Free化する読売、強制配布しても余命20年
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数年前から、出張先のホテルなどで読売新聞がドサっと入ったラックが目に付くようになった。無料で勝手に持っていってよい、というものだ。販売店がノルマを課されて読売新聞社から押し売りされ、処分に困った「押し紙」を無料サービスで提供していたのだ。
しかし、それでも誰も持っていかずに、いつ見ても、どっさりと1メートルくらい積んだまま。ついに『東京ヘッドライン』の仲間入りかと思いきや、次の手段に出ていた。
よほど人気がないのだろう、ついにファミレスで1部ずつ配り始めたのだ。『ジョナサン』で机に案内されると、既に1部がメニューの隣に置かれているのだった。全ての机に1部ずつ強制配布である。
これならラックに入ったまま捨てられることはないが、それでもほとんどの人が手も触れずに無視だった。新聞には紙が貼ってあり、「これは試読紙である、持ち帰ってもよいです、さらに1週間無料で宅配もします、契約してください」といったコメントが書いてある。
押し紙を再生紙工場への直行で捨てるよりも、キャンペーンの一環で無料配布しているという体裁をとっておけば、良心が痛まなくて済むのだろう。
かつて、10年ほど前まで、『デニーズ』には新聞ラックがあり、130円を自分で入れて買ったものだった。いまや、誰も買わないものだから、強制配布を始めた。しかし、タダでも手にとられない代物になってしまった。
間もなく、試読期間が1年になり、2年になり、事実上のフリーペーパーになっていくだろう。それでも、部数が出ていれば広告収入がいくらかは入ってくる。そのうえ、習慣の呪縛から逃れられない『団塊の世代』を中心とする年寄り連中は、しっかり月極の定価を払い続けてくれる。
ぱっと見、文字が大きすぎて、まるで小学生の教科書だ。こんな子供騙しの印刷物、若い人は読まないよ。でも団塊の世代はあと20年くらい生きるから、読売も縮小均衡しながらリストラ、リストラ、で、余命20年は持つ、ということだ。
30代以下の読売社員は残念ながら逃げきれないと思う。早く脱出を。
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"かつて、10年ほど前まで、『デニーズ』には新聞ラックがあり、130円を自分で入れて買ったものだった。いまや、誰も買わないものだから、強制配布を始めた。しかし、タダでも手にとられない代物になってしまった"
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読者コメント
新聞社が悪いというよりも、記者クラブ制度が悪い。
特に役人情報丸呑み、都合の悪いことは報道しない。
だから、村木局長の冤罪事件が新聞により大報道される訳だ。
朝日の「特捜の捏造スクープ」で、いつの間にか正義の味方!
捏造報道は、誰の責任か?
読売・朝日は大本営陸海軍報道部の手先であったのを、忘れてはならない!
しかし、日経本紙はホントニ企業PRやなあ、産業の方がネタ元になった(笑)
以上のような点から、私は新聞、特に総合的な話題を扱う全国紙は今後も必要であると思っています。
特に1と3については重視しており、大量の情報を毎日ペースで発信する、という点において、個人ブログやニュースサイトは大手報道機関には勝ち目はありません。
新聞(全国紙)が不要といわれている方々は、本当に現在の読売や朝日が担っている役割を、ブログや個人サイトが引き継ぐことが出来るとお考えでしょうか?
3.「これからは市民ジャーナリズムの時代」
期待しております。しかし、渡邊氏のサイトも含め、市民ジャーナリズム・ブログの多くは「調査報道」重視です。調査報道の多くは中期・長期の取材が必要です。しかし、私にとって日々の情報更新も同様に重要です。それらを行ってくれるのは現時点では新聞社、もしくはテレビニュースのみです。礼を欠く言い方ですが、1ヶ月に一度程度、スクープ記事を出されたところで、毎日のニュースの進展を怠る報道機関など、自己満足の世界でしかないように思えます。この点においては、マンパワーで勝る大手報道機関が個人ブログに決定的に勝ります。
4.「紙は時代遅れ」
紙媒体の最大の利点は、書き込めること、切り取れること、アンダーラインが引けること。最近もてはやされている電子書籍には、これが不可能であり、資料読みの媒体として極めて不便で不適格です。
5.「押し紙、政界癒着」
これは許せません。ただ、どの業界にも恥部と呼べる点はあるのでは??
こちらのサイトは「新聞不要派」の方が多いかと思いますので、必要派としての意見を。
読売、朝日のような全国紙、私はいまでも購読してますし、今後も続けます。
以下
1.「ネット時代になったことで、一次情報が誰でも手に入るようになった」
現実問題として企業や官庁のリリースにアクセスして情報を得る、という作業は手間がかかります。普通の会社勤めの人間にはそんな時間も余裕もありません。率直に言えば面倒です。この世の全ての人間が著名ブロガーみたく、情報収集に熱心な人間ではありません。情報を収集、一定の知識と見識を持ち合わせた記者がニュースを選別してくれる報道機関というのは非常に重要な存在です。
2.「新聞よりネットの方が早い」
私は速報を常に欲しているわけではありません。それよりも一定ペースで事の進展を知ることのほうが重要です。毎朝届く朝刊というのはそれにはうってつけです。新聞社のサイトは毎分ペースで更新され、それは便利ではありますが、一方で新しい記事が箇条書きで並んでいるだけなので、何が重要なニュースなのか把握しにくく、全体像が掴めないという欠点があります。
長谷川幸洋「官邸敗北」を読むと、上杉隆ではないが、記者クラブや記者懇談会など、悪弊としか言いようがない。
TVもだけど。
大阪市のファミレスなどではまだそういう無料配布的な新聞を見てないですね。いや、自分の見て回れる範囲だけですが・・。いずれにしても新聞記者職がかつてのような黄金時代が再び戻ってくる可能性は0に近いでしょうね。
記者からの追加情報