トヨタ 円高時は下請けに「円高協力金」1.5%、円安&黒字化でも「円安還元金」はゼロ
第34回トヨタ総行動 決起集会 |
- Digest
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- 円高協力金の名目で1・5%下請単価下げ
- 下請単価切り下げ中止の報道は本当か
- トヨタ賃金ピラミッドと御用組合
- 階層社会のトップ・トヨタ自動車に直接要求
- 独り占めの利益蓄積14兆円を還元せよ
円高協力金の名目で1・5%下請単価下げ
下請や従業員に犠牲を強いるトヨタ方式に抗議するため、労組関係者が実行委員会をつくって毎年2月11日に実施しているのが、「トヨタ総行動」である。現在進行中の春闘の、プレイベント的な側面がある。
ときおり雪がちらつく中、今年も朝7時30分から「総行動」は始まった。豊田市のトヨタ本社前、三河豊田駅、豊田市駅、刈谷駅、の5か所で同時にビラまきと街頭での呼びかけ。名古屋本社前では10時から集会行われた。
総行動のメインは、豊田市山之手公園で午後1時から行われた決起集会とトヨタ本社までのデモ行進だった。
集会場に到着すると、様々な労働組合関係の旗がひしめいており、東京や三重、北陸からも参加していることがわかる。かつては愛知県のローカルなイベントだったトヨタ総行動は、いま全国集会になっている。
多数の団体が集まって実行委員会を結成しており、トヨタグループ内で初めて御用組合に対抗して創立されたATU(全トユニオン=全トヨタ労働組合)の若月忠夫委員長、下請孫請けひ孫請けの労働問題に取りくんできた名古屋ふれあいユニオンの酒井徹前委員長の姿も見える。
今年の注目点は、第一に急激な円安によってどう変わっているか。第二に、トヨタが下請単価の切り下げを撤回した、と12月29日付で朝日新聞が報じた影響はどうか、である。
全体の状況を知るため、愛労連(愛知県労働組合総連合)議長で実行委員会委員長の榑松佐一氏に聞いた。
参加者用に用意されたしおり。トヨタ総行動は、春闘の幕開けとして定着している。 |
「円高が続いていたころに“円高協力金”なるものがありました。これは、円高で輸出するのは非常に厳しいので納入単価を下げてくれという“依頼”です。ある下請の社長に聞いたところ、単価を1・5%切り下げてくれ、というトヨタ自動車からの依頼が重ねてありましたが、これは、断れないといいます。
半年に一度、春と秋に契約を結ぶ際に、単価を切り下げられていたのに加えて、さらに1・5%切り下げ(つまり年に3回)られたのです。このように、度重なる下請単価切り下げこそが、円高協力金の実態です。
円高のときには下請に円高協力金を要請したのなら、円安になったらその利益を還元するのが筋だと思いますが、今のところ“円安還元”はありません」
困ったときは他人にカネを提供させ、儲かったときは独り占めということだ。「円高協力金」が、まるで上納金
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厚生労働省や経済産業省のデータから労働総研が試算したもの(2012年12月)
集会決議
トヨタ本社へ向けデモが出発。東京や石川、三重、静岡など各地から約1000人が参加した。
トヨタ本社
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読者コメント
このような労働者、下請けなどの視点からのニュースがいかに少ないかを痛感。日経ビジネスなどのトヨタ関連のヨイショ記事を見る度に怒りを覚える。こういった事実を知った上でトヨタ自動車の良い点を冷静に知るにはいいが・・・
トヨタの金の汚さと、人を使い捨てにする体質は、今に始まった事ではない。
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