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『5ちゃんねる』にコピペしたら家宅捜索に入られました(中)――名誉棄損容疑で警察署にて調書作成、送検へ

情報提供
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調書作成で何度も呼び出された福岡県警中央署
 一時の負の感情に任せて『5ちゃんねる』という掲示板にコピペの書き込みをしたら、3か月後に被害届が出され、任意で取り調べを受け、家宅捜索に入られ、パソコンやスマホなど10点を押収された。ここまで、書き込んでから約半年。2018年6月のガサ入れ以降、10人近くの弁護士に相談した。次は、警察署に呼び出されて調書を作成することになる。どのように対応すべきなのか、どこまでの事実関係を白状し、どこまで自分の非を認めるべきなのか、意見を聞きたかった。結論としては、どの弁護士に相談しても「否認するメリットはない」。
Digest
  • 弁護士に相談
  • 7月17日:調書作成1回目
  • 嘘ばっかりの調書はこうして出来上がった
  • 「みんな弁護士に相談せずにサインしとーとよ」
  • 8月10日:調書作成2回目、PCとスマホの仮還付
  • 指紋と写真「どっかでお前が死んだ場合にすぐ分かる」
  • 被害届が出されたのは3月「犯人探してください」

弁護士に相談

総合すると、以下が弁護士たちの見解だった。

以前のトラブルがあったから犯人は君だろう――という大雑把な捜査で任意の事情聴取を行っているとは考えにくい。警察は、きちんとIPアドレスを辿るという、証拠に基づいた正しい捜査を行っている可能性が高い。さらに、家宅捜索で押収されたパソコンやwifiルーターから、新たな証拠が積み重ねられる。以前にトラブルを起こしていることから、掲示板に書き込みをするという客観的な動機も十分。ここまで条件が揃っていて否認しても、送検後の検察からの印象は最悪で、本来なら不起訴が取れそうなものも、否認したことが原因で起訴にされかねない。早急に刑事に電話をし、自白して、押収物の解析の手間を省かせた方が、印象が良いだろう。

刑事が間抜けで、書き込み当時に使用していたwifiルーターとは別のwifiルーターを押収していったため、証拠としては不十分なのでは――とも考えたが、弁護士いわく、「一つの証拠が欠けていても、他の証拠が十分すぎるから、犯行を立証するには十分」とのことだった。

多くの弁護士に相談して思ったことは、弁護士の能力というのはピンキリだな、ということだ。こちらの少ない説明で、即座に全体像を把握して要点を分かりやすく説明できる優秀な人と、こちらの質問をはぐらかして雑談に終始する人、事前の説明よりも多くの相談料を請求しようとする人、など。

なお相談料は、1人に5千円支払った以外は、この時点の初回相談料はいずれも無料だった。営業活動の一環で、初回無料として入口のハードルを低くしている弁護士事務所は多い。

ヤメ検のおじいちゃん弁護士から、警察署での調書作成に際するアドバイスとして、「取調室で録音なんて無理。変なことはせずに警察に素直に従った方が良い」と言われた。だが、むしろ証拠なしではリスクが高いと思い、録音機器を4つ持参して、調書作成に臨むことにした。(よって以下は録音に基づく正確な内容となっている)

7月17日:調書作成1回目

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一番お世話になった中央署の田中刑事(30代半ば、巡査部長)。ガサ入れ後に部屋を片付ける丁寧な仕事ぶり。

弁護士に相談した結果、自白すると決め、中央警察署へ。署に到着して、どこに行けば良いのか分からなかったが、ガサ入れ時に顔を合わせていた田中刑事が洗面所で手を洗っていたので、近づいてみる。

「ああ、○○(僕の名前)さん」。ニコッと、爽やかな笑顔で迎えてくれた。

ガサ入れで手間をかけさせていた分、こちらに悪い印象を持っていると決めつけていたが、あまり根に持たない人なのかもしれなかった。

ガサ入れのときは険しい表情でLINEのロックパスワードを執拗に聴いてきたが、ガサで散らかった部屋を元に戻そうと一番動いてくれていたのが、この田中刑事だった。

この日は、刑事第一課の取調室に空きがなかったためか、階段を昇って、刑事第三課の取調室に案内された。刑事第三課に案内したのは、田中刑事より15歳くらいは年上に見えるカコイヤマ刑事で、ポロシャツ短パン姿だったのが印象的だ。

ガサ入れ前の4月に、自分が任意の事情聴取を受けたのが、このカコイヤマ刑事(刑事課・係長)だった。そのとき自分は容疑を否認しているから、当然、向こうから見た印象は、かなり悪いはずだ。

警察署の階級(仕事上の役割)は、巡査(ヒラ)→巡査長(指導的なヒラ)→巡査部長(主任)→警部補(係長)→警部(課長)→警視(警察署長=警察本部の課長クラス)である。田中が巡査部長(主任)で、カコイヤマがその1つ上の警部補(係長)、ということになる。

「借りまーす」というカコイヤマの言葉に対して、刑事第三課の人たちは無言。取調室を貸しあうというのは日常茶飯事なのかもしれなかった。

スーツ姿でカチっとした田中刑事と違い、カコイヤマ刑事は若干、キレ気味だった

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調書を作成した取調室(2018年8月10日)

この15センチ四方ほどの扉を開けると、マジックミラーが出てくる。この扉は、出入口のドアの左側に設置されていた。この扉が閉まっていれば外から覗かれていないことになる。署によっては扉がないため、いつ覗かれているか分からない。

このように、ドア自体にも、上のほうにマジックミラーがついていて外から取調室を覗けるようになっている。

カコイヤマ刑事。逮捕された暴力団員ではなく、公務中の公務員である。

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