「弁償」連呼する図書館員の不愉快な対応
- Digest
-
- 「責任」を先に口にしたこと
台東区民のわたしは、かっぱ橋通りにある台東区立中央図書館 をよく利用する。
4月29日(土)午後、借りていた本を返却するため図書館に出かけた。雨が降っていた。そんなに大降りではない。カバンに本を数冊入れ、カバンに入らない版型の大きな書籍4冊は抱えたまま、傘をさして図書館に向かった。家から図書館まで歩いて5分くらいだ。
◇弁償していただきます
抱えていた本4冊、そしてカバンの中の本を返却カウンターに差し出したところ、
「あーっ、こんなに濡れて。弁償していただきますよ」
窓口の女性が開口一番そう言った。
そう言われて、本を濡らしてしまったことに気がついた。その担当者はティッシュケースをとってきて、濡れた本を拭きはじめた。わたしは「そんなに濡れしてしまったかしら?」と、彼女が本を拭いているのを見ていた。「今度から、雨のときはビニールに入れるなどして持ってきてくださいね」
──はい。
「今回はいいですが、今度からこのようなことがあると弁償してもらいますから、気をつけてください」と、また「弁償」と言われた。
──すみませんでした。
ネームプレートを見て、「○×さんですね」と名前を確認してわたしは図書館を出た。
家にもどる道すがら、いろいろ考えた。
もし、わたしが見た目にも怖いおじさんだったら、やっかいそうな人だったら、いや障害者だったら、彼女はあのように語尾がきつく、また同じような態度で「弁償」と口にしただろうか。
![]() |
中央図書館に送ったFAX![]() |
びしゃびしゃに濡れていたのなら分からないでもないが、抱えていた本はそれほど濡れていたと思えない。
弁償の基準とはなんだろう。
どうやって弁償するのだろうか…
そんなことをいろいろ考えると、「弁償」と言われたことがますます気になってきた。
家にもどって中央図書館に電話を入れてみた。──意見を伝えたいのですが、メールでも受けつけていますか?
「メールでは受けつけてないです」
郵便かFAXで受けつけているというので、以下のような文書をFAXで送った。
◇弁償して引き取りたい
中央図書館御中 いつも中央図書館を利用させていただいている山中登志子と申します。 先ほど本を返却した際、雨が降っていたこともあり、持って行った本のうち数冊が濡れてしまい、濡れていることに気づかずに窓口にそのまま返却してしまいました。その際、窓口で対応された○×さん(注:FAXでは実名)という女性の方から、開口いちばん「こんなに濡れて、弁償していただきますよ」と言われました。そのあと、ティッシュで濡れた本を拭いていただきました。 故意に濡れるようにしたわけではありませんが、雨の中、不注意だったことお詫びいたします。 しかしながら、すべての方に、同じような「口調」で対応されるのでしょうか? 中央図書館として、本を守るため、今後の「抑止力」としておっしゃっているのかもしれませんが、彼女の突き放すような対応には気分が悪くなりました。もし、不注意に対する抑止力ということであれば、もっと違った対応をされたほうがよいと思います。1区民、1利用者として申し上げます。 濡れてしまったのは、本日、返却した書籍のうち、版型の大きい ●ねがい・うらない・おまじない-欲望の造形 ●日本の写真家 16;土門拳 ●地図でみる世界の女性-An economic,social and political survey ●日本の写真家 別巻;日本写真史概説 の4冊でした。 「今回はいいですが、今度からこのようなことがあると弁償してもらいます」と最後にまた言われました。「すみませんでした」と謝って帰宅したのですが、やはり雨に濡れてしまった本については弁償して、引き取りたいと思います。次回、貴図書館に伺った際、弁償させていただきますので、金額をご提示くださいますようお願いいたします。 また、「弁償」とすぐに口にされるのでしたら、ぜひ、たばこのにおいがする本も窓口でにおって確認いただき、「弁償」しなくてはいけないことを利用者に徹底していただきたいと思います。貴図書館のお考えになる「抑止力」になるかもしれませんので、ぜひ、濡れた本と同様、たばこや書き込みの部分についてもご検討いただきたいと思います。 2006年4月29日(土) 山中登志子 利用権番号 ××××××××(注:FAXでは番号明記) |
15:48FAX送信
◇課長から電話がかかってきた
当日18:40頃、わたしが送ったFAXを読んだという中央図書館課長から電話がかかってきた。
「今回は、弁償は大丈夫ですから」
──いいえ。(FAXでお伝えしたように)弁償しますから。
「乾かせば大丈夫ですから」
──そんなに、びしょびしょでしたか?
