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ソフトバンク 孫会長離れ「まったり」感漂う――ライン長の満足度ばかり高く、「役職バトンタッチ制」導入で50代課長を一掃
ソフトバンク社員のランク別総合満足度。一番高いのは、総合職(全国転勤アリ)の「M」(約2千人いるマネジメント領域=課長以上のライン長たち)だった。

 「ソフトバンク2400人採用へ スマホ急増に対応」。そんな記事が新聞に載ったのが、2012年だった(2/25付『日経新聞』)。1年間の採用数としては、「パラソル部隊」の席巻で話題になった2005年に3千人採用をぶち上げて 以来だ。新卒1千人、中途1450人がその内訳で、中途は、好調なiPhone販売を受け、営業850人、技術300人とされた。そのなかの1人――2012年度に営業職として入社し、現在も在籍する30代社員――に、その後の“ヤフー化”が進んだソフトバンクの実情を聞いた。2年前に宮内氏がCEOに就任し、孫会長は海外投資事業に専心。国内市場成熟で、社内はまったり感が漂うという。離職率は下がり、社員満足度は課長以上が特に高い。ついに会社は、「課長50歳まで、部長55歳まで」とする役職定年制を2016年度から完全導入し、新陳代謝に踏み切った――。

【Digest】
◇離職率は低い
◇社員満足度「課長以上から中途入社するなら…」
◇課長は50歳まで――「役職バトンタッチ」で役職定年
◇内製化部署は定時勤務でノンビリ
◇仕事はまったり、給料そこそこ
◇退職金ナシ、外資に行けばプラス数百万
◇家賃補助は新人3年間、iPhone,iPadは利用自由
◇法人向け営業では20代課長も
◇給料安い現場、ニケシュには350億
◇定例会議は週一、稟議はもちろん電子化
◇自分の目標以外に興味がなくなる仕組み
◇「上司に自宅残業を強制されていないか?」アンケート
◇名ばかり「スーパーフレックス」――ブランディングがうまい

◇離職率は低い
 有価証券報告書ベースでも2012年3月の22,710人→2013年3月24,598人と1888人増えたので、新卒分を差し引いても、この年の中途1450人採用というのは、まんざら嘘でもなかった。

 「『法人MI本部』だけで、営業1千人を採ったんです。MI=モバイル・インターネット。つまり、企業向けに、iPhoneなどモバイル通信の活用を提案するソリューション営業部隊です。かつてヤフーBBでパラソル部隊を展開したように、人海戦術のローラー作戦でひたすら営業をかけました。光通信のような仕事内容なので、中途は、光通信出身者もたくさんいました。最近は、営業力を買われてだと思いますが、リクルート出身者がよく転職してきます」

 ソフトバンクは2015年4月1日付で通信4社を合併。非常に紛らわしいことに、2015年7月1日付で名称変更を行い、「ソフトバンクグループ」(旧称ソフトバンク=持ち株会社)と、「ソフトバンク」(旧称ソフトバンクモバイル=昔のヤフーBB、日本テレコム、ボーダフォン、ワイモバイルの通信4社が統合された事業会社)の、2社体制に再編した。

 現ソフトバンク内の組織名称としては、「法人事業統括」が旧ソフトバンクテレコム、「コンシューマー事業統括」が旧ソフトバンクモバイル、「テクノロジーユニット」が旧ソフトバンクBBを引き継いだ組織である。なおソフトバンクグループには別途、国内でヤフー、海外でスプリントなど、大企業を多数抱えている。

 この法人MI本部は、現在のソフトバンク内の組織名称でいうと、現組織図(下記参照)のなかの、「法人事業統括」(旧ソフトバンクテレコム)の下にあり、「法人第一営業本部」~「法人第七営業本部」と並列で存在していた。

 コンシューマ事業統括(旧ソフトバンクモバイル)のほうは、銀座など直営店が数えるほどしかないため、ソフトバンクショップを経営する代理店への営業とその管理が仕事となるが、法人事業統括のほうは、企業に直接の営業をかけるのが仕事の中心だ。

ソフトバンクの現在の組織図(2017年)=詳細はPDF参照
 法人第一営業本部~第三営業本部が業界別で、「第四」が首都圏中心の中小企業全般をターゲットとし、「第五」「第六」が地方やパートナー営業。第七が新規開拓営業だ。

 人員規模としては、法人第一営業本部(本部長)の下に、統括部(統括部長)が3~4個あり、その下に部(部長)が3~4個。部内には課(課長)が2つほどある。課には総合職5~6人が所属する。別途、アソシエイト職だけの「サポート課」がおかれ、顧客情報の登録作業など事務作業だけを担当しているという。つまり、1つの営業本部が300~400人といった規模である。

 営業担当者1千人規模が在籍していた法人MI本部は、一通りのローラー作戦を終えて2015年ごろに解散し、これら第一~第七の営業本部を中心に人員を移し、現在に至る。

 「自分は、まず、『半年でiPhoneを300台売れ』という目標を課されました。ケータイやPHSから、スマホに切り替えてもらう営業です。ドコモやauのほうが価格は安いのですが、スマホを法人向けにどう活用するかについては、ドコモよりも実績があったので、多少高くても売れました。

 固定電話については、『おとくライン』で社員間の通話料を削減しましょう、など。iPadについては、営業マンが会社に戻らなくても好きな時間に資料作成ができるようにして、生産性を高めましょう、といった提案など。社内でVPNを組んで通信ネットワークをソフトバンクに変える提案をしたり、ヤフーの広告枠を売ったりもしました。

