上:アメリカで公取に訴えられたグリーンコーヒー豆エキスサプリ。有効成分は花王ヘルシアコーヒーと同じ「クロロゲン酸」。その推奨摂取量はヘルシアの1.4倍程度。
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花王「ヘルシアコーヒー」と同じ有効成分のクロロゲン酸を使ったダイエットサプリ「ピュアグリーンコーヒー」の販売会社と経営者が今月14日、米国で虚偽広告だとして、当局から販売差し止めや不当利益返還などを求め、告訴された。摘発したのは、日本の公取にあたる連邦取引委員会(FTC)。このサプリは人気テレビ番組「ドクターオズショー」でも取り上げられ、5か月で8㎏痩せた人間での臨床試験が紹介されたが、証拠とされる論文では、有効成分の入っていないプラセボサプリを飲んだ時に一番体重が減ったなど不自然な実験が判明。訴状では「信頼できる証拠とはならない」と断じた。そもそもこのクロロゲン酸のダイエット効果は2011年、EUの評価でも臨床試験の質が悪く証拠不十分として効能表示を却下されたが、日本では2013年4月にトクホのお墨付きで発売された怪しい成分。消費者庁は企業が自己責任で機能性表示できる制度を設計中だが、この事例同様、質の悪い臨床試験を企業が都合よく解釈して詐欺的表示をするケースが増えそうだ。(ドクターオズショー日本語訳の映像つき)
【Digest】
◇FTCが提訴したコーヒークロロゲン酸のダイエットサプリ
◇「ドクターオズショー」で紹介された「22週間で8㎏痩せた」ヒト試験
◇プラセボサプリしか飲んでいない時が一番痩せた
◇EUでも却下「ヒト試験はあるが、質が悪く信憑性に欠ける」
◇消費者庁の機能性表示案でインチキ表示をチェックできるか?
◇FTCが提訴したコーヒークロロゲン酸のダイエットサプリ
イカサマ試験や
副作用問題など、疑惑が多い花王のトクホ製品「ヘルシアコーヒー」。米国では、その有効成分であるクロロゲン酸について、新たな問題が浮上している。
日本の公正取引委員会にあたるアメリカの連邦取引委員会(FTC)が、コーヒー豆に含まれる「クロロゲン酸」を使ったダイエットサプリを虚偽広告として今年5月14日、訴えたのだ。
FTCのサイトでは「FTCは、グリーンコーヒー豆販売事業者に対して、偽のニュースサイトを使い、体重が減少するという虚偽の表示で消費者をだました件で起訴した」というプレスリリースが発表されている。
事業者が本社を置くフロリダ州の地裁あての訴状はこれだ。
訴えられたのは、「ピュアグリーンコーヒー」という商品の宣伝・販売をしてきた「NPB Advertising社」を筆頭とする関連会社4社と、各社の経営者3名。商品の販売差し止めと、購入者への返金を含む不正に得た利益の返還を求める厳しい内容となっている。
訴状に示されている具体的な虚偽表示・広告は以下のとおり。
「4週間で9㎏(20ポンド)痩せる、3か月で脂肪が16%落ちる、3~5ヶ月で、14㎏減り、ウエスト周囲が10㎝~15㎝減る」
「人の臨床試験で、食生活の変更や運動なしでも3~5ヶ月で8㎏痩せ、体脂肪が16%も減ることが証明されている」
さらに宣伝方法も悪質で、一見中立なニュースサイトのように見せて商品を宣伝しているケースが問題とされた。
また日本でも深夜の地上波やBS放送などの通販番組でよく見かける、体験者のコメントについても、実は謝礼として2万円払ったヤラセであったことが発覚した。
宣伝方法に問題があったことは明らかとしても、ダイエット効果の真偽については、どのように判断されたのか.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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問題の臨床試験のデザインと3グループのサプリの摂取順番 |
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問題の臨床試験の結果。まだ本物のサプリを摂取している△のグループで不自然な体重減少が確認 |
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