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日本でも虚偽広告だった!「履くだけでシェイプアップ」トーニングシューズの嘘 日本は「インチキした者勝ち」

情報提供
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2010年12月10日の読売新聞の一面広告。思いっきり効果を宣伝しているが、データは統計処理すらされておらず、論文にもなっていない。つまり科学的証拠はない。
 米国で虚偽広告とされメーカーに罰金が科せられ消費者には返金がされたスケッチャーズ社の『シェイプアップス』。日本の販売元であるアキレス社に尋ねると、「日本の広告はしっかりした証拠があるので返金はしない」と言う。だがその証拠の開示を求めると、「一般顧客には見せられない」。2週間余りの交渉の末、最終的に出てきた資料は、科学研究に不可欠な統計処理が欠如しており、効果アリの証拠とは到底認められないお粗末なものだった(末尾よりPDFダウンロード可)。日本でも虚偽広告であることは疑いないが、消費者庁が動かないため、日本では「インチキした者勝ち」。そこで読者の皆様に、ぜひこの記事をtwitterやfacebook等で広く知らせていただき、この国の消費者軽視ぶりや消費者庁の存在意義を問題提起してほしい。
Digest
  • 「太もも18%、おしり24%、ふくらはぎ23%…」は本当か
  • 販売会社「証拠はあるがお客様にはお見せできない」
  • 消えたホームページ広告
  • ようやく出てきた証拠は信頼性が低すぎる<
  • 健康用品版トクホがあったら即刻却下レベル 
  • 効果の真偽の判定に不可欠な統計的検定がされていない
  • 速く歩くほど効果はなくなる? 
  • 日本でも虚偽広告だが消費者庁の対応は?

「太もも18%、おしり24%、ふくらはぎ23%…」は本当か

新聞広告で、体の各部位の筋肉の活動量がアップすると大々的に宣伝されていた、アキレス社販売のトーニングシューズ『シェイプアップス』(メーカーはスケッチャーズ)。

これが事実に基づいているならば問題ないのだが、科学的根拠が十分に示されないとすればアメリカ同様、日本でも虚偽広告となる。実はアメリカで問題とされたスケッチャーズ社の広告の一覧の中に、この日本の宣伝と同じ内容が入っていた。

日本での販売元となっているアキレス社のお客様相談室に問い合わせた。

相談する前にはキチンと池袋のABCマートでシェイプアップスを購入した。その後3週間毎日履き続けたが、著者に関しては体重や体脂肪の変化は、今のところ全くない。

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著者が購入したシェイプアップス。3週間毎日履いたが体重・体脂肪には変化がない。

感触は、下にクッションが入っているのでフワフワした感じ。最初の数日は足のつちふまずと逆の方が痛かったり、ふくらはぎが少し張る感覚があったが、1週間もしないうちに慣れて、何も感じなくなった。

6月18日に電話をして対応してくれたのは、室長の堀渕茂さんだ。

――スケッチャーズ社のシェイプアップスを履いているものですが、アメリカでは虚偽広告ということで罰金を科せられ、購入者には返金に応じるということになっているようですが…

「ええ、アメリでは根拠のないデータをコマーシャルで大々的に宣伝したということで政府から指摘があり、かなりの額の罰金を支払うことになったようです。日本で宣伝しているデータは、すべて順天堂大学でしっかり検査をしてもらったものを開示していますので、アメリカと日本では性格が異なります。私どもの方へも何人かの方からお問いあわせがありましたが、特に日本では返金とかの対応はしておりませんで、継続してご愛用していただきたい、とお客様にはお願いしているところなんですけれども…」

販売会社「証拠はあるがお客様にはお見せできない」

――なるほど、違いがあるということは分かりましたが、ではその日本の宣伝で使われている筋肉の活動量が増えるというデータについて、もっと詳しい情報をいただくことはできますか?何人を対象にして、どのような試験を行ったのか、などがわかるものが欲しいんですけど。

「相談はしてみますが、そこまでのデータをですね、一般の方に開示することは難しいと思うんですけれども」

――でも、日本ではきちんと調査されているというならば、開示してもらわないと。こういうことは、やはり情報開示が一番大事だと思うんですよ。

「ええ、なるほどですね。そうしましたら、少し関係者と検討しましてご返事しますので、もう少しお待ちください」

その翌日、19日に返事がきた。

消えたホームページ広告

堀斑さん「一点確認させていただきたいんですが、植田さまの方ではシェイプアップスの効能については、何をご覧になっているのでしょうか?」

――えっと、御社のホームページを見ていましたが。昨日言った筋肉活動率が何%上がるというデータや、順天堂大学の先生の動画とかも出てくるページです。

「そうですか。じつは昨年リーボック社についてもアメリカで同じような(虚偽広告の)指摘がありまして、業界的に具体的にパーセントなどの数値を開示するのは控えよう、という流れがありましてですね。現在アキレスのスケッチャーズのHPでは、軽量化とか耐久性アップという『文言』の表示をさせていただいているのですが」

(と言いながら電話をしていた6月19日の段階では、まだ数値を掲載したホームページは残っていた。その内容の一部が下の図だ)

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消されてしまったシェイプアップスの宣伝HPの一部
「実を申しますと、

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健康情報の信頼性評価のためのフローチャート。今回の資料が下から2番目どまり

学会発表資料の中のシェイプアップスで歩行した場合の筋活動量アップの表。有意差検定していないのが致命的

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gulugulu2013/01/21 14:23

『アキレス社「日本の広告はしっかりした証拠があるので返金はしない」「一般顧客には見せられない」→交渉の末出てきた資料「統計処理が欠如」』

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uirow0932012/07/20 22:07

具体的にどうなるのか立証出来ないものは妄信するなとあれほど...。騙されても楽しかったとか言う人ばかりなら全然オッケーなんだけどね。マイナスイオンとかも大概ににせえと。(孫さん風に)

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