人気40社ディープ情報 SPA!6/21発売号原文
若い世代にとって、このニュースの意味は深い。私が昨年まで在籍していたIBMでは、同じポジションであっても報酬の世代間格差が実に大きく、労組でも問題視されていた。
![]() |
現在30歳が新卒時、就職人気ベスト15位だった企業の現在の賞与・年収。![]() |
◇30歳前後の賃金問題
「勝ち逃げ世代への奉仕者になるのか」
◇自社製品で損する会社、得する会社
◇離職率が高い会社
◇リストラが厳しい会社
◇WEB監視がきつい会社
◇やりたいことが実現できる会社
◇上司をさん付けする会社、肩書きで呼ぶ会社
◇外資系なのに外資系っぽくない会社
◇合コン偏差値の高い会社
30歳前後の賃金問題
この動きが象徴しているが、30歳前後の世代が理解しなければならない共通の問題は、「絶対に“団塊の世代”が享受してきたような高水準の報酬を、我々の世代は貰えない」ということである。
この15年で何が起きたか。バブル時に採用を通常の倍以上に→バブル崩壊後、新卒採用を絞り(就職氷河期)、社員の平均年齢が上昇→年功序列の賃金体系だから人件費が自動的に上昇→人件費が自動的に上がっても、右肩上がりの時代は終わったから、売上は自動的に上がらない→沢山いるバブル入社組が30代後半の管理職適齢期を迎えたが、全員を昇格させたら人件費が膨らんで大変!→成果主義という名のもとに、これからは、ごく一部の人だけが昇格できるようにルールを変えてしまえ。
これが、90年代後半から起きた成果主義の本質である。要するに我々の世代は、ただでさえ同世代が多く(73年生れが「団塊ジュニア」のピークで200万人超)、幼稚園も抽選、受験競争も大変と、ず~っと競争してきたのに、氷河期に何とか就職したと思ったら、また企業内でも厳しい競争をしろ、と。そして、勝ち抜いた一部の者だけに果実を与えるよ、と言われているのだ。
実際、みずほ銀行では、かつて我々が就職活動をした興銀・第一勧銀・富士銀の時代には、ほとんどの行員が課長クラスに昇格できていた。しかし、統合を経て成果主義に変えた今、同期の半数程度しか課長になれなくなったのが実態だ。上記一覧表にある30歳報酬は、いずれもそれなりだが、問題は、ここから上に登る道が険しいことにある。
何か、おかしくないか。親の世代ばかりに随分と虫のいい話になっていないか。では、既に年功序列で給料が高止まっている老人たちは、どうなるのだ。なぜ降格されないのだ。「何をやっているのかよく分からない中高年の部課長多すぎ」(NTT共通)、「50歳以上は『あがり』(定年)を待っていて、ろくに働かない」(JTB)といった指摘をする若手は多い。確かにリストラもあるが、あくまでブルーカラー層の希望退職への応募が中心で、大企業は割増退職金も手厚い。彼らは完全に「勝ち逃げ世代」なのだ。
この“世代間ダブルスタンダード”が許されているのは、ひとえに企業内の意思決定者が「団塊の世代」だからである。彼らは、自己保身のため
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り15,975字/全文17,292字
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
現在、30代後半です。JTBに務めています。やることなすこと、勝ち逃げ世代の為なのだと思ってしまう自分がいます。
血を吐いてでも頑張れっていう上司の言葉が全く響きません。
でもこのままでもダメな気もします。
記者からの追加情報
本文:全約18,060字のうち約17,000字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
まずは新着のお知らせメール登録!(無料)
企画「ココで働け!」トップ頁へ
この記事に関連する情報提供はこちらまでお願いします。info@mynewsjapan.com