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「日本の就活生は恵まれている」教育費4千万円超のエリート韓国人大学生――父はサムスン部長、母は大学教員――が語る“羨ましい日本の就職事情”

情報提供
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「現在の自分が置かれた環境には満足しており、来日の決断をしてよかった、と率直に感じています」
 高2から来日し、現在は有名私大(早慶上智関関同立の1つ)に通う韓国人留学生のパクさん(仮名)は、父が新卒でサムスン電子に入社したエリートで、その激務を垣間見てきた。教育水準が韓国トップのソウル市瑞草区(ソチョク)で1人っ子として育ち、3歳から月謝が約30万円という英語環境の私立幼稚園で英才教育を受け、小中学校時代も塾と家庭教師に学び、既に教育費だけで4千万円超にのぼるという。結果、10代にして日英韓トリリンガルとなったパクさんは日本語を流暢に操る。自殺者が出る受験戦争、大学生活を潰す兵役、できて当り前の英語、卒業前の内定がほとんどない文系の就活…そんな国から見ると、日本の就職事情は「とても羨ましい」という。受験勉強~就職活動における両国の違いについて、率直に語って貰った。
Digest
  • 「サムスンに入れ」
  • 学部重視、最低でも「イン・ソウル大」
  • 文系の就職活動に「内定」がない!
  • 入試当日の昼休みに自殺者が出る
  • 既に4千万円の教育費、強い「成功プレッシャー」
  • 僕が日本に留学したワケ
  • 「脳みそが筋肉になってしまう」兵役
  • 父親のようになりたくはない
  • 事故が事件化する韓国
  • 日本のダメなところ、羨ましいところ

「サムスンに入れ」

父は、高麗大卒業後、新卒でサムスン電子に入社し、花形と言われ給料も高いマーケティング畑を歩んでいました。現在はソウル周辺の京畿道で働いていますが、自宅がある瑞草区のサムスン本社で働いていたこともあり、僕が小学生の頃は、インドネシアに3年間、単身赴任もしていました。

父は今でも「サムスンに入れ」と僕に勧めてきます。部長以上のポジションにいると、人事にも顔が利くそうで、「一次の書類選考だけ通れば、あとは何とかするから」と言われています。

ただ、その一次の書類審査が、一番難しい。TOEICは最低880点ないと通らないと聞きました。最終的に入社する人の平均は930点以上だそうです。

サムスンでは、17:30~18:20までが夕食タイム(社食)で、その後、一次会議が始まって19:40に終わり、さらに二次会議が21時に始まるそうです。会社に宿泊施設があって風呂もベッドもあり、帰ってこない日もあります。

だから、あまり父と話す機会はなく、父というより、「一緒に住んでいる他人」という感覚でした。朝7時には家を出ているので、朝食も一緒ではありません。夜は、早く帰宅しても20時~21時で、かつ、僕が23時まで塾通いがあって英・数・国・化学と各科目を勉強していたので、ほとんど会えませんでした。この高校生以下の塾通いは、韓国では普通の風景です。

土日も出勤することが多いし、有休をとると出世に響くそうで、休みの日は家で寝ていて、父と遊んだ記憶はほとんどありません。遊園地に行ったこともないです。だから、「あの人は父じゃない」というのが、率直な感覚なんです。僕が一緒に遊んでもらったのは祖父母で、実際には、祖父母に育てられました。

ただ、サムスンが高給なのは確かで、自分が小学生のころ、父が入社して8年目の30歳くらいのときで、年収が720万円(今のレートの日本円換算)だったことを覚えています。今は、社内でも一番給料が高いと言われるマーケティング部門でキャリアを積み、40代後半の管理職で、自家用車もBMWで、僕に年430万円も仕送りし

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韓国の就職人気ランキング。サムスンは役員の自殺事件もあり、一位陥落。

日本語検定1級取得。「1年半くらいで日本語をマスターしました」。

「日本の大学ランキングは、感覚的に、だいたいこの通りだと思います」

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  2015/06/10 00:31
 2015/04/30 01:41
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 2015/04/30 01:35
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