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【スピ1】霊魂の世界、信じる?信じない?座談会

情報提供
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「霊魂の世界、信じる?信じない?」からこの企画は始まった。
 「オーラの泉」、すぴこんなど空前のスピリチュアルブーム。「怪しい」世界とされてきた霊的世界をわかりやすいことばで広めた江原啓之氏だが、霊魂の世界についての検証は評論からなされた「机上の論理」に終始している。当企画では、霊の世界に否定派から肯定派までのジャーナリストら6人が霊能者の鑑定を受け、ファクトベースで検証していく。ルポに先だち、6人がそれぞれのスピリチュアル体験について語った。
(まとめ:田原大輔

◇すべて病気がきっかけ
山中「最初にスピリチュアルな体験に関して、各自の経験や意見を述べてもらいたいと思います。

 では、まず私から。私は現在では、すっかりスピリチュアリズムにハマっていて、次の私のテーマではないかと思っているくらいです(笑)。江原啓之さんの本はほぼ読破、船井幸雄さん、シルバーバーチ、コナン・ドイルあたりも読みました。ここ2年、スピリチュアルリーディングを数回受けてみて、霊的世界はあるだろうと思っています。

 私は脳腫瘍で4回手術をしていますが、1988年に大学病院で最初の手術を受けることになった時、両親が祈祷師に視てもらったら、『その病院はやめなさい』と他の病院を薦められたことがありました。

 でも、当時の私はそんな祈祷もお告げも信じていなかった。病院では、拝み屋さんみたいな人たちがこっそり病室に来たりしているのも見かけました。それを見て『怪しい』、人の弱みにつけこんで儲けてとも思った。でも、そういう私も、両親からもらった病気治癒のお守りを病院のベッドの枕の下において、「手術が成功しますように!」と祈っているわけだから、何かにすがるという気持ちは一緒なんですよね(笑)。

 その大学病院で10数年後にひどい目にあって、いま振り返ると、その祈祷師が言ったことは当たっていたとも言えなくはない。

 終戦の1945年、母のひとつ下の妹が4月に亡くなり、翌月には祖母、さらに6月には産後の肥立ちが悪かった母親が立て続けに亡くなったんです。7月に、母自身も体調を崩して死にそうになっていた。それで、母の父が『こんなに立て続けに不幸が起こるのは何かある』と祈祷師に視てもらうと、『引っ越した日が神社のお祭りの日で悪かった』と言われ、お供え物とお祓いをしてもらったら、母の体調はよくなったそうです。

 父は1980年に胸がすごく苦しくなって、何度も検査したけど悪いところは見あたらなかった。それで、祈祷師に視てもらったら、『親の位牌を兄弟で別々にもっているから、霊が迷っている』と言われ、驚いて8万円ほど払って丁重にお払いをしてもらったそうです。すると、胸の苦しさもすっかりなくなった。父は母の話をそれほど信じてはいなかったけれど、それからは祈祷などを信じるようになったようです。

 兄は先天性の心臓病、私は脳腫瘍で、難病の子どもを2人も抱えてしまい、両親も「なぜこんなことになるのか?」という思いはずっとあったようです。でも、現実を生きるのがせいいっぱいだから、何か宗教にはまったということはなかった。母は『亡くなったら無』と言いながらも、先祖に毎日、私の健康のことばかりお願いしていますけど(笑)。

 いずれも、病気が入り口になっています」

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■中間派 プロフィール

林克明:ジャーナリスト、「通販あれこれ」スタッフ
1960年生まれ。中央大学卒。『カフカスの小さな国チェチェン独立運動始末』で第3回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。「ジャーナリストの誕生」で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)『プーチン政権の闇』(高文研)など。

三宅勝久:ジャーナリスト
1965年生まれ。大阪外国語大学イスパニア語学科卒。元山陽新聞記者。消費者金融批判記事をめぐり武富士から1億1000万円を求める名誉毀損訴訟を起こされながら勝訴。著書に『悩める自衛官』(花伝社)『武富士追及』(リム出版新社)など。

(写真上)林:チェチェンの首都グローズヌイ。内部が焼け落ちた建物の中から強い視線を感じた(1999年11月)

(写真下)三宅:地雷原とゲリラに包囲されたアンゴラの村「ションゴロイ」。下痢に悩まされながらもそれなりに楽しかったのだが、岡山の母は息子の危険を夢で察知していた(1993年)。
◇チェチェンで感じた奇妙な視線
「私は、神秘現象とかスピリチュアルな世界には、縁も所縁もない人生を送ってきました。そうした世界に触れるようになったのは、昨年、山中さんからカバラ(注:ユダヤ教の神秘主義思想で構成された教義の総称。数秘術を応用した占いなどで知られている)などを教えてもらったのが初めてです。

 魂というものはあるだろうなと、漠然と思います。奇妙な体験はいくつかしています。

 小学生の頃、ある日、学校にいる時に急に体調が悪くなったんです。寸前までとても元気だったのに、何の前触れもなく息が苦しくなって、大量の冷や汗がだらだら流れてきた。先生に『気分が悪い』と言うこともできない、声も出せないくらいにひどく具合が悪くなったわけです。

 後から知ったのですが、同じ時刻に、3歳下のいとこが、自宅の台所で火にかけてあった油の鍋をひっくり返して体に浴びてしまい、全身大ヤケドをしていたんですね。

 もうひとつは、1995年3月に初めてチェチェンに行った時のこと。4月1日昼過ぎに首都グローズヌイに入ったとたんに凄まじい『視線』を感じるんです。

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■否定派プロフィール石井政之:ジャーナリスト、評論家、NPO法人ユニークフェイス代表1965年生まれ。豊橋技術科学大学卒。著書に『顔面バカ一代』(講談社)、『肉体不平等』(平凡社新書)、『自分の顔が許せない!』(平凡社新書)など。田原大輔:ライター1963年生まれ。中央大学卒。編著書に『研究開発マネジメント書式資料総覧』(アーバンプロデュース)など。(写真上)石井:自画像(写真下)田原:『易経』の「泰」という卦のページ

■肯定派プロフィール山中登志子:編集家、「通販あれこれ」店長、化粧品プロデュース会社萬(株)経営1966年生まれ。お茶の水女子大学卒。リクルート『就職ジャーナル』、『週刊金曜日』編集部在籍。『買ってはいけない』企画&編集&執筆者。著書に、『プチ事典読む化粧品』(コモンズ)など。渡邊正裕:ジャーナリスト、(株)MyNewsJapan代表取締役・編集長1972年生まれ。慶應義塾大学卒。日本経済新聞の記者、IBMビジネスコンサルのコンサルタントを経て現職。著書に『これが働きたい会社だ』(幻冬舎)、『企業ミシュラン』(幻冬舎)、『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』(東洋経済新報社)など。(写真)「新宿の母」(新宿・伊勢丹)で手相を見てもらう女性たち。

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