ブラック企業をゼロコストで減らす方法
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TBSラジオ「渋谷和宏・ヒント」という番組のゲストでMyNewsJapanの話をしてきた。放送は8月31日(日)夜。記事については、キーエンス、楽天、NTT西日本の話を紹介した。
概要は以下の通りであるが、いわゆるブラック企業問題についての解決策を、もう少し具体的に書いておきたい。
―どういうメディア?生活者、消費者、有権者という個人の視点で現場の話を報道する。マスコミとは反対の、調査報道や内部告発に特化した、個人起点のジャーナリズムメディアである。
―記事内容は企業からみたらタブーですが、企業からのリアクションは?ユニクロが脅しの内容証明郵便を送ってきたくらい。あとは、匿名でヤクザっぽい奴が「削除して貰うことはできませんか」と電話してくるが、どの記事についてなのか、あなたは誰なのか、と聞くと、黙っちゃう。
―取材拒否の会社はどうやって?もとから企業の広報経由の取材はしない。取材は、SNSで情報提供者を募集したり、周辺の協力者に紹介してもらうことが多い。
―ブラック企業対策はどうすればよいのか?まずは上場企業だけでも、有価証券報告書に開示義務をつけることが重要。現在、年間平均賃金だけが開示されているが、その報酬に対して、どのくらいの労働強度なのかが全くわからない。平均残業時間、有休取得日数と消化率、3年後離職率、の3点は開示を義務付けるべきだ。これは労務部が持っているデータをウェブにアップするだけなのでコストもゼロで、国の予算も何も必要ない。法律を通せばよいだけ。これで劇的にブラック企業は減る。
―会社を選ぶポイントは?そういった労働環境にかかわる情報を、積極的に開示しているかどうか。自動車業界などは有休取得率などを、義務でもないのに、積極的に開示している。だいたいホンダが首位だ。ユニクロのように情報を隠しているということは、やましいことがあるということで、要注意である。
―今現在、ブラック企業に勤めている人の対応策は?とにかく証拠を保全すること。1日単位で労働時間を記録し、パワハラを受けているなら録音すること。辞める時に2年分くらいまとめてサービス残業代を取り返せば数百万円にはなる。はやめに弁護士に相談しておく。
■情報開示で劇的に変わる労働環境
国として、本気でブラック企業を減らしたいなら、社員10人以上の会社に、情報開示を義務付けるだけでよい。手始めに、上場会社だけでも有報に記載させればよい。
すべて実績ベースで、3年後離職率、平均年間休日数、平均有休消化率、休職者数、労災認定された人数と内容、在職中の死亡数(労災関係なし)、あたりが重要だ。
トンチンカンな民主党が経営者の報酬を開示させるようにしたが、そんなことよりも、国民・労働者にとっては、労働環境実績の開示のほうが、何百倍も重要だ。
女性の働きやすさも同様で、本気で推進したいのなら、まずは実態を開示させる。社員の女性比率、管理職クラス以上の女性比率、役員クラスの女性比率、男女別の平均年間賃金、産休取得者数と復帰率、育休取得者数、これら全てをガラス張りにさせて、有報に記載を義務付ける。
情報が開示されると、週刊誌がこぞってランキング表にして発表するので、下位にプレッシャーがかかり、自浄作用が働く。これは確実に起きるストーリーである。
もちろん、ブラック企業側、経営サイドは、こうした都合の悪い情報は、開示したくない。さらに、厚労省は、自分のところに予算がつかない、権限も行使できないこうした政策を、やりたがらない。お役所任せでは何も変わらない。政治のリーダーシップでやるしかない。予算はいらない。法案を通せばよいだけだ。
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今現在、ブラック企業に勤めている人の対応策は?⇒とにかく証拠を保全すること。1日単位で労働時間を記録し、パワハラを受けているなら録音すること。はやめに弁護士に相談しておく。
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MyNewsJapan 渡邉正裕 「職場を見極めるためのヒント」
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