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モンゴルで働く-2 ウランバートルの生活実感、日本人としてのビジネスチャンス

情報提供
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チンギスハーン空港からウランバートル市内に向かう途中に、相撲を取っている工事作業員を発見する。相撲を取る、というのがいかにもモンゴルらしい。
 5月末より、ウランバートルでの生活が始まった。大変不便な国という印象もあったが、住んでみると意外にそうでもない。しかし、停電は起きる、温水シャワーが1カ月間も止まる、トイレは紙を流せない…など、日本ではまず出会わない事態には面食らい、インフラや裏方系における日本製品の圧倒的な高品質さを思い知った。「まずはモンゴルに慣れて」(社長)ということで一か月ほど街を見ると、日本のブランドではないのに日本語で書かれた製品をよく目にし、モンゴル人の日本贔屓を実感。だが市場は中国・韓国製品だらけだ。日本人の目線でモンゴルにビジネスチャンスがある分野を見出して欲しい――そんな社長からのミッションのもと、ウランバートル市内を歩き回って素直に感じ取ったことを記述する。
Digest
  • 「日本人とわかると狙われるから気を付けて」
  • 英語と日本語が全く通じないモンゴル語のホームステイ生活
  • 不安定なインフラ事情「お湯は一か月ほど出ません」
  • 「なんで結婚しないのですか?」
  • 「誰が買うの?」と思わされる高額な日本製品

「日本人とわかると狙われるから気を付けて」

成田空港からMIAT(モンゴルの国営航空会社)に搭乗して、およそ5時間でチンギスハーン空港に到着した。途中のフライトで雄大な山や草原、砂漠地帯が眼前に広がっているのを見て、心が震えるものがあった。本当に、日本のサラリーマンを辞めてモンゴルに来たのだな、と感じた。

到着した空港の様子であるが、政府系の建物であるため撮影が禁止されており、なんと写真をお見せできない。一つ言えることは、日本の富山空港のような地方空港よりも小さく、下手するとタイの地方空港(チェンライ空港)と同じぐらいの規模ではないか、と感じられた。

これが国際空港なのか――という衝撃はあったものの、空港の隣に大草原が広がっているのが、いかにもモンゴルらしい、と思った。2013年現在のMIATの国際便は、北京、ベルリン、モスクワ、東京、ソウル、ホンコン、の6都市だけだ。

今は小さい空港1つだが、別の新空港が計画されており、三菱商事と千代田化工のジョイントベンチャーで建設が進められており、2016年には開港を予定する。500億円規模の大プロジェクトで、今後、航空便のキャパシティは増えていく。

小さな空港なので、入国審査やバゲッジクレームもすぐに済んだ。免税店も非常に小さく、日本人が入国審査を済ませるのを見ると、すぐ店を閉めた。程なくして空港の入り口に出ると、待ち合わせに知らないモンゴル人が20名程集まっており、怪しいタクシーの運転手の勧誘に遭って不安になったが、会社の社長であるLkhamaaさんの顔を見つけて、安心した。早速、迎えに来てくれた大型レクサスに乗り込む。なお、モンゴルでは道路が凸凹しており、ランドクルーザーなどの頑丈な車が好まれている。

Lkhamaaさんとは日本語で会話することは問題ない。「モンゴルは大変な国だよ、日本と全然違うよ」と談笑しながら、モンゴルについて以下のような内容について話した。

・ホコリがすごい。ボロボロのヒュンダイ、ダイウ製のバス、ソ連製の作業車が黒い排気ガスを遠慮なく吐き出す。ホコリまみれの空気は、冬になるとさらにひどくなる。その理由は、マイナス20度が平均気温となる過酷な環境の中で、郊外のゲルに住む人々が石炭ストーブを炊くからであるとのことである。

・交通のマナーは非常に悪い。筆者はタイの交通マナーや渋滞のひどさを知っているが、それ以上であった。ウィンカーをつけない急な割り込みが車の接触ギリギリで行われ、絶対事故が起きるなという場面だらけである。歩行者も、横断歩道を渡らずに、信号も守らない。無理な渡り方をして車に轢かれて亡くなる歩行者もいるとのことであった。

・雨が降ると信号機がストップするなど、インフラの粗雑がある。ウランバートル市内に向かう途中に信号機がストップし、警察官が手信号で交通整理を行っていた。

・途中、相撲をしている道路工事作業員がいた。仕事の合間に相撲をするというのが、いかもモンゴルらしいな、と思った。Lkhamaaさんは、「彼らはまともに働かない、だから相撲をする」と冗談なのかよくわからないコメントをする。

・強調されたのが、「日本人とわかると、お金を持っていると思われて、襲われることがあるから気を付けてくださいね」であった。これは、どのモンゴル人にも言われたことである。


アドバイスとしては、バッグは横に肩にかけるように持つこと、外出時は大量のお金を持ち歩かないこと、パスポートやクレジットカードなどは必要な時だけ持つこと、日が暮れるまでには家に必ず帰ってくること、などだ。

夜になると治安が悪くなり、外国人、特に日本人はターゲットにされやすくなり、パブやカラオケなどの盛り場には

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モンゴル風肉まんとモンゴルミルクティーをいただく。基本的に、家庭でも外食でも肉は羊肉である。羊肉は臭みが気になるが、すぐに慣れた。モンゴルミルクティーはミルクティーというよりも、味の濃い牛乳を少ししょっぱく味付けしたもの。モンゴル人にとって、「みそ汁」のような飲みのもである。

会社が鉄道沿いにあるため、毎日貨物列車が通るのを見るが、莫大な量の石炭が毎日のように運ばれてくる。世界最大級の埋蔵量を有するタバン・トルゴイ炭田があり、これらの石炭が火力発電所に届けられている。

ИхМонголХороолол(イヒ・モンゴル・ホロローン)という新興のマンション群。従来のゲル生活から、マンションの核家族化が進んでているとのこと。こういう新しいマンションに住むのは若い層が多いとのことである。このようなマンションの建設が至る所で進められており、予約も殺到しているとのこと。ウランバートル住民の7割はまだゲル生活をしているらしく、マンション市場はしばらくは伸びていくと言われている。

モンゴル地元ブランドのシャンプーであるが、日本語で「ランディ」と書かれている。日本ブランドでないものの、日本語で書かれている製品をよく目にした。ジャパンプレミアムに便乗して、ブランド力を高めようとする売り方なのだろうか。

携帯電話会社のMobicomのショールーム。日本でいう、ドコモショップのようなところ。きれいな内装で、日本の携帯ショップと雰囲気は変わらない。売れ筋の携帯端末は、ショーケースの雰囲気からするとSamsung、Sony、Nokia、HTC、Blackberry、の順であるように思えた。やはり、Samsungの存在感は強い。

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