薬剤師(保険薬局編) 「薬局に行くのは何も考えてない子」の厳しい未来
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調剤明細書。薬剤料のほかに調剤技術料がつけられ、この保険点数が利益の源泉。1点=10円。 |
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- 消費増税で事務員1人分の人件費が飛ぶ
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消費増税で事務員1人分の人件費が飛ぶ
保険薬局に17年前から勤務し、5年前から自身で薬局を経営している40代保険薬局経営者によれば、それなりのインパクトはあるようだ。
「現在、薬価と仕入れ値のいわゆる『薬価差益』は7~8%で、ここから人件費や賃料を引いたものが会社の収益となります。4月の消費税率3%アップで仕入れコストが上がるため、事務員の給料1人分くらいはとられます。粗利は数%で、もはや薬価差益ではほとんど利益は出なくなっていて、薬局経営は『調剤技術料』で持ってるようなもの。しかも、全体的に保険点数は下げられる流れです」
より具体的に、東北地方で現在経営している薬局の収益は、概算で以下のとおりだという。その薬局は、ある整形外科からの処方せんが全体の9割を占め、開局1年目からずっと黒字。1日約50枚を処方し、薬剤師は経営者含め2人体制だ。
月次では約1100枚の処方せんをこなし、1000万円弱の売上。整形外科は単価が低いほうだという(※1割負担の高齢者と3割負担の若年者で患者側の負担額は異なるが、保険点数なので売上額はどちらも同じになる)。
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薬剤師の源泉徴収票。この薬局では、経営者も雇われ薬剤師も同じ金額に設定している![]() |
最大のコストは薬の仕入れ代で、月700~800万円(これが2014年4月から3%値上がりする)。差し引き200~300万円ほどが薬価差益となる。
次に大きいのが人件費で、薬剤師2(自分含め)、事務1、パート0.5の、計3.5人で月に計百数十万円ほど。薬局のテナント料が
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メディカルモール募集中。薬剤師が仕掛けているケースが多い
処方せん。これをいかに集めるかは「立地」と「ドクターとの関係」が重要になる。
処方せんも扱うスギ薬局は学生の就職先としても人気が高い
スギ薬局内の処方せん薬コーナー。このスペース内に1500品目をそろえる
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読者コメント
ああ。将来を考えると欝だ。
薬学部は破滅の方向に一直線だし、医学部は入るのきついし、歯学部はワープア養成校だし。
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