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レベル3に入ったトヨタ

情報提供
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「闘わない労組」を有し、労使一体型経営で有名なトヨタ自動車で、「会社休業に関する労使協定」が締結された。その運用に疑問を呈する匿名の情報提供が社員からきた。

度重なる業績の下方修正によって、ついに2009年3月期の最終損益が赤字に転落する見通しが高まり、NEC(2万人減)や日立(7千人減&調整)などが発表したように、通常は正社員を含むリストラ必至のはずのメーカー。トヨタも事業環境としては同じである。

人件費最適化の順番としては、このようになる。

 :非正規の削減
 :正社員の基本給以外(残業代など)を削減
 :正社員の基本給を削減

:希望退職の募集(工場閉鎖などを伴うことが多い)

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既にトヨタは国内工場で働く4500人の期間従業員を全員解雇する方針を表明(レベル1)した。

レベル2も実施済みだ。「連2から常昼への勤務態様の変更、総残ゼロでも対応により該当する組合員の月当たりの収入は、大きく減額しており」(右記資料3枚目)というところである。ようは夜中に生産したり残業したりすることによる手当てがなくなった。

 あの過労死企業トヨタで、残業がない。しかも「常昼」つまり、夜間も連続で生産し続けないで昼だけラインを動かして働くという、人間らしい生活ぶり。今の環境ならば、 内野さんのような事件は起きなかったわけだ。しかも十分に給与は高いから、この状況が一番よろしい。

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ただ、今回の労使協定は、レベル3に踏み込んだもので、「会社休業日」を決めて、その日は、休業手当てとして、基準賃金の日割額または日給の80%を支給する、というもの。

つまり、減産で人手がいらないから、出勤してもやることがない。だから遊びに行っても家で寝てても、基準賃金が1日1万円なら8千円はあげますよ、という、切られた非正規社員にとっては羨ましい限りの条件である。(労基法は正社員を異常保護するので、60%以上払えと決めている)

さて、この「なんちゃってレイオフ」の次は、いよいよレベル4のホンモノレイオフ、クビ切りリストラである。他の電機メーカーは既にここに来ているわけなので、時間の問題と思われるが、トヨタの“三河の中の蛙”組合はKYなので、春闘の賃上げ交渉で、組合員平均4千円の実質的なベアを要求する方針を決めている。

確かに、内部留保12兆6千億円というダントツの手元流動性があり、GMなど競合が勝手にこけている以上、赤字転落してもなお、正社員の終身雇用だけは安泰だと信じたいのだろう。だが、組合は、執行部判断として下記のように述べている。

「雇用を守る」という大前提を改めて労使で確認したということでは、数字の高さ以上に意味のあるもの。

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組合としても、怖いのだ。まだレベル3の序の口で、基本給が食われるのは2月と3月で1日ずつと、大勢に影響はない。これが月に3日、4日となり、工場閉鎖になるまでには、まだ猶予がありそうだ。

だが世界的な景気が戻る気配はなく、販売台数の74%は海外だ(2009年3月期見通しで、全754万台のうち国内は201万台)。いまだ約60%を国内で生産しており、円高が続くと国内生産分を縮小すべきという判断に、当然なる。

世界的な景気がもう少し悪化し、円高がもう少し進んだまま1年経つと、来年の今頃には、「トヨタ、希望退職を募集」のニュースが流れているかもしれない。

 下記が、匿名の情報提供である

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