警察の元S(スパイ)が実名顔出しで告発「刑事の指示で私が知人のコーヒーに覚せい剤を入れ飲ませると、彼はすぐ逮捕された」
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- すごい数の刑事が家に乱入してきた
- なぜ警察のS(スパイ)になったのか
- 白紙の供述調書に署名と指印
- 暴力団がらみの抗争に自分の調書が使われた
- どのようにしてS(捜査協力者)を止めたのか
- 攻守逆転 ハメる側からハメられる側に
すごい数の刑事が家に乱入してきた
2014年3月19日朝7時30分、カギをかけていなかった石川県加賀市内の盛一克雄氏の自宅に、大勢の刑事たちがなだれ込んできた。
覚せい剤取締法違反容疑での、家宅捜索だという。とっさのことで何人かは不明だが、「とにかく多くてびっくりした」と盛一氏は回想する。
「若い刑事に、ずいぶん人が多いねと言ったら、『今回、やけに人が多いんですよ』と言っていました。普通ではないようでした。正確には覚えていませんが、10人は超えていたと思います。
私を覚せい剤取締法違反で内偵してやってきたなら、私の尿を採ればいいのに、このときは、妻のオシッコまで採られました。形としては任意ですが、それはひどいと思いました。
当時、小学校低学年の子供もいるときにガサに入るのは、いやがらせですし、嫁さんが覚せい剤などやっていないことは、調べればわかることです。」
この日、盛一氏の自宅、経営していた会社の倉庫、そこにある車両数台、自宅とは別に借りていたアパートなどが家宅捜索され、昼過ぎまでかかった。
後に起訴されたこの事件の判決文によれば、盛一氏の車にあったポリ袋や、借りていたアパートで発見された注射器から覚せい剤成分が発見された、とされている。
なお、このアパートには、複数の人間が出入りしていた。
実は、この時からさかのぼって二十数年前、20歳過ぎの1991~1992年ころ、勤めていた風俗店のマネージャーを通して、盛一氏は覚せい剤を使用するようになった。
しかし、結婚を機に、30歳ころに、きっぱりとやめていたのである
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現在進行している国賠訴訟に提出された一連の書類を見ると、かつて警察に協力して第三者への強制捜査に結びつけていた盛一氏の立場が逆転していることが見てとれる。当初、覚せい剤の譲り渡し容疑で逮捕されたが、「覚せい剤の使用」で起訴された。氏名を手書きにしたのは筆者。旧姓が書かれているためである。
刑事事件一審の判決文。覚せい剤を止めていた盛一氏の尿検査で覚せい剤反応が出た。ありえない話だが、この検査結果をもとに裁判所は使用したと認定した。この尿検査に疑問があり、今後解明していく必要がある。
刑事事件の控訴趣意書。盛一氏の知人M子が「盛一氏がK男に覚せい剤を譲り渡しているのを見た」旨の供述をし、それがもとで盛一氏が強制捜査された。M子による虚偽供述が捜査の端緒であり、虚偽供述による令状の発布、その結果の尿検査結果も無効だという主張だ。今回の記事ではまったく触れていないが、尿検査のときに警察官が不審な動作をしていたと盛一氏は証言している。また、同種の事件に比べ、この事件では尿検査関連の証拠資料が極端に少ないとの指摘がある。(読者からの要望があれば、今後の記事にして伝えたい)。
刑事事件、控訴棄却の判決文。M子の供述の真偽、尿検査の疑問には踏み込んでいない。また、盛一氏が開示請求したM子の検面調書(検事作成の調書)は存在しないという検察のウソは不問にふされた。
盛一氏への捜査の発端をつくったのがM子の供述だ。覚せい剤取締法違反の刑事裁判では、警察官作成の員面調書は開示されたが、検察官作成の「検面調書」は存在しないとされていた。ところが盛一氏が判決後に調査したところ、存在しないはずの検面調書が3通存在していたことが判明。画像はそのうちのひとつ。
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???
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読者コメント
日本の主要メディアは警察からの情報提供(記者クラブ)が大きいので警察内部事情を大きく報道できない構造がある。MNJには警察の暗部も大きく報道を続けて欲しい。
記者からの追加情報
□2014年3月19日 石川県警に覚せ剤譲り渡しの疑いで逮捕
□2015年4月23日 一審開始
□一審判決 懲役2年執行猶予4年
□2015年9月1日 控訴審開始
□2015年10月15日 控訴棄却⇒有罪確定
□2017年9月14日 国家賠償請求を提訴
□2019年6月7日 国賠訴訟一審、請求棄却。
ただちに控訴。
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