 Caa:不良企業
(仕事2.5、生活2.7、対価2.2)
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今春、残業代が適切に支払われていないとの疑いで、JTBの2つの支店に労働基準監督署の立ち入り検査が入った。JTBは残業代の未払いを認め、その支店の社員には先月(2004年5月)、残業代が一括で支払われた。約80万円の残業代を手にした社員もおり、社内では「ボーナスより高い」と一躍有名になった。
支店では、個人別に目標予算を持たされるが、他社との競争が激化するなかで、ほとんどの社員は達成できないのが現実。仕事の量を減らせばますます目標達成は遠のく。数字が行っていない以上、増員する訳にもいかない。結果、「労基署の問題が起きてからは、持ち帰り仕事が増えました」とある社員は実態を説明する。
昔はキッチリとサービス残業をやらせないカルチャーもあったが、支店長が数値目標を達成するため(要するに自身の昇進のため)、部下に、コソコソと裏でサービス残業をやらせるようになっているのである。それほど旅行業界の環境が厳しいという事情もある。
取り易いとされてきた休日についても、実際は少し違うようだ。同社は支店長の権限が強く、支店長に評価されなければ昇進や異動が難しい。一方、社員は仕事が多すぎて休日出勤しないと処理しきれない。このため、書類上では有給休暇としておきながらも、サービス出勤せざるを得ないことがあるという。同社HPでは「年次有給休暇(取得率90%以上)」と取得率の高さがことさらアピールされ、取得率は確かに日本企業の中では最も高い部類に入るが、なかには休めていない社員もいるのだ。
昨年末には、同じ月(2003年12月)内に、本社で勤務時間中に2人が亡くなるという異例の事態が発生。会議中に突然、様態がおかしくなり、救急車で運ばれていくというパターンで、過労死.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。

JTBの就職先としての人気は、とにかくすごい。就職情報大手のディジットブレーンが2005年3月に卒業予定の学生約32万人(有効回答者数は2,837人)を対象に就職人気企業ランキング調査を実施したところ、昨年まで6年連続で1位だったソニーが5位に後退し、昨年3位のJTBが12年ぶりに首位に立った。JTBは2000年以来、毎年、上位5社に名を連ねる。得票の8割以上を占める女子学生のランキングでは昨年も1位だった。
リクルートワークス研究所がリクナビに登録した2005年3月卒業予定の学生を対象に行った就職志望企業調査(有効回答数20,399)でも、JTBは、トヨタ自動車、電通に続いて3位(昨年は1位)となっている。
しかし、上述のように、待遇面や、横並びの評価、死ぬほどきつい仕事などに不満を持って辞めていく人は多く、離職率は少し高めだ。
旅が楽しいことと、仕事が楽しいことは同一ではないし、それが自身のキャリアになるのか、やりがいを感じられるのかとも別の話である。ましてや、仕事の対価として得る報酬水準を知らずして就職先を決めるのは無謀である。
広告主の圧力によって事実を伝えないマスコミの罪は重い。会社が学生向けに行う説明会でも、待遇の話は避けられる。それは仕方のないことではあるが、それに対するジャーナリズムが機能していないことによって、本来、すべてを知って入社し、入社後も納得して高いモチベーションで働けるはずの人材が入社できないのは、社会的損失ともいえる。
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