「師弟関係が強い職場」と語るインタビュイー(左)、在籍の証拠として給与明細を見せて貰う(右)
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会計事務所系BIG4のコンサル部門は、デロイトを成功モデルとして各社が追いかける展開。KPMGは最後発で規模も一番小さかったが、2018年4月から国内大の新卒採用も開始。中途も含め年200人規模の採用で2016年からの4年で社員を約400人増やし、直近発表では1153人(2020年7月)になった。急成長フェーズを終え、2021年以降はアクセルを緩め安定フェーズに入り、規模は追わない経営方針が示されている。最近まで同社戦略グループ(Strategic Transformation)に在籍した中途入社の主任クラス(シニアコンサルタント)に現場実態を聞いた。
【Digest】
◇Gパン出社OK、オフィスは削減
◇ネームバリュー、年収、望む仕事のバランス
◇採用で見られるところ、配属と研修
◇古谷→佐渡体制に
◇マネージャー以上は戦コン、スタッフレベルはKP
◇2~3千万円の仕事を2~3か月、数人で
◇やりがいは自己成長、感謝、報酬
◇異動希望は1年後から
◇仕事がデキないとパワハラ不可避
◇有休を消化させる仕組みはない
◇曖昧化するエンロン問題
◇寄せ集め組織で戦略はアクセン、カーニー
◇新卒から高め設定、上がる報酬相場
◇アップオアステイ
◇個人商店カルチャーで師弟関係が強く、属人的でウェット
◇Gパン出社OK、オフィスは削減
現在のトップは、2018年7月にCEOに就いた宮原正弘社長。親会社(あずさ監査法人)出身の会計士であるが、意外にリベラルな面を見せている。
「宮原さんは、社員の声を大切にするタイプで、よく『主役は皆さんです』と言っています。下っ端の若手の名前も覚えて自分から声を掛けるような人です。ダイバーシティに力を入れていて、服装も2019年10月から私服OKになったため、クライアントに会わない日は自分もGパンで出社していました」
昨秋から、裁量労働制も廃止。朝7時~22時の間で実質7時間働けばよいフレックスタイム制に移行し、より働き方の柔軟性が高まった。月50時間分の固定残業代は予め給与に組み込まれ、これは50時間働かなくても一律で支払われ、名目上は、超過分を追加で請求できる。
オフィスは、あずさグループ全体で大手町フィナンシャルシティ・サウスタワーの20~26Fに入居。だが、コロナ禍でリモート環境となって、今夏から削減した。「20階が会議室エリアで、25,26階がコンサルタントのワーキングスペースになっていましたが、経理などバックオフィス部門もあった26階を解約。現在は25階だけになっています」
元からフリーアドレス制で、個人に割り当てられた場所はロッカーだけ。今春からは、より自宅作業の比率が増えることになった。
◇ネームバリュー、年収、望む仕事のバランス
この元社員は、複数の人材紹介会社を利用して、PWC、ベイカレント、KPMGのコンサル3社に内定した。20代後半は特に売り手市場で、選択肢が多い。
最終的にアクシスコンサルティング経由で内定したKPMGに決めたものの、タリスマン経由で内定したベイカレントには粘られ、タリスマンの担当者からも「先方にうまく説明することができません」と言われる始末。断るのも一苦労だったという。
「ベイカレは、最終面接でBCG出身のパートナーが『キミが入社するうえで何が障害なのか?』『年俸が問題なら、800万でも900万円でも提示できる』などと、入社前提ですごい迫力で詰められて、その場で内定承諾書にもサインしてしまいましたが、紹介会社を通じて辞退しました。理由は、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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新卒採用募集要項(2022年4月入社予定分) |
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KPMGコンサルティングの組織概要 |
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KPMGコンサルティングのキャリアパスと報酬水準 |
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KPMGコンサルティング主任(シニアコンサルタント)の給与。固定残業手当は50時間分。 |
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