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現地で100人採用した商社マンに聞く「インド人の人事管理と人材グローバル化」の実情

情報提供
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自宅にお邪魔して話を聞いた
 現在13億人の人口が世界一に膨らむ見通しのインド。経済のグローバル化は進む一方で、今後は日本人も、インド人との競争が避けられなくなる。経営者としてインドに派遣され、合弁企業の立ち上げから社員の採用、管理まで担当し、2年でインド人社員を100人ほど採用したという中堅商社マンに、インドでの生活、雇用・労働環境、そして人事管理の難しさなど、「剥き出しのインド」について、現場の実情を聞いた。
Digest
  • 「交通事故は自己責任」なインド
  • 「日本には帰りたくない」
  • 日印の生活面の違い
  • 同期の半分はまだ海外駐在ナシ
  • 「わらしべ兆者」みたいな人も
  • 幹部は600~1千万円
  • 年俸据え置き=リストラの合図
  • 既得権益化している商社の海外駐在
  • 「あっ、外人がいるねぇ~」という感じ
  • たくましい韓国人
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警備も万全な外国人向けマンションは400平米と広い

3年前に家族で赴任してきた当初は、日本円で家賃10万円ほどのマンションに住みましたが、トラブルが多かった。インドは施工がいい加減な建物が多いのですが、その物件は、虫が家の中に入ってきちゃって、朝になると死んだ虫で床が真っ黒になるほど。

それで、会社と交渉して、1年で今住んでいるマンション(家賃35万円ほど)に移ったんです。このマンションはほぼ外国人専用で、400平米とかなり広い。これは、冬の数カ月間を除くと昼間の気温が40度くらいに上がるため、外では子供が遊べないから。子供が家の中で遊ぶしかない、という事情があります。

「交通事故は自己責任」なインド

車は、ちょっとエラい人とかだと、ラグジュアリーブランドのトヨタ「カムリ」(新車で400万円台)に乗ってる人が多い。今使ってる車はもっと安いけど、6人乗れるファミリータイプを、自分用と家族用の2台、運転手つきでリースしてます。ベンツとかBMWみたいな、「いかにも」な高級車にしちゃうと、お客さんの心情的に問題が発生して客先に行けなくなるから、仕事で使えないんでダメなんですね。

インド人の運転は荒すぎて無茶苦茶なので、自分で車を運転するのは危険すぎます。左側のサイドミラーはオプションでつけるという感じで、ついてないのも普通。混んでくるとぶつかるから、サイドミラーはあっても畳んでる車が多い。だから、タタ自動車のように、機能を省いた40万円とかの車を出せる。

この国ではみんな、とにかく前だけを見て、車線も気にせず、突っ込む。ほとんどのインド人は自動車保険に入っていないから、相手から保険金をとろうとしてもダメ。事故ったらすべて自己責任、という世界です。だから、将来の保険の巨大市場と言われている。普通のインド人だと、交通事故で亡くなっても10~20万円で示談で解決しちゃうことが多い、と聞いたこともある。

人のコストが安いんです。よく言われるのは、「機械は壊れたら直さなきゃならないけど、人はいくらでも取り換えられる」ということ。だから、農作業を機械化しようとして日本企業がトラクターを売り込んでも、なかなか受け入れられない。

自分が関わった交通事故は、軽いのが3回ありました。乗ってた車が、自転車を跳ね飛ばしちゃってどうしようかと思ったけど、たまたま無事だったのでよかった。車に乗ってると、トレーラーが横転してる光景は、時どき見ますね。

「日本には帰りたくない」

インドに赴任前は、子供も含め、ワクチンの予防接種を毎週のように打たなきゃならなかったし、不安もありました。それでも、今となっては日本には帰りたくない、と妻も言っています。待遇面で圧倒的に有利だし、インドは活気があって、皆で助け合うカルチャーもある。銀行のATMなんて、ちょっと迷ってると、すぐに人が覗き込んできて助けようとするし。人間同士の関与の深さが違う。その点では、日本は死んでいる。

金銭的な面では、会社が用意してくれるのは、家とドライバーつき車2台と、メイド1人(月給は約19000円)。日本に戻ったら、「なんでママが車運転してるの?」とか子供に不思議がられるかもしれません。給料は、通常のサラリーのほかに、基本海外手当が月20万、+ハードシップ手当

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合弁会社の建物

休日のオフィス内はだだっ広かった

一応、アーグラーのタージ・マハルへ日帰りで

州をまたぐ際にとられる税金が2200ルピー。タージマハルの入場料は外国人が750ルピー、インド人は10ルピー。一緒に行ったドライバーが「おれはたった10ルピーだ」と笑っていた。「世界遺産ビジネス」は儲かる。

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2019/02/03 02:52
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