「濡れた本をさっき確認したら、中までひどくなっていなくて弁償していただくほどではありませんでしたから」
──外もそんなにひどいですか?
「大丈夫です」
すでに、その本は他の人が借りれるように書棚に戻しているとのこと。
──弁償します。○×さんにもそう言われましたので・・・。
「大丈夫ですから。○×も、そんなにきつく対応する子ではないと思うんですけど」
──弁償のケースは、どういうのがあるんですか?
「お風呂の中で読んで落としたり、水たまりで落とされたりした場合があります。鉛筆での書き込み、たばこで焼けていたりしていないか
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り1,694字/全文3,871字
公式SNSはこちら
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
中央図書館の職員はこういう人が多いです。特に年配の女性職員。
子供への態度も冷たいので、子供は職員を怖がってます。
すべては職員の対応次第、というか職員の「人間性」だと思います。
中央図書館でこんな経験があります。
借りたCDのジャケットが水でヨレてましたが、借りた時はそこまで見ないので気付かず持って帰り、数日後返却。
そのCDには「水ヨレあり」のシールが貼っておらず、私が問い詰められました、怒りで言葉を失いました。
職員が返却時にきちんとチェックせずに、シールを貼ってないために
次の利用者が犯人にされます。
たまったものではありません。
図書館で借りた本を濡らさないのは利用者として当たり前のことです。あなたの書いた文章は自分の過ちを咎められたことに対しただ感情的に腹を立てているように読めます。勘違いしないように。
弁償させられました。わざとではないです。同じ物買って来て下さい?対応むちゃくちゃ怖いです。
やっぱり濡らすほうが悪いと思う。
そして反省するどころか、職員の対応を批判するとは良識を疑う。
結局弁償したのですか?
私なら雨が降っていたら、本は袋に入れるなりするけどな。
まさか雨の日に手で持っていくなんて。
借り物ですよ。
万が一途中で不意の雨で濡れてしまったら、お詫びし自分もハンカチで拭いたりなんとかしようとします。
係員もその常識のなさとか誠意が見られないところにイラっとしちゃったんじゃないでしょうか。
マナーの悪い人や常識のない人を見てどう思います?
私はイラっとしてしまいます。
もちろん本を濡らしてしまったのは落ち度だが、「弁償」を連呼するのはいかがかと。これは職員の態度が悪い。それに著者の言うように煙草臭い本や書き込みの多い本はどうなるのって話。
この職員の「物の言い方」が気に障ったのですよね。
図書館員の態度を注意するより先に、ご自分の態度を注意すべきだと思います。図書館の本はあくまでも借り物です。自分のものではありません。返す時に濡れていないか確認すべきだと思います。ご自分が貸したものをぞんざいに扱われ返されたら、どう思いますか?ましてや図書館の本は公共のものですよ。
抑止力になっているとは感じられなかった、とあるが、では、どうすれば抑止力のある注意の仕方になるのだろう。図書館の本を大切に扱うというのは、マナーとして当然と思っていたが、そうでない人にはなんと伝えればいいのだろう。
貸し借りの基本を忘れている様な記事だな。最近はマナーが特に酷く、書物への書き込みや切抜きがあるという話だ。彼らが公務員として対応しているにせよ、公共物は国民の財産だから注意は正当だ。個人の財産は大事にしても、自分が金を出している公共物を大事に出来ないとはおかしな話だ。だから公務員が悪くなるんだよ。
たばこの匂いで弁償させるかは、図書館側が決めることであなたが決めることではありません。あなたが購入されたあなた物ではないので。たとえば、「たばこの匂いはセーフ」とされても、あなたは決定を受け入れるしかありません。あなたの持ち物ではないから。また、「におって確認いただき」ではなく「嗅いで確認いただき」のほうが日本語としてわかりやすいかな、と思います。
