靖国参拝のタクシー代に、休眠HPの管理費34万円――血税「政務調査費」にたかる自民・公明杉並区議のモラル崩壊
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靖国神社「参拝」のタクシー代3220円を政務調査費で支出した吉田あい杉並区議(自民)。「終戦の日、歴史教育視察」と説明するが、参拝目的だったことを自らブログで明らかにしている。 |
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- 靖国参拝の経費を政務調査費で払う非常識
- 「歴史教育視察」か日常的な参拝か
- 靖国参拝の経費を黙認した天下り監査委員
- ミズーリ号でポツダム宣言受諾?
- 公明党議員のデタラメ支出
靖国参拝の経費を政務調査費で払う非常識
「政務調査費で靖国参拝」という前代未聞の支出を行ったのは自民党区議の吉田あい氏である。2012年8月15日に新宿ー靖国神社をタクシーで往復した経費3220円(1700円+1520円)を区民の血税たる政務調査費で払った。
政務調査費は議員活動に対する補助金で、その使途は「政務調査に資する経費」に限定されている。選挙や政党活動、後援会活動に使うことはできない。参拝という宗教活動への支出など論外で、すくなくとも杉並区では前例がない。杉並史上初の珍支出なのだ。
もっとも吉田区議もまずいことはわかっているのか、表向き「参拝」とは言っていない。同区議が議長に提出した2012年度分の政務調査費収支報告書や出納簿、領収書に記載された使途目的はこうだ。
〈調査研究費 「終戦の日、歴史教育視察」〉
あくまで歴史教育視察のために靖国神社を訪ねたということらしい。だが、役所に対する説明がどうであれ、「参拝」した事実は彼女自身が告白している。
〈私もきょうは、心静かに靖国神社に参拝して参ります〉
2012年8月15日の記事にはっきりとそう書いている。もちろん「参ります」と未来形なので、厳密に言えば本当に参拝したのかどうか、これだけではわからない。しかし、吉田氏の日ごろの「参拝状況」をみれば、参拝しないほうが不自然にみえる。つまり、ホームページの過去記事を「靖国」で検索したところ、参拝歴がいくつも出てきたのだ。
まず2010年8月15日の記事である。
(2010年8月15日)
「靖国神社参拝」
8月15日の今日、靖国神社を昇殿参拝して参りました。
今から65年前、欧米列強の脅威から日本を守るため 散華された方々がいます。
それは、我が国の平和の礎を築いて下さった英霊の方々です。
私はこのような方々に対し、
心静かに 感謝と哀悼の誠を捧げて参りました。
靖国神社の周辺では この日の午後、反天皇制運動連絡会など一部の人々が抗議活動を行っていましたが、
本来今日は246万柱の御魂に感謝を申し上げるべき日です。
靖国神社を政治的材料とする彼らのデモを、私はとても不快に感じました。
来年は もっと静かな環境の中、多くの方々と心を一つにしてお参り申し上げたいです。
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吉田あい杉並区議が、2012年8月15日に新宿―靖国神社をタクシーで往復した際の領収書。「調査研究費」とある。![]() |
「歴史教育視察」か日常的な参拝か
2011年1月にはこんな記事もある。
(2011年1月2日)
「初詣に行って来ました♪♪ - 靖国神社 -」
靖国神社へ初詣に行って来ました!
今日は風もなく、穏やかな天気。
とーってっも気持ちの良い一日でした♪♪
靖国神社は明治2年、明治天皇によって建てられた東京招魂社が始まりです。
戊辰戦争、西南戦争など 明治維新の大事業遂行のために命を落とされた方々をはじめ、日清・日露戦争、第一次世界大戦、大東亜戦争などにおいて我が国の国防の為に亡くなった方々の神霊が祀られており、その数は246万6千余柱に及びます。
靖国神社に祀られている246万6千余柱の神霊は、「祖国を守る公務に起因して亡くなられた方々の神霊」。
そして靖国神社の目的は、「国家のために一命を捧げられた方々を慰霊顕彰すること」です。
ぜひ皆さんも明治維新以来、国難に殉ぜられた方々が祀られている神社で、国の安泰と世界の平和を お祈りしてみてはいかがでしようか。
とても清々しい気持ちになります♪♪ (^o^)
8月15日に参拝した記事はまだある。書きっぷりから想像して、どうやら毎年参拝しているようだ
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「私も今日は、心静かに靖国神社に参拝して参ります」と書かれた吉田あい氏の2012年8月15日のブログ(上)。「歴史教育視察」というが、同日の記事の別のところには「8月15日は戦艦ミズーリ号でポツダム宣言を受諾した日」と基本的な史実を誤った記載がされている(下)。
2012年度一年間でわずか1本の記事しか掲載されていない島田敏光杉並区議(公明)のホームページ(上)。この管理費として年間34万円以上を政務調査費で支払っている。支払先は個人業者となっている(下)。
2012年度政務調査費の会計が閉めれる同2013年3月31日に、パソコンを購入し、その費用の90%にあたる16万円を政務調査費で払った大槻城一杉並区議(公明)。3月29日には記念切手約1400枚を9万6100円で一括買いしている。具体的使途は不明で、一種の資金洗浄の疑いすら拭いきれない。
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読者コメント
実は同案件につき、週刊金曜日にも電話しました。
吉田議員は実際に靖国神社までタクシーに乗り政務調査費を請求したのですし、カラ出張の詐欺と同列に扱うのでは「オウンゴール」でハト派の旗色が悪くなります。
ああ、金曜日の編集の方はとても紳士的で保守革新問わずヘイトはヘイト、エコひいきすべきでないというスタンスで好感が持てました。
歴史「認識」以前の問題がある。自民党議員全般の傾向として、基礎的な歴史を知らない人が多い。この記事で指摘されHPを修正しているが、歴史の初歩を知らないのに「歴史教育視察」など悪い冗談だろう。
本稿発表後の7月27日、吉田あい氏HPの2012年8月15日の記事が訂正されていることを確認しました。「8月15日は、戦艦ミズーリ号で、ポツダム宣言を受諾した日であり」は「8月15日は ポツダム宣言を受諾した日であり」と改められています。厳密にいえば8月14日だと筆者は考えています。7月24日付質問に対する回答はまだありません。
記者からの追加情報
7月28日夜、吉田あい区議より以下の回答が届いた。『御回答したいところではございますが、杉並区の法規担当及び区議会事務局より、まだ訴状が届いていないこと、また今後、裁判に成りうること、などを鑑み、個人のコメントは差し控えるよう言われております。大変申し訳ありませんが、お察し頂きますようよろしくお願いします』
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