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セカンドオピニオンどころか5人の医師に話を聞き 変形性足関節症手術に踏み切り成功するまでの1年間

一度はあきらめた抜本治療だった

情報提供
酸素マスク
約一年かけて情報収集し勉強し、セカンドオピニオンを得た末に変形性足関節症の手術を実施。終了2時時間後、まだ酸素マスクがとれていないときに撮影。

昨年2021年10月、左足首に激痛が走り高熱と腫れに悩まされて一応の終息をみるまでに一か月以上かかった。最寄りの整形外科を訪ねると「軽症の関節症ですね。靴に中敷きを入れるとか。あとヒアルロン酸注射ですかね」との診断。近所の総合病院では「古傷が関係しているのかもしれませんね。痛ければ痛み止め出しますよ」と言われただけで抜本治療はなし。本格的な検査もなく、痛みの原因や足首内の現状が全くわからかった。そこで自分で調べ、MRI検査の結果、「変形性足関節症」と判明。膝関節症と違い症例が少なく手術回復の例も膝に比べて少ないと説明され、落ち込んだ。どうしても回復したいと思い、第二、第三の医師を探し当て納得したうえで手術を受け、成功した。自分で情報を収集し納得すること、セカンドオピニオンの大切さを実感した。抜本治療をあきらめていた状態から、手術に成功するまでの道のりを報告する。

Digest
  • 地獄の激痛が一か月
  • 16年間にわたる足首の不調
  • 抜本治療は難しいと絶望的に
  • 変形性足関節症と判明、自分で調査を開始
  • どうやって専門医療機関を探すか
  • 幹細胞治療カウンセリングで自分の状況を把握できた
  • 迷いに迷った末に3番目の医師に再び相談
  • 手術をするか否かの最終判断
  • 「今やるべきことはすべて出来た、という手術でした」

地獄の激痛が一か月

2021年10月15日は、朝からいやな予感がしていた。数日前から、左足首がなんとなく腫れて、動きが鈍い感じが気になってはいた。

その日の夕暮れ時、用事があって東京都内の住宅街を歩いていると、数日前から違和感のあった足首が激しく痛み出し、30秒ごとに痛みが2倍に増加する勢いだった。

軽く触れてみるとすごく腫れている。やってしまった。とっさに痛風発作だと思った。痛風もちの私にとって、このときの発作は人生で6回目である。そして史上最高の痛みであった。

すでに日も暮れ、一歩踏み出すたびに脂汗が噴き出し、呼吸が苦しく息ができない。表通りに出てタクシーを拾えばいいのだろうが、そんなカネはないから何としても最寄り駅までたどり着き、帰宅しなければならない。

その後、電車にのり、自宅近くの駅から足を引きずり、ほとんど失神に近い状態で家にたどり着いたのだ。すぐに足を高く上げて冷やし、痛み止めを飲んだが眠れないほどだった。

翌日、かかりつけの内科に行くと、やはり痛風発作と診断された。足首がひどく腫れ熱をもち38度以上の高熱を発していた。そのとき、医師がこう言ったのである。

「確かに痛風発作なので、この際、徹底的に薬を使用して完全に治したほうがいいでしょう。ただ、診た限り、この腫れと発熱、痛みは、痛風だけなのだろうかという気もします。整形外科に一度見てもらったほうがいいですよ」

このかかりつけ医の言うことに思い当たる節は、確かにあった。

16年間にわたる足首の不調

2006年1月、運動をしている最中にピキッともミシっともいうような瞬間的な激痛が左足首に入ったことがある。

激しい痛みを生じ、患部が腫れがあったので、急いで冷やし、包帯で少しきつく圧迫し、足を高く上げて安静にすると、少しずつ痛みと腫れが収まり、数日後にはなんとか落ち着いた。

初期の手当がよかったのか、その後しばらくは何ともなかったが、それ以来、何かのおりに電流が走るように瞬間的な痛みが走ったりすることもあった。

そうかと思えば、何事もなく問題なく過ごせる期間もあり、いい時と悪い時の波を繰り返してきた。

正式にMRI検査もしなかったので、足首がどのような状態になっているかは全く分からなかった。

そんな15年間を経て、昨年(2021年)10月の「大爆発」となったのである。

抜本治療は難しいと絶望的に

結局、このときの腫れ、発熱、痛みがほぼ正常に戻るまで1か月あまりを要したのだが、この時期から私の医者めぐりが始まったのである。

最終的に、①かかりつけの内科医、②近くの整形外科医、③徒歩圏内の総合病院の医師、④2回無料相談をしてくれた医師、⑤手術を直接担当した医師、の計5人が関わることになった。

かかりつけの内科医の勧めもあり、近所の整形外科を受診。これまでの経緯を話し、今回の激痛のようすを説明し、レントゲン撮影となった。

「とくに大きな問題はないですが、ほんのわずかに左足首のほうが関節の隙間が狭くなっていますね。そんなに重い症状ではないので、靴に中敷きを入れて調整したり、ヒアルロン酸注射して様子を見るなどの対策がありますよ」

これが整形外科医の診たてである。これより少し前に激痛が走ったというならそれでもいかもしれない。しかし、ここに至るまでの15年間の経緯がある。まずは長年悩んできた痛みの原因と現状を知りたい。

