「天家」島原社長の改革私案「築地はディズニーランドになれ」
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島原慶将(やすゆき)。1973年高知県生れ、日大理工学部海洋建築工学科卒業。2004年、上海で創業。マグロレストラン「天家」を2011年秋現在、7店舗展開中。 |
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- 築地の旧来の機能は不要になってきた
- セリを1日3回やる
- 中国人は「まるごと一本買って帰りたい」と言う
- 空港が「築地」袋を下げた客だらけに
- 裏メニューを頼んでみた
築地の旧来の機能は不要になってきた
うちはイクラやボタンえびは築地から買っています。築地に行くと、がくぜんとしますよ。大きな男がたくさんいて、「赤字だ、赤字だ」と。もっと営業をしっかりやれば伸びるのに。
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築地場内市場(2年前)![]() |
80年代は、たとえばセリを朝6時からやったら、8時でも終わらなかった。それが今では、18本くらいしか並んでないんです。大卸と仲卸で出来レースのセリをやっていて、6時に鐘を振って、6時5分にはもう終わってる。子供のころ出入りしてた当時は、3千本くらいはありました。今では、観光客が見る暇もなくなってきてる。
なんでセリが減っているのかというと、昨今では、セリを通さずに、仲卸がまるごと一船買いをしちゃう。さらには、スーパーや回転寿司とかの大手小売業者も、大卸と仲卸を飛ばして、船主から直接、一船買いをしちゃう。
最近は、船主が詳細なデータを出すんです。冷凍した瞬間に、ABCDでレベル分けしてる。だから、セリ場に出なくても品質がそこそこ分かって、セリを通す必要がなくなってきてる。
僕の親父が船に乗ってた頃は、1船あたり7億円とか9億円でしたが、今は3億円とかです。もう、現金で買えちゃう。だから築地では、カネを持ってるスーパーや回転寿司のバイヤーが、肩を切って歩いてる。
昔は内蔵を抜いたり血抜きしたり、といった船上の加工が不十分でしたが、最近では中国漁船が日本製の設備が整った船を買ってるので、加工の状態がいい。そうなると、わざわざ築地から買う必要すら、なくなってきています。中国の漁船から、中国で買えばいい。
それなのに、大卸は危機感が足りなくて、漁船から仕入れたマグロに5%を乗っけて仲卸に売りさばく商売を、昔からやっている。この5%は、東京都のルールで決まっているだけですが。
セリを1日3回やる
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「セリを1日3回やるべき。たとえば6時と9時と12時にね」![]() |
築地の場内は、閉鎖的なんです。もっと開放して、観光地として生き残りを図るしかない。セリも、もっと外の人に見せるべき。ショー的な要素だけにするんです。場内も、フードコートみたいにして、レストランを入れてね。「仲店の○○の権利取得」とかさせて。
もう、ディズニーランドみたいにするんです。僕は大卸の人たちに、「セリを1日3回やるべきだ」と提言している。たとえば6時と9時と12時に。ショーとして、より多くの人に見せるために、です。中国人はバカみたいに買うんだから。
「観光客が邪魔だ」とか言ってないでね。むしろ、観光客も、セリに参加できるようにするんです。それしか、築地が生き残る方法はないと思っています
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もっとも繁盛している新天地店の店内は地中海風
ズワイガニシャブとうどんのセット(118元)
裏メニューの天然マグロ
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