中国電力が山口県現職幹部ら15人に役員ポスト提供 上関原発建設に向けた工作か
中国電力の有価証券報告書に記載された山口県幹部の名前。「会社と役員との間の重要な取引」は「該当なし」。県幹部の役員就任は、上関原発の建設に向けた動きが活発化する時代と重なる。 |
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- 中国電力役員になった山口県幹部・県議15人
- 山口県は持株比率13・3%の筆頭株主
- 中国電力株を担保に資金借り入れ
- 月1~2回の会議出席で「月額10万なかった」
- 「県がちゃんと配当がもらえるように」が本当の狙い
中国電力役員になった山口県幹部・県議15人
中国電力の有価証券報告書によれば、同社の監査役や取締役に就いた山口県幹部と県議会議員は次のとおりである。
【山口県議会議員】① 二木謙吾 副議長=中国電力監査役(1957年5月~59年5月)
② 滝口純 議長=中国電力監査役(1959年5月~61年5月、64年5月~66年5月)
③ 田熊文助 議長=中国電力監査役(1961年5月~63年5月)
④吉井公人 議長=中国電力監査役(1963年5月~64年5月、66年5月~67年5月)
【山口県幹部】
① 橋本正之 県知事=中国電力取締役(1966年5月~70年5月)
② 岸本孝二 副知事=中国電力取締役(1970年5月~77年6月)
③ 三好啓治 公営企業管理者=中国電力取締役(1977年6月~83年6月)
④ 小田村泰祐 商工労働部長、退職後は参与=中国電力取締役(1983年6月~85年6月)
⑤ 藤本裕夫 農林部長、退職後は参与=中国電力取締役(1985年6月~86年6月)
⑥ 中村恒易 副知事、退職後は顧問=中国電力取締役(1986年6月~89年6月)
⑦ 深井淨 企画部長兼理事、退職後は参与=中国電力取締役(1989年6月~91年6月)
⑧ 安井達夫 企画部長、退職後は参与=中国電力取締役(1991年6月~93年6月)
⑨ 佐々木重行 商工労働部長、退職後に公営企業管理者、その後参与=中国電力取締役(1993年6月~95年6月)
⑩ 冨永和信 農林部長、退職後に公営企業管理者=中国電力取締役(1995年6月~96年6月)
⑪ 秋本博之 農林部長、退職後に財団法人山口県振興財団顧問=中国電力取締役(1996年6月~2001年6月)
県議4人、幹部11人の計15人にのぼる。1957年から66年ごろまでは、現職の県議会議員を監査役として採用し、66年以降はすべて県の幹部(現職、OB)が取締役になっている。元知事の橋本正之氏のように衆議院議員の経歴を持つ人物もいる。
中国電力株4950万株(持株比率13・3%)を保有・運営する山口県振興財団のホームページ。中国電力から毎年約25億円の配当金が入っている。理事長は元副知事の西村亘氏(山口県HPより)。 |
山口県は持株比率13・3%の筆頭株主
リストにあげた県の幹部11人のうち、現職のまま兼務していた者は6人。肩書きは「知事」「副知事」「公営企業管理者」で、いずれも特別職だ。特別職は一般職と異なって兼業が認められている。
一方、残り5人は一般職の部長級幹部OBで、退職後に県の「参与」や財団法人の「顧問」などの職についている。当然のことではあるが、11人すべてが兼業禁止に触れない格好で、中国電力の役員に就任している。
山口県の幹部やOBが、なぜ民間企業である中国電力の役員になるのか。背景事情として思い当たったのが、株をめぐる県と中国電力の関係だ。
電力会社の株を自治体が持つことは珍しくない。東京都は東電の株を持っているし、福島県や宮城県、青森県は東北電力の株を保有している。そして、株主の自治体から電力会社への「天下り」もよくある話だ。「東電への天下り1位は東京都幹部の計9人 都民資産600億円減でも『天下りは社会に有意義』」や「東北電力役員ポストで甘い汁を吸った自民県議77人 月1会議だけで年200万円超」でも紹介したとおりである。
山口県と中国電力の間にも、株をめぐってこうした関係があるのかもしれない。そう考えた筆者は、有価証券報告書の株主欄を調べた。結果は予想どおり。たとえば1970年ごろのものに、こんな記載があった。
1 財団法人山口県振興財団 17・84%
2 日本生命 6・54
3 第一生命 5・49
4 日本興業銀行 2・47
5 日本長期信用銀行 2・21
6 中国電力株式投資会 1・95
7 住友信託銀行 1・65
8 広島銀行 1・10
9 朝日生命 0・99
10 全国共済農業協同組合連合会 0・87
【大株主と持株比率】
筆頭株主は「山口県振興財団」という財団法人だった。山口県の外郭団体であることは一見してわかる。事実上、山口県が中国電力の大株主であることは容易に想像がついた。
ただ、筆頭株主は山口県ではなく、「振興財団」となっている。いったいどんな組織なのか。
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今年6月に社長就任した苅田知英氏は、「上関原子力立地プロジェクト長」だ。計画中止を求める世論の高まりをよそに、建設に向けた意欲にいささかの揺らぎもない(中国電力パンフレットより)。
中国電力取締役を務めた山口県幹部のひとり、冨永和信氏。報酬は10万もなかったという(山口大学同窓会のHPより)。
中国電力が計画している上関原発の予定地周辺の様子。自然豊かな瀬戸内海の真ん中に作ろうとしている。潮流は複雑で海上交通の難所でもある。陸上交通の便も悪い。平地も少なく、飲み水も貴重だ。ひとたび事故がおきれば周辺住民は身動きがとれない(中国電力パンフレットより)。
山口県幹部が中国電力の取締役になっていた1966(昭和41)~2001(平成13)年と言う時期は、上関原発をめぐるさまざまな動きがあったころと重なる。70年代には豊北原発(下関市)が持ち上がり、強い反対運動でつぶれたという経緯もある(中国電力パンフレットより)。
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腹立って心理のバランスが崩れるので最近はこの手のは見ないようにしてるけど、もうひどすぎるやろ。あ〜、また不愉快になった。
当然の如くあった日本の利権構造がここにもあった。
腐ってやがる
田舎ならではって感じ。
こういうのをふくめたら、原発のコストって・・・。
三宅勝久さんの記事
→有価証券報告書から
山口県から、現職を含む県幹部や県議会議員15人を「個人的に」役員として採用し、年一〇〇万円前後の報酬を支払っていた
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読者コメント
財団が廃止になるにあたって、負債はどのように処理されるのでしょうか?県民税で補填して、ハイお仕舞いでは困りますね。中電株を担保にしているのなら、それで弁済ですかね?
中国電力株を担保に借り入れをしているのだと思います。
中国電力の筆頭株主の山口県振興財団は年度末に廃止。しかも150億円の負債を抱えたまま。中国電力の配当を受け取るだけの財団に何故負債があるの?
具体的な氏名が明らかにされていて、驚いた。ほかも、全部そうなんだろう?たぶん。北電から沖電まで。天下りに天上りと、てっぺんはぎっしり満員御礼だ。かなわんわい!
お金は必要だけど、自分たちの電気代が、こう流れてるのは許せない、脱中国電力(怒り)
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