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私立若松一高の“モンスター校長”が女性教員にパワハラ 自宅に押しかけ退職強要、尾行、盗撮…750万円で原告勝訴級の和解

情報提供
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学校法人石山学園が運営する若松第一高校で理事長兼校長を務める石山裕司氏(現60代前半、同校HPより)
 「八重の桜」でも有名な会津若松城下にある私立若松一高で教員を務める神田和香氏(仮名・30代前半)は2010年、理事長兼校長の石山裕司氏(実名・現60代前半)からパワハラを受け、「全般性不安障害」という病気で自宅療養が必要と診断され、療養に入った。すると校長は神田氏の自宅まで押し掛け、玄関のチャイムを100回以上鳴らし、ドアをドンドン!と建物がミシミシいうほど強く叩き続け、ドアノブもガチャガチャ回して、「バカ共産党!」などと叫び、退職を迫った。11年3月11日には、生徒を使って神田氏を盗撮。同年8月には神田氏の車を執ように尾行した。神田氏は12年6月、学校法人と石山氏を相手取り、1190万円の支払いを求め提訴。今年5月、校長の教え子が内幕を暴露する陳述書を出し、原告の主張が裏付けられた途端に和解協議に入り、同6月、解決金750万円で原告勝訴級の和解が成立した。教育現場で起きた異様なアカハラ・ストーキング事件の全貌をお伝えする。
Digest
  • 「30年以上前に組合に散々いじめられてきた!!」と逆恨み
  • 「さっさと辞表を書きあがれ!オレはチンピラか!!!」
  • 借金取りのように自宅に押し掛け退職強要
  • 3.11に生徒を使って盗撮、校長が車で尾行
  • 慰謝料、未払い給与等1190万円求め提訴
  • 校長の教え子の教員が内幕を法廷で暴露
  • 「オレと生徒のどっちが大事なんだ!!」校長
  • 解決金750万円で和解、「回答することは特にない」校長

「30年以上前に組合に散々いじめられてきた!!」と逆恨み

訴状や準備書面、陳述書などによると、原告の神田和香氏(仮名、30代前半)は、03年3月に福島県内の大学を卒業後、学校法人石山学園が運営する私立の若松第一高等学校(以下、若松一高)の家庭科の教師として採用された。部活はテニス部の顧問を担当。同校では当時、最初の一年間は有期雇用で、その後、無期雇用の教員となる。神田氏は一年後の04年4月、無事に専任教員となり、同時に若松一高教職員組合に加入した。

順調に月日を送っていたが、06年4月、職場環境に変化が訪れた。理事長兼校長をしていた武広和夫氏が同年3月に体調悪化で退任し、教員兼理事で武広氏の甥に当たる、石山裕司氏(当時50代半ば、現60代前半)が、新たに校長兼理事長に就任したのだ。

石山校長は、新任早々、採用から一年後に専任教員になるという、これまでの習わしを一変させ、有期雇用期間を3年間に変更した。そして、その3年間が経たぬ間に、雇い止めで講師のクビを斬っていった。「今から30分以内に退職届けを出さなければ懲戒解雇にする!」と迫ったこともあったという。

その被害は、神田氏にも及んだ。10年に入り、校長によるパワハラが始まったのだ。

きっかけは10年4月1日(木)の職員会議の席でのこと。校長が突然、「進学コースは毎日、7時間授業にする」と言った。これまで進学コースは、週のうち2日間だけが7時間授業だったので、神田氏は、「突然の変更は、保護者や生徒たちの理解を得られるかわかりません」と意見した。校長は、不愉快そうに聞いていたという。

翌4月2日(金)、生徒の賞状などが飾っているショールームの前で、校長が神田氏を呼びとめて、こう言った。

「テニス部のトロフィーをいつまで真ん中に飾っているんだ?」

ショールームの真ん中には、前年のテニス部の地区大会優勝のトロフィーが飾ってあった。テニス部員たちが頑張ってきたのを支えてきた神田氏は、部員たちが侮辱されたと感じ、「そういう言い方はないんじゃないですか?」と反論した。

すると校長は、「ソーラーカーは、ワールド大会なんだ!世界なんだ!全然違うんだ!!」と怒りをあらわにした。

石山校長が指導に力を入れている自動車部は、太陽光エネルギーを使ったレースの全国大会「ワールド・ソーラーカー・ラリー」で高校や大学、社会人を相手に6年連続優勝していた。(その後、10年度にも優勝し、7連勝)

3日後、校長は神田氏に対し、突然、こう宣告した。

「テニス部が部室として利用してきた部屋を、喫煙所として利用する」

その後、神田氏は、卓球部の教員に頼み込み、空いているスペースをテニス部に使わせてもらうことになった。

それから3週間後の4月29日(木)、PTA総会があった。神田氏はその日、テニス部の練習試合で校外に出ていたので、総会の様子を同僚から聞いた。それによると、テニス部の保護者数人が、校長に向かって、「なぜ、部室を潰してまで、喫煙所をつくる必要があるのか?」「校内禁煙が当たり前になっている時代に、わざわざ喫煙所をつくる必要があるのか?」と相次いで批判していたという。

それから1週間後の5月6日(木)の放課後、神田氏は、校長に呼ばれて校長室に入った。以下、その時のやり取りである。

校長「何で呼ばれたか分かる?」

神田「分かりません」

校長「あなた、組合だからって、私と対等の立場だと思っているんでしょ?」

神田「そんなふうには思っていません」

校長「組合だからって偉いんでしょ?」

その後、校長はPTA総会の話を持ち出して、こう切り出した。

校長「テニス部の保護者に、喫煙所の件を言うように促したんでしょう!?」

神田氏は否定したが、校長は「あなたが言わなきゃ、そこまで保護者も言わないでしょう!?あなたが言ったからでしょう!!」と怒声を浴びせ、さらにこう言った。

「本当はあなたなんて、必要ない

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若松一高校舎(〒965-0031福島県会津若松市相生町3-2、同校HPより)。下は校舎から徒歩15分ほどの距離にある会津若松城

自動車部はワールド・ソーラーカー・ラリーで7連覇していた。(同校HP内のフリーペーパー「若松第一イズムvol.3」より)

福島地裁会津若松支部(〒965-8540福島県会津若松市追手町6-6)

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ksaitou2013/08/29 14:59

せめてもの救いは性的な嫌がらせとか男女間の恋愛感情とかが全くないっていうことかな。(無茶苦茶なことだとは承知)

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