MyNewsJapanとは
 
書く・読む 記者 登録・変更

記事の出稿

情報提供

読者コメント

ランキング

メルマガ 登録・変更

お知らせ

HOME
会員ID :
パスワード:
会員登録・解除 お気に入り記事
11/28 2010
Tinyblogsimg_a20101128144248
 民間で働いたビジネスマンの実感としては常識であるが、それを民間で働いた経験がない学者の研究によって実証している。こういった「権威」は、改革の実行を後押しするためにプラス要素なので、どんどんこうした本が出されて売れたほうがよい。

置き換え効果=中高年労働者の雇用維持のために新卒採用が抑制されること。分かりずらい言葉だが、「市場原理のもとでは本来、採用されるべき若年労働者」が、「解雇されるべき中高年労働者」と置き換えられる、という意味。
 企業別データを用いた研究として太田(2002)を挙げておきたい。この研究では、愛知県下の企業に対する若年雇用に関するアンケート調査結果を用いている。そこでは、「貴社の現状として、中高年の雇用を維持するために若年新規採用を抑えていますか」という項目がある。(中略)回答企業の3分の1以上で中高年の雇用維持が若年新規採用の減少に結びついているとの認識を持っていた。しかも興味深いことに、企業規模が大きいほど「当てはまる」とする比率は高くなった。

 (中略)

 太田(2002)によって指摘された、労働組合がある企業で「置き換え効果」が強くなるという点は、野田(2002)によって裏付けられている。(中略)1991年から96年にかけて、新卒採用の抑制を実施した企業の特徴を回帰分析で調べたところ、労働組合の「上部団体加盟ダミー」がいくつかのケースでプラスの効果を持つことが分かった。


世代効果=学生が社会に出た時点の労働市場環境によって、世代別に現れる差。氷河期世代が辛酸をなめ続ける構造。

Tinyblogsimg_b20101128160610
メモ入りは14枚
 業績悪化→整理解雇四要件によって、中高年を中心とする余剰労働者を整理できない→置き換え効果によって、若年労働者が正社員として雇用されない、雇用されても給料が上がらない→世代効果がどんどん拡大。大企業や、労組の力が大きい企業ほど、その傾向が顕著。

 このように、既に問題の所在や構造は分かっているので、あとは解決策のアイデアと実行する政治家のリーダーシップの段階ということ。本書では、解決策については、

①人員削減をしやすくする(解雇要件の緩和)
②雇用保障の程度を少し緩めた正社員職を数多く作り出す(正社員の多様化)

を示している。ごく常識的であり、こうした方向性は普通の学者なら全員が合意するだろう。置き換えは健全でないし、世代間格差もよろしくないのは明白なのだから。

 以下は、私が「キャリアの教科書」で書いたものだが、「同一価値労働同一賃金」「均等待遇」へと、移行期間5年ほどを設けて、一気に移行すべき。去年の衆院選では民主党も一応、マニフェストに書いていたが、全くやるつもりはない。結局、最後は、政治のリーダーシップの問題だ。若者や日本の未来のために、連合利権を打ち破れるか、である。

 第三に、均等待遇の法制化。現状では、正社員と非正規社員の身分制度を、国が法律によって作り出している。正社員になれば無期限で、定年まで雇用が守られるのに対し、非正規社員は長くても数年の契約が終わると自由に切られてしまう。どちらも、雇用の安定性に対して同じ条件とすべきで、業績が悪化すれば、どちらも同じ条件で解雇されるし、同じ条件で失業給付や職業訓練を受けられるし、同じ年金制度に入れるようにすべきである。つまり、既存の正社員の解雇規制を緩和し、そのレベルに全労働者を一元化する。

 中小企業の社員は業績悪化で解雇されても割増し退職金などゼロが当たり前で、翌日からハローワーク通いとなる。いわゆる整理解雇の4要件を改め、中小企業の社員でも、大企業の社員でも、正規でも非正規でも、企業から等しく半年分程度の割増し退職金を貰えるよう権利として明記すべきだし、逆に企業側としても、人員過剰になったら半年分支払えば解雇できるよう、解雇の金銭的解決を法制化すべきである。

 国にそれを補助する財源はないから、企業自身が、払える体力があるうちに、自らの経営判断で、人員整理できるようにする。すると、従来型の正社員のイスが空くことで、あらゆる労働者が再チャレンジできるようになり、社会全体の人材の流動化が促進され、経済に活力が生まれる。正社員という概念をなくすことで、キャリア設計よりも正社員の椅子にしがみつくことを優先する人も、いなくなる。その前提として、国は同時に、失業時に再チャレンジしやすいような職業訓練+公的インターン支援、といったセーフティーネット整備も行わねばならない。


35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書
キャリアの教科書

 
16:55 11/28 2010 | 固定リンク | アクセス数(1059) | ブログトップへ | <<前へ | 次へ>> 

コメント
お名前
コメント (会員ログインして書き込んでください)
その他の情報 (スパム対策で消去されます)
@  23:33 12/01 2010
正社員であっても名ばかり正社員、名ばかり管理職のような立場で厳しい勤務についている方々もいるのを見ると「龍馬伝」で取り上げられていた、武士の社会における上士、下士のようだ。

日本は身分社会というのは第二次大戦後に無くなったと教育で習っている。しかし残念ながら新しい身分制度の中にいるだけと知るとどこかむなしい。

ハローワークに通う学生(新卒)のことが今日もNHKのニュースで取り上げられていた。息詰まりを感じずにはいられない。
ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
詳細プロフィール&連絡先

twiterフォロー
facebookフォロー

新着お知らせをメールで受け取る(『編集長ブログ』は一番下)

RSSフィードで読む場合
このブログツイッターMyNewsJapan記事全体(または特定カテゴリ)

はてブ人気entry

ツイッター人気entry

  ↓最新blog entry↓
〔以下、渡邉の単行本〕

↓最新MyNewsJapan記事リスト↓