 最近では、GPSを使って外回り営業マンの行動管理をしましょう、というソリューションも販売していて、これが導入されると、デキない営業マンにとっては、行動を細かく厳しく管理され、逃げ場がなくなります。

 ここ数年はIBMのワトソン(人工知能)をソリューションとして組み込んで売り込んでいます。外回り営業が、アプリに聞くと答えてくれる社内向けのQ&Aシステムなど。ようは、社内向けのコールセンターがアプリに置き換わって、決まっている手続きについて文章で答えるBOTです。

 マスコミで話題のペッパー君は、実際にできることはiPadと変わらなくて、音声認識と画像認識がついている程度のもの。社内でも、あまり成功していない、というイメージです。ブルームバーグの記事で指摘されていた「ペッパーは、本質的にヒト型をしたiPadだ」が正しいと思います」

 競合のNTTが、かつて独占事業体だったことから、電気通信事業法上の規制で「禁止行為規定」があり、携帯電話と固定通信サービスのセット割引(ドコモとNTT東)ができないことも、ソフトバンクの営業には有利。大手が続々とソフトバンクの通信ソリューションを導入していった。ANAデロイトなど、法人のSB利用は目立つ。

◇社員満足度「課長以上から中途入社するなら…」
 2400人も1年で採用するとなったら、どうしてもフィルターは粗くなる。社風に合わない人も多く入ってくるうえに、同社特有の成果主義から離職率も上がりそうなものだが、5年目になる現在も、意外に辞めていないという。

 「離職率は低いです。月2回、人事情報が発表されますが、国内通信事業(17,834人=2016年3月)で月あたり20~30人くらい。国内通信事業は成長が止まったので、社内も、まったりしてきた印象があります」

 通信のようなインフラビジネスは、いったん導入すると、継続的に通信料金で利益を生み出す。収穫期に入った今、巨大なソフトバンクグループ全体でも、ダントツの儲け頭(営業利益が「国内通信」約7,200億円、「ヤフー」約1,900億円=2016年度)となった。営業担当者のKPIも、当時は売上高管理だったが、今年度からは利益管理に変わったという。国内の通信事業が、成長フェーズから成熟フェーズに移っていることをうかがわせる。

 孫社長の興味が、新たな成長を求めて世界に向かい、米国スプリント事業や、サウジ等と作った『10兆円ファンド』投資などグローバル展開のほうに移ったため、国内通信については宮内謙社長(2015年4月に現ソフトバンクCEO就任)に完全に任せきりとなっている印象だという。当然、かつての超トップダウンや朝令暮改カルチャーは、影を潜めた。

 国内市場が成熟し、利益を生むようになったものの、そのカネは社員に還元されることはなく、海外投資へと向けられた。

 「給与に還元すれば、社員にとってよい会社なんですが…。ぜんぶ投資に回しちゃってる印象です。給与が低い若手は、不満を持っている。いずれにしても仕事は『まったり』なので、あとは給料が高ければ満足度は高い会社だと思います。だから、課長以上にとっては、いい会社なんです。年収800~900万円貰えて、仕事は昔よりも忙しくないので。

 社員満足度調査でも、課長がすごく満足度が高い結果が出ています。非管理職と比べて、0.3ポイントほど高かったのですが、0.1ポイント上げるのも大変なことだと言っていましたから…。課長以上のランクから中途入社するなら、いい会社だと思います」

 この社内の満足度調査は、マクロミル社に外注して、100項目くらいのアンケートに答える方式で毎年、行われているという。各、5点満点だ。

 2016年度調査では、突出して高いのがM(マネジメント領域=課長以上のライン長クラス)で、3.72ポイント。2,109人と、母数も多い。

 次に高いのが、P(プロフェッショナル領域=課長以上の待遇を得ている管理職クラスのプロフェッショナル)で3.41ポイントだが、LP(非管理職の一番上のランク)やD(一番下のランク)と、ほとんど差はない。

◇課長は50歳まで――「役職バトンタッチ」で役職定年
 この、「仕事が比較的ラクで、給料が高い課長以上の人たち」は2千人規模で存在する。ライン長ポストがそんなに沢山あることに驚くが、通信4社合併によって、会社発表でも「約17,200人(2017年3月末現在)」に膨れ上がっており、うち、ソフトバンクショップなどの地域限定職をのぞく総合職(M、P、L/P、Dの合計)は、約1万4千人。7人に1人がライン長というのはおかしな数字でもない。

ソフトバンクが2016年度末に完全運用を開始した「役職バトンタッチ制度」(詳しくはPDF参照)
 だが、市場の成熟によって会社の成長が止まったために、このライン長ポストは増えなくなり、なかば既得権化していた。これでは若手の労働意欲を削ぐということで会社が2014年度末から段階的に導入を始めたのが、「役職バトンタッチ制度」だ。いわゆる役職定年制度である。

 ソフトバンク本体では、本部長が57歳、部長が55歳、課長が50歳で、役職から降りる。降りたあとは.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



ソフトバンクのランク別報酬テーブル。給与について社内では非常に透明性が高い。
ソフトバンクのキャリアパスと報酬(2017年現在)
11段階の個人評価と、そのボーナスへの影響。最大2倍になる。

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