コマツ グローバル企業の割にローカルキャリアな若手、エコノミーで地球の裏側に飛ぶ部長
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Baa優良企業予備軍 (仕事3.0、生活4.0、対価2.4) |
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- グローバル企業だと思ったら…
- 地方の工場勤務は避けられない
- 経理は中途が多い
- 事務系のキャリア
- 技術系のキャリア
- 30代まではローカルなキャリア
- 生産管理で身につくスキル
- 11時間超フライト、部長でもエコノミーが当り前
- いつかは課長になれて1千万円
- 部品のすり合わせ技術が参入障壁に
- ワークライフバランスがいい本社
- 工場生産管理職、1日の流れ

グローバル企業だと思ったら…
サラリーマンにとっての最大のメリットとも言えるのが、会社の費用で海外に赴任し、市場価値の高い“売れるキャリア”を積めること。履歴書上でも分かりやすい職歴となり、日本市場が縮小するなか、海外経験は、転職時にも明らかに有利な武器となる。
ただ、コマツは既にグローバル展開が進み過ぎて、仕組みが出来上がっているため、かつての若手社員(現在の古参)がどんどん海外に送り込まれ新市場を開拓していった時代に比べ、海外でのキャリアは積みにくくなっているのだという。
30代中堅社員が解説する。「若手は、みんな同じことを言います。『海外に行きたくて(グローバル企業のコマツに)入ったのに、なかなか行けない』と。私も希望は出していますが、行けていません。35歳以下だと、海外に行っているのは、15人に1人とか。実は、海外比率がまだ低い(かつ、これから海外展開を目指している)会社のほうが海外でキャリアを積むチャンスは多いのだと思いました」
別の30歳前後の社員も、同じ見立てだ。「若いうちは、海外にあまり行けません。既に海外進出が進んでいるので、現地で体制が出来上がっている。30代までだと同期の2~3割は海外赴任しますが、多いのは40歳超から。工場の生産部長として行くなど、管理職のポジションが基本だからです。海外駐在は、定年までには過半数は行けるイメージです」
同社採用サイトでは、不利になると考えているのか、以下のように、社員の海外駐在に関しては「可能性があります」と何も言っていないに等しい説明に留まり、何歳の社員が何人駐在しているのかといった意味のある情報は開示されていない。
全国採用で入社された方は、海外勤務および長期海外出張の可能性があります。
大手商社では、20代のうちに研修も含め必ず海外の事務所に赴任するチャンスを制度的に与えている会社が多いが、コマツにはない。堅実な田舎のメーカーであるコマツに、そのような効果不明な浮ついた社員教育にコストをかける発想や哲学はないのである。「グローバルに活躍したい」という夢を持っているとしたら、その夢が30代までに実現するかは、運次第といえる。
地方の工場勤務は避けられない
グローバルな活躍はなかなか中年以上にならないと望めない一方、ほぼ確実に赴任することになるのが、日本の地方を中心に約90棟も保有するという国内工場だ。
発祥の地である石川県小松市(粟津工場)をはじめ、福島県、栃木県、茨城県、神奈川県、兵庫県、大阪府…。大手商社の場合は、日本国内ならば、ほぼ東京本社勤務。正真正銘のメーカーであるコマツと商社との決定的な違いは、ここにある。
「技術漏えいを防ぐため、キーとなる部品は海外生産しない方針で、
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アラサー平社員の給与明細。他の月との調整が入っており、普段はここからマイナス7万円くらい。
コマツのキャリアパスと報酬水準
アラサー社員の賞与明細書
アラサー社員の源泉徴収票
評価詳細&根拠
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