図書館の本を弁償したことがある友人がいます。その本の代金を支払うとか同じ本を購入してくるわけではなくて、図書館側から弁償すべき本と同レベルの本リストを渡されその中の本を購入したうえで、図書館へは「寄贈」という形になるそうです。
この記事を読んでびっくりしました。確かに、こちらに非があるとは言え、注意されたら、嫌な感じになることはあります。ただ、それは、気分転換するなりして、他のところで処理するべきものだろうと思いますヨ。僕は、怖いおじさんに堂々と注意している、図書館の職員の女性を見たことがあります。注意されたその怖いおじさんは、周りに響き渡る大声で、その女性職員の方にどなり散らしました。
「弁償」を連呼した職員は確かに勇み足だったのだろう。言い方も良くなかったのかもしれない。しかし、図書館の本は公共物で借り物。大切にしようという気持ちがあり気をつけていたら濡らすことはなかったのでは。
図書館の本は公共物だから、公共物破損に引っかかりますね。自分の不注意を棚に上げて相手を責めて、何をしたいのか解かりません。雨が降っていて、濡れないことを考えないなんて子供のすることです。
不快な対応をする図書館員に対する山中さんの気持ちも理解できます。ただ、本を大切に思う気持ちに欠けていたことが、結果としてこのような事態を招いてしまったのではないでしょうか。たかが小雨、たかが5分と思ってしまった心理に落とし穴があったかもしれません。
図書館の本を紛失してしまい、いろんな本屋を探しても無くて出版社に注文して新書で弁償しました。
本田技研には、「ニワトリを殺すな」という格言があるそうです。仲間内に傷付いたニワトリがいると、他のニワトリがその傷を突つきまわして殺してしまうことがあるらしく、その習性が人間においてもしばしば見受けられるので、注意を促す為に紙に書いて壁などに貼っているそうです。左記の件に関しては、双方に多少なりの非がありますが、揉める程の話ではないと思いますね。
返却時に窓口の女性が水で濡れてると認識できたならあなたも返却の前に認識していてしかるぺきだった。他人の物の管理は相応の注意が必要。濡れてると気づいた時にハンカチ等で拭く誠意を見せても良かったのでは。相手のきつい言葉に強く傷つき人から責められることを嫌う感受性が強い方なら事前にトラブルを察知し回避する習慣を身につけるべきです。予期されるトラブルを未然に防ぐのも大事な処世術です。
子供のしかり方云々と言っていながら、自分はその誤った対応を係員に指摘もせずに、いきなり上司に訴えるというのは、山中氏のいう作法に合致しているのだろうか?あまり濡れてなかったように思うとということは確認していないということだろうし、こういった人には言うのだろうかといった思い込みもちょっと問題がありそう。
別に過剰な心配をしているわけではありません。自分のミスを指摘された訳ですから、素直に謝るのは筋でしょう。係員に問題があったのなら、その場で指摘するのが筋で、その上で、その対応が納得できないのならば、では、あなたの上司と直接話をさせていただきます。といったプロセスを踏むのが思いやりなのではないでしょうか。少なくとも、返す際に、濡れていた事を知らなかったということはありえないでしょう。
マナーの悪い人は大勢います。多少対応に問題があったのかもしれませんが、あなたもマナーの悪い人の範疇に入っていたのでは?あなたは、その様な行動をとる事によって何を望まれたのですか?あなたの行動によってその人の立場はどうなるのかを考えたことがありますか?辞めさせられたり、退職せざるをえなくなることは考えなかったのですか。是非ご意見をお聞かせ下さい。
雨が降っていることがわかっているのならば、家を出る時点で本をビニール袋に入れて持っていくのが当たり前ではないですか。
記者からの追加情報