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KPMGコンサルティング 先行投資の高年収プレミアム消え、普通の会社へ 「中途はPJT内容で選ぶなら転職OK、第二新卒採用はおススメできません」

情報提供
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Baa:優良企業予備軍
(仕事5.0、生活3.7、対価3.2)
 監査法人系BIG4のコンサル会社としてはベンチャー的な存在だったKPMGコンサルティング(グループ内ではKCと呼ぶ)。あずさ監査法人の子会社として2014年7月、200人強でスタートし、2年後の2016年7月1日時点で606人と3倍に膨張。この11月現在ではコンサル数700人程度(別途バックオフィスが100人強)と、急拡大中だ。同じランクで年俸が違いすぎる歪み、営業偏重で現場の若手が足りていない歪み、貧弱な教育研修体制…様々な課題を抱えつつも年200人ペースの純増を維持するため、これまでボスキャリでの海外大学生のみだった新卒採用を強化するため、来期は国内大の新卒採用も開始する見通しだ。第一線で活躍する社員に、現場の実情を聞いた。
Digest
  • MCとTCを統合
  • 年200人ずつ純増
  • 上位層の人数が多い歪んだ構成
  • 人材育成方針――2018年4月入社の国内大新卒採用開始へ
  • 新人研修で模擬プロジェクト
  • 今期はRCで60人純増の計画
  • 評価に納得できず辞める、ルールが厳しくて辞める…
  • はじめてボーナスが出た
  • 1年前までは「言い値」だった年俸
  • 目立つEYとアクセンチュア出身者
  • ファイルはクラウドのみに保存

MCとTCを統合

2014年7月に、ITコンサルや戦略支援を手掛けていた「KPMGマネジメントコンサルティング」(現MC部門)と、内部統制・内部監査等を手掛けてきた「KPMGビジネスアドバイザリー」(現RC部門=リスク&コンプライアンス)を統合して200人強でスタートして2年余り。設立時、完全に新しい部門として創設したTC部門(テクノロジーコンサルティング)も、2年で120人にまで増強した。

 かつて、米国KPMGコンサルティングの日本法人として、外資100%の「KPMGコンサルティング」が存在していた。その会社は2002年に、朝日アーサーアンダーセンを買収し、ベリングポイントと名称を変更。そのベリングポイントは倒産してPwCに買収され、現在はPwCコンサルティングとなっている。(とはいえべリング時代の人員の、ほとんどが他ファームへ移籍済み)
 現在のKPMGコンサルティングは、純粋な日本企業で、あずさ監査法人の子会社。従って、CEOの森俊哉氏もコンサル出身ではなく公認会計士で、資本の論理で監査法人からやってきた“天下り”社長だ。正確な会計監査を使命とする会計士と、事業変革を使命とするコンサルタントは、正反対の適性と志向性を持つ職種。今後の人事で、コンサル事業に対する本気度が試されることになる。

今年に入り、MC部門のなかに、TC部門を吸収。2016年6月期末のコンサル数では、MCが約420人、RCが約200人の、計620人体制と、2年で3倍に拡大。7月以降も、月10~20人ほどのペースで中途採用は続いており、9月にはボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)で採用したキコク系の新入社員が10人前後、入社している。

「オフィスに行くたびに、知らない人だらけ。フリーアドレス制ですが、机が足りておらず、大手町フィナンシャルシティノースタワーの21階に加え、最近、22階にもオフィスが増設されました」(社員)

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KPMGコンサルティング(社内では「KC」と呼ぶ)の組織と所属人数(2016年夏時点)

組織は、どのコンサル会社でもそうであるように、セクター(業界)とサービスラインとのマトリクス組織を志向し、詳細な部署と人数の内訳は、右記のとおり。

独立した部門としてRC(リスク&コンプライアンス)に力を入れている点に特徴があるものの、それ以外は他ファームと似たり寄ったりである。

年200人ずつ純増

全社員の3分の2超が直近2年の間に入社した人たち、という寄せ集め集団。新卒採用は年10人前後のボスキャリ組のみとあって、ほとんどが即戦力の中途採用ではあるが、年200人ペースで純増していく過程では、当然、歪みが出てくる。現在は、その無理やりな成長にともなう綻びを修正しつつ、同時に年200人ずつ増強する成長姿勢は緩めておらず、組織化と成長を両立させようという難しい局面に入った。

この2年の間に中途入社したMC部門の中堅コンサルが言う。

「初期メンバーは、自由を求めてやってきた人が多かった。それが、ちゃんとした組織になり、普通の会社っぽくなってきた。経費精算のフローが厳しくなったり、稼働率も、これまであまり気にしていなかったのに、最近は数字で厳しく見られて、低い人にアラートが飛ぶようになりました」

立ち上げからいたメンバーが早くも抜け始め、パートナー陣も入れ替わりつつあるという。この夏には、前年までPwCコンサルティングの社長だった椎名茂氏を、KPMGコンサルティングの代表取締役副社長として迎えた。これも、組織化していくための一手といえる。

上位層の人数が多い歪んだ構成

2年で人員を3倍に拡大したということは、それだけの仕事がある、プロジェクトを獲得できている、ということだ。いったい、どうやって営業したのか。

「まず人を増やして規模を拡大したい、という戦略でした。そのために、仕事がついている人、お客さんを持っていたり、営業ができるシニアマネージャーやディレクター以上の人を他社から引き抜くなど、少し割高な年俸を出してでも、先行投資で積極採用したんです

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上:KPMGコンサルティングのキャリアパス(中途採用向け説明資料より、元資料に誤植アリ→×自信〇自身)。下:2017年度の新評価指標における、各ランク別KPI目標値。シニコン以下も含め稼働率が明示された。マネージャーで70%。

シニアコンサルタントの給与(年俸の12分の1)。裁量労働手当も毎月同額。別途、業績と個人評価に応じてボーナスを年1回支給。

KPMGコンサルティングのキャリアパスと報酬水準

会社支給のスマホとPC。OSはWindows7。

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2020年記事2020/10/21 22:27会員
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