぬ金額である。とにかく、施術が値段に見合うものか、それを知るのが先決だ。
関係ないが、これも事前入手したパンフレット。話は変わるが、なぜアデランスもアートネイチャーもイメージキャラクターに巨乳を使いたがるのか。スポーツ選手路線のほうが明らかにイメージが良いと思うのだが。 |
フルーツ酸で脂を抽出
さっそく私は、パンフレットにあるR-02育毛システムとやらの詳細な説明を求めた。細胞に刺激を与え育毛剤を浸透させる 低周波治療器 や、頭皮を柔らかくする空気圧のマッサージ器など、たくさんの機器の仕様を説明してくれるのだが……
--これ、似たような機械、ネットとかで売ってるし、そういうの買った方が安上がりじゃないですかねえ。
「いや! いや! 違うんですよ! サロンのはいろいろ違うんですよ。(しばらく考える)……例えば、サロンのクレンジング。これ、フルーツ酸という脂を出していく専門的な溶液を使うんです。アートネイチャー独自で開発した溶液で。これがサロンのウリなんですよ!」
おい、かぶれ体質だぞ、俺は。言ったろう。
このサロン体験、まじで受けなければいけないのか? この企画降りたくなってきた。誰かかわってくれないか……。
「えー、そうですね……機材を使ったりとかですかねぇ……」
答えになっていない。頭を抱える私に、丸山さんは滔々と製品の説明を続ける。
パラベン
などの防腐剤はたいていの化粧品に入っている。純石鹸でもないのに、防腐剤すら入っていない商品があるとは驚きだ。
まあパラベンなぞ、フルーツ酸に比べれば赤子のようなものだが……。
「とにかく、うち、体験やっておりますので、……えー、今日は予約が入っていてだめなんですが」と、丸山さんは、体験予約を盛んにすすめるが、私の頭はフルーツ酸でいっぱいで、それどころではない。
「いや、そういうのはないんですよ。こう、生えてくるものでもないし……いや、多少なら生えるかもしれませんが……で、リーブ21って知ってますよね?」
リーブならもちろん知っている。「発毛成功率96、8%」で業界では有名なリーブ21だ。しかし、その名前がなぜ、今、ここで?
ついに丸山さんが戦闘態勢に入った。パターを構えたプロ・ゴルファーには均一に刈り込まれた芝に溝が見えることがあるという------。 |
リーブの黒い霧
「あそこ、あそこだけ発毛っていうことでやっているんです。でもそれがね、もう、ぎりッぎりのところでやってる」
いつの間にか丸山さんの優しげな顔が一変している。こいつは勝負師の顔だ、逆風の中、果敢に2オンを狙う目だ。
「アートネイチャーもアデランスも、こういうふうに(パンフレットを指差し)育毛ってことでやらせてもらってるんですよ。けれどね、リーブ21はね、それ以上の効果を求める人は、クリニックにね、渡すんですよ!」
「(苦々しげに)そう、お医者さん。お医者さんとリーブ21。というか、これ……ほんとは医者とは営利目的では、提携できない。だから、リーブ21のほうから、もし、それなりの効果を出したければ、お医者さんのほうに行ってください、と勧める。でも、お客様の意志で行かせなきゃいけない。それで、あそこは血を採るんですよ!客の血液検査をして……」
と私はフルーツ酸のことも忘れ、思わず体を乗り出した。
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読者コメント
これで「なやみむよう」「あなたも生えます」などと大物芸能人達に広告宣伝させるのは行き過ぎである。過剰宣伝である。すれすれの広告をよくもうっているなという印象だ。
また、男性型脱毛については、AGAの医療機関を紹介され、プロペシアとミノキシジルを処方されるのは本当。
しかし、同社を取り締まらない当局の怠慢としか思えない
それで生えればよいが、見た目が改善する率(自分で、生えた!と納得できる率)は約4%(推定)と思っている。
(同社の発毛コンテストに470名(第7回目)エントリーしている。この470名は産毛以上の発毛効果があったものと推定され、これを7年分に単純乗算すると計3290名。これを会員数9万名でわると、約3.6%となる)
つまり、見た目が改善するのは100人の内、4人位だということになる。
リーブ21は確かに信憑性に問題あり。
まず費用が年間約180万円(健毛食品込み)必要。
しかも2年以上のコースを勧められるため、360万円以上必要。わたしは4年を勧められた、720万円だ。
リー○21ももっと料金かかります。。。1年コースで100万は余裕でこします。。。でも料金の違いではなくて、結果の問題ですよね。。。
これは……安い方だと思いmすよ、私の行ってた某サロンなんかよりは断然。
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