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羽田管制トラブル、利用者に補償なし

情報提供
 2日午前11時30分ごろ、羽田空港の管制塔で電源が落ち、1時間以上にわたり発着が止まった。私は午後0時30分発の便で大阪に向かい取材の予定が入っていたが、90分も足止めを食らったため梅田のヒルトンまでタクシーに飛び乗りギリギリ間に合った。欠航45便、遅延便242便となり、6万人の足に影響が出たが、利用者に対する補償はゼロだというのだ。

先月、飛行機が60分遅れて1万円の補償金を貰った例を身近で聞いていたので、90分遅れた私の場合はどうなるのかと思い、さっそく羽田空港の代表電話に尋ねてみた。

 「その件は、国土交通省のほうをご案内しております」

何件もあったんだろうな、と思わせる対応だった。

国交省東京航空局の東京空港事務所(03-5757-3000)を案内される。

--私は90分遅れたせいで、タクシーを使わざるを得なかったのですが

「ホテルやタクシーを使われた方が多数いらっしゃったようですが、補償はしていません」

--人為的なミスだった訳ですよね

「新聞報道ではそうなっていますが、詳細は調査中でまだ確定していません」

--いずれにしても、管制塔のトラブルだから国の責任でしょう

「我々が管理しているところであることは間違いありません」

--なぜ補償しないのですか?JRも各航空会社も、必ず相応の補償はしますが

「航空会社は、利用者との間の約款のなかに規定があるが、我々は国の出先機関で、空港の維持管理を目的としており、制度のなかで、弁償や補償についての法律がないのです」

--勝手に国が想定していたことにしか対応しないのはおかしい。法律を知りたい。

「国家公務員法、財政法、会計法、空港整備特別会計法、航空法などで定められていますが、そのなかでは、利用者に弁償することはできない」

--6万人もの足に影響が出て、誰も責任をとらないのか。これでは、また同じことが起きる。

 「数年前(2003年3月)、FDPというコンピュータシステムが止まったことがあったが、利用者には一切補償していない」
(注:朝日新聞によれば、当時、1日に計200便以上が欠航した)

--政治家を動かして法律を変えるしかないわけですね。でも、消費者の立場で動く政治家は、この国には残念ながらほとんどいないのだから、変わらないことになる。

「……」

--乗客から、同じような質問は来ていないのか

「同様の問いあわせが、何件も来ていますが、同じお答えをしています」

--何事もなかったかのように片付けられるのは納得できない

「……」

新幹線は、遅れると、文句を言った人にだけに特急料金が返却される。4年ほど前、長野新幹線が止まって足止めを食らった際、私はこれを知らずに、返却を受けなかったことがある。

海外諸国では、いわゆる途上国を中心に遅れるのが当り前の国も多いので、そんなものかと勝手に思い込んでいた。

 しかし、日本は新幹線の料金は、たとえばフランスの2倍もする 訳だから、考えてみれば、それ相応のサービスを求めるのも当然なのだ。

当時、知識というのは重要なものだとつくづく感じた。

一方、航空会社は、約款にもとづいて補償を行う。原因が何であれ、被害を被った利用者としては知ったことではない。責任ある誰かに補償を求めるのは当然だ。私と契約関係にあった本丸のJAL(東京03-5460-0522)に聞いた。

--補償の件は、約款 のどこに書かれているのですか

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まあ2008/02/01 02:49
中野 比良2008/02/01 02:49
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「シカタガナイ」(K・V・ウォルフレン)という国民性ですから、まあ再発するでしょう。
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