 B 不良企業予備軍
(仕事2.5、生活3.0、対価3.2)
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今年4月下旬から1ヶ月余りの間、東海旅客鉄道(JR東海)総合職の職場では、毎日、A4サイズの裏表で300枚はあろうかという分厚い「記事の切り抜き集」が回覧されていた。普段ならば、各部の仕事に関連する内容の記事だけが回覧されていたが、JR福知山線脱線事故の直後から、部署にかかわらず全ての記事コピーが全員に回覧されるようになった。おびただしい報道が続くなか、その量は普段の10倍以上に激増、目を通しきれないほどになった。
【Digest】
◇「明日はわが身」
◇現業部門は20代で運転手に
◇全員が新幹線の運転免許をとる
◇民営化に伴う、年次の穴
◇本業に着手できるように
◇スタッフ部門が出世コース
◇社員は運賃が割引に
◇安定的に上昇カーブを描く給与
◇フィードバックなしの評価制度
◇国鉄一家
◇序列・階層が多い
◇外部と遮断された職場
◇社内向け作業が業務の中心
◇「時間は永遠にある」との感覚
◇残業は少ない
◇勤務地は名古屋か東京
◇JR東海 本社勤務 総合職の1日
◇「明日はわが身」 「JRに関する、ほとんどすべての週刊誌・新聞記事が回っていた。明日はわが身だぞ、という無言のメッセージが伝わってきた」(ある社員)。
JR東海は、事故を受けての過密ダイヤの見直しや日勤教育の変更などは、特段、発表していない。「規律を守らせる上では、日勤教育は必要。現業部門の社員にとって、乗務停止は屈辱的なことであり、インパクトがある。乗務せずルールブックを復習し直すことで規律が保たれる」(同)。
◇現業部門は20代で運転手に
同社は2006年度、総合職を70人、アソシエイト職(旧一般事務職)を60人、そして現業部門のプロフェッショナル職を580人(うち大卒100人)採用する計画。過去10年くらいは、同規模の採用数を続けている。少数の総合職がキャリア組、多数の現業部門がノンキャリア組で、採用の入り口から分けて背番号をつけ、昇格のスピードに差をつける仕組みは、民営化前の官僚組織と同じだ。
現業部門の一般的なキャリアとしては、18歳で入社後、まずは駅員を2~3年経験し、その後、車掌(客の案内、車内の切符切り…)を3年ほどやる。その後、早くも運転手になる。つまり、20代後半には、ハンドルを握っている。そして、運転手を10年単位で続けるか、駅の管理者として現場のマネジメント系のキャリアを積むかに分かれていく。
かつて国鉄時代には、運転手というポジションは現業部門の到達点であったが、今や20代で運転手になれるようになった。JR西日本の福知山線で電車を脱線させた運転手は若干23歳だった。乗客の命を預かる立場として十分な経験を積めていると言えるのか、事故後に議論が分かれた。
◇全員が新幹線の運転免許をとる
総合職で入社しても、今のところ、全員が東海道新幹線の運転手を経験する。まずは車掌と駅員を数ヶ月ずつ経験。その後、運転手になるための机上の勉強を3ヶ月強おこない、実際にハンドルを握っての運転講習を4ヶ月。その後、試験を受けて通ると、1ヶ月間から長い人で6ヶ月間ほど、実際に新幹線の運転手として、通常のダイヤのなかで、乗客を乗せて運転する。競合する飛行機のパイロットとは、段違いにハードルが低い。「新幹線は在来線より駅数も少ないし、操作の難易度も低い」(社員)という。
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