ノロウイルス、「ヒト経由感染」流行後の生ガキに要注意 年明けは広島県産がリスク大
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スーパーのカキ売場。都内では広島県産、宮城県産、兵庫県産が主な産地だ。 |
- Digest
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- ノロウイルス感染の3つの経路
- なぜカキにノロウイルスが溜まるのか?
- 人での集団感染からひと月遅れでカキの汚染増加
- 2008年以降再び増加中の生ガキ食中毒
- 生食用カキと加熱用カキの違いは?
- 生食用カキの規格基準にはノロウイルスの規格はない
- 産地チェックを潜り抜け市販生ガキの7割が汚染という調査も
- 産地の違いで安全性に差はあるか?
ノロウイルス感染の3つの経路
ノロウイルスの感染経路は大きく分けて3つある。1つ目は、患者の嘔吐物や糞便を介して人から人への直接感染するケースだ。
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ノロウイルス感染のサイクル。鳥取県健康政策課のHPより。![]() |
おむつの処理が必要な高齢者施設や保育園、病院などで集団発生している。通常ノロウイルスによる感染胃腸炎で死亡することはないが、高齢者の場合、嘔吐したものがのどに詰まっての窒息死や肺に入り肺炎を起こして死亡するケースがあるので要注意だ、
2つ目がレストランや弁当屋で発生する集団食中毒。食品取扱者が感染し、トイレを使用した後の手洗いが不十分なため、食品にノロウイルスが付着して汚染するというルートだ。
本人の症状がよくなった後でも、1~2週間、長い場合には1か月も糞便にはウイルスが検出され続ける。調理者一人の感染が原因で、大量の被害者が出ることになる。
3つ目のルートが、生食用牡蠣(カキ)によるものだ。
なぜカキにノロウイルスが溜まるのか?
これも、元をたどればヒトの糞便が原因で、糞便に含まれる大量のノロウイルスが下水から海に流出する。海の中で濃度は薄まるのだがカキは、餌であるプランクトン摂取するため1日10~20リットルの海水を取り込んで濾しとっている。
その時、ノロウイルスも体内にため込んでしまうのだ。ノロウイルスをため込むのはカキだけでなくホタテなど二枚貝に共通するのだが、生食するのはカキだけということで食中毒の原因となる。
人での集団感染からひと月遅れでカキの汚染増加
また人での集団感染のピークから、ひと月遅れて養殖カキのピークが来るという点も要注意だ。
人から人への直接的感染ではなく、ノロウイルスがいったん海に入りカキに濾しとられ濃縮するという過程の時間差が、1か月程度なのだ。
食品安全委員会の2006~2008年の研究の報告書の中で(P2)でも、「カキは出荷シーズン当初(10,11月)から高濃度に汚染されているのではなく、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の増加に伴い、1,2月にカキの汚染率と汚染量が高くなるに伴い、カキを介する食中毒事件が多発していた」と解析されている。
ヒトでの集団感染症事件はニュースで大きく取り上げられる。生食用カキの食中毒のピークはそのひと月後にひそかにやってくるわけだ。
2008年以降再び増加中の生ガキ食中毒
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2002年~2011年の原因食品別ノロウイルス食中毒事件数![]() |
生ガキのノロウイルス食中毒は減少してきている、という指摘がある。厚生労働省の食中毒統計の原因食品別のノロウイルスの食中毒事件数の2002年から11年の変化を見たのが右の表だ。
件数から見ると2002年から2006年にかけては減少してきている。しかし、2008年以降は再び増加傾向にあり、厚生労働省も生食用カキのノロウイルス食中毒発生防止に努めるように通知を出している。)
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上記の表から2010年~2011年シーズンの原因食品別の事件数をグラフ化![]() |
その中で、2010~11年シーズンの割合をグラフにしたのが左のグラフだ。
発生件数のデータでみるかぎりノロウイルスの食中毒に占める生ガキの割合は15%と、単独食品としては相変わらずナンバー1である。
また原因不明が約半数を占めており、
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仙台市の2011年度の市販生食用カキの調査結果。1~2月で検出率が高くなっている。
東京都の2008年と2009年の市販カキ調査結果。
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読者コメント
どこ産だろうと生牡蠣は食あたりのリスクはあるでしょう。生産量の違いもあるだろうし。
名指しにされて広島の業者風評被害に合わなきゃいいですけどね。
火を必ず通さないといけないね。レバーにせよユッケにせよナマモノは危険だと思わないと。
ホタテも寿司屋では生食なので怖いですね。
その手で他のものを握られると・・・
暫くは避けた方が無難かもです。
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