素人ながら思ったのは、MRIでよく検査してほしいということだったが、医師がその必要を言わないのに素人が勝手に検査を要請していいものか、という迷いがあった。

教訓① 不安ならできる限りの精密検査をしてほしいと医師に伝えるべき。この場合ならMRIで検査できないかと聞くべきだった。

なんとなく納得がいかないまま、セカンドオピニオンを求めるつもりで、徒歩圏内にある総合病院をたずね受診した。問診があり、過去15年のことをある程度話せたが、いそがしいようでじっくりとは説明ができなかった。

足関節症 手術 -の検索画面
キーワードを入れてネットで検索。自分の症状について情報を集め勉強した

――やはり、15年の間にいいときと悪いときと繰り返しています。これはなぜなんでしょう。

「今の腫れと痛みは、痛風の影響で間違いないでしょう。ただ、昔の古傷も痛みに影響しているのかもしれませんね。レントゲンでも大きな問題はないですし、痛みが強ければ痛み止め出しときましょうか?」

痛みの原因を知りたいのだ。ここで、MRIでもなんでもいいですから、もっと詳しく調べられませんか? と要請すべきだったのだが、話を聞いてもらえそうな雰囲気がなかったため、最初の整形外科に行き「MRIで詳しく調べてもらえませんか」と依頼した。

教訓② 問診時間が長く患者の話をよく聞いてくれる医師と医療機関を探すべし。一定の問診時間は必要。

整形外科の医師がMRI撮影専門機関に予約してくれ検査を実施、その結果が出るころに地元整形外科を再び訪ねた。

変形性足関節症と判明、自分で調査を開始

MRIの結果は、「変形性足関節症」だった。そして軟骨が飛び出し、それがトゲのように固くなる「骨棘」(こつきょく)が4か所写っていた。このほか医師の診断では、外くるぶし周辺の靭帯が緩んでいるとの判断である。

これで痛みの原因が大まかに分かったわけだが、これを治療するにはどうすればいいか、が課題だ。

――この状態を治すことはできますか。

「手術しないで治ることはありません。比較的軽いので、この状態を維持するようにします。たとえば中敷きを入れて安定させるとか、ヒアルロン酸注射を定期的にするとかですね」

――手術で、その骨棘を削除できるんでしょうか。

「非常に難しいんですよね。変形性膝関節症だと患者数がものすごく多く、手術の成功例も多い。ただ、足首の変形性関節症はとても少なく手術のノウハウも膝に比べるとまだまだなんですよ」

これを聞いて、手術は論外だと思った。膝関節症を100とすると、足関節症は5くらいと少ない。だからテレビのサプリメントの宣伝では、「足」ではなく「膝」に障害のある患者ばかり出ることになる。

そこで、注射をしてもらったら、ある程度の効果があり、デスクワークなら特に支障はなかったが、フリーランスの記者の仕事はデスクワークだけではない。

しかし、残りの人生や仕事を真剣に考えると、①ある程度の重さの荷物を持ちながら長時間長距離を歩く。②とりあえず走れる。この二つは必要だ。なんとしてもそのレベルまで回復したい。

そう考えた私は、次のステップを踏んだ。

• 自分の症状・病気についてインターネット等で調べる。

• 回復させる複数の治療法を探る。

• その分野の実績ある医師と医療機関を探す。

• 自分に適した治療法を決める。

まず「変形性足関節症」の概要を調べる。インターネット上で、「変形性足関節症」「手術」「治療法」などと検索していくとかなり膨大な情報が出てくる。

医師などの専門家による論文や医療レポート的なものを読むのもおすすめだ。患者の症状、手術内容、術後の経過を簡潔にまとめた論文も2,3読んだ。

写真や画像も見て勉強。私の場合は、前述のようにMRI撮影のデータもあるので、インターネット上に掲載されている写真や図などとも見比べてみた。

私の場合は、少なくとも4か所の骨棘(こつきょく=軟骨が少し飛びだしそれが骨のように固くなった状態)が足首の前と内くるぶしにある。これが痛みの原因と思われた。

治療法では、第一に保存治療がある。靴の中にインソールを入れて痛くないように調整したり、ヒアルロン酸注射を定期的に打ち痛みを和らげる。その間、歩き方や動き方も負担にならないようにする。

第二には手術だ。本格的な足関節症の手術となると、セラミックなどの人工関節を入れて固定する大がかりなものや、骨を切ったり削ったりする手術もある。人工関節手術は、術後のリハビリも含めて半年がかりの大がかりな治療となるのが普通のようだ。

リスクがあるのは当然だ。症状によってはそれほど大がかりでない手術法もあるようである。

そうして情報を集めているうちに第三の方法として「幹細胞治療」というものも少しずつ広がる傾向にあることがわかった。

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セカンドオピニオンを求めた医師に教えてもらったサイト。ここから医療機関と専門医について調べた。

(左)手術前に撮影したビフォー。赤丸内は小さくギザギザに軟骨が飛び出し固くなっている。(右)手術2日後に撮影したアフター・ギザギザしていたのが削られて滑らかになり、いくらか隙間ができているように見える。

左は手術前の撮影。赤い矢印の先の骨先端部分が欠けたようにとがっていたのが、手術二日後の右の写真では滑らかになっている。

固定具で足首を固定し動かないようにしてあるのを、撮影のために無理やり取り除いたのが下の写真。傷は、じん帯をしっかり固定させるために切った。骨を削ったのは向こう側で見えないが、傷はない。

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