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⑤「デジタル・ケンタウロス」エリアの職業群――10年後に食える仕事 食えない仕事 テクノロジー編

情報提供
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下半身が機械、上半身が人間のデジタル・ケンタウロス
 知識集約的な仕事のなかで、人間ならではの強みが必須となるものが、この「⑤デジタル・ケンタウロス」エリアの職業群である。AIがどんなに進化しても、そのAIを使いこなすことにより、どんどん既存レベルの仕事はラクになり、人間とAIとの相乗効果によって労働生産性が上がっていくのが、このエリアの特徴だ。左側エリアが代替型なら、このエリアはコラボ型。AIと人間の協働(コラボレーション)によってより高い成果を挙げる競争が続く。AIを使いこなせない人が生き残るのは難しくなる。
Digest
  • AIで底上げされる提案営業
  • 信用がないと仕事が始まらない銀行員
  • 日本人メリットがある職業=AI参入不可
  • 人事、政治、官僚…未来予想系すべて
  • AI時代の「産業のコメ」=デジタルデータ
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このエリアの職業は、デジタルデバイド※、なかでも“AIデバイド”によって、入り口段階で差がつき、第二段階で、残されたアートの部分(人間ならではの部分)でさらに本質的な競争となって、プロフェッショナルとしての純度が高まる。アートの世界だからこそ、無限に格差は拡大していく。

同じ「人間の職業として残る」エリアでも、身体的な制限ゆえにレバレッジ※が利かず、安定度は高い「③職人プレミアム」との違いは、この格差拡大につながるリスク&チャンスにある。たとえばパイロット(③)は同業者間での報酬格差が2倍になることはないが、ファンドマネージャー(⑤)は10倍以上の差が普通に開く。

※デジタルデバイド=コンピュータやインターネットなどの情報技術を使いこなせる人と、そうでない人との間に生じる、貧富や機会、社会的地位などの格差。

※leverage=てこ(レバー、lever)の作用で効能や倍率を高めること。リスクをとって、少ないインプットで大きな効果を生み出す意。

AIで底上げされる提案営業

外回りの営業職が右側(人間が強い)であることは間違いないが、主に足を使う御用聞き的な巡回営業(ルート営業)や、片っ端から地域一帯を回っていくローラー営業が右下の職人プレミアム(③)であるのに対し、より頭を使う提案要素が強い営業が、このデジタル・ケンタウロスのほうである。

たとえば、「PayPay(QRコード決済)を導入しませんか?」と店をまわっていくローラー営業(③)は、「1人あたり1日20~30件まわって、うち1~2件が成約」(同社元社員)という、実に労働集約的なものであるが、この代わりを機械が務めることはできない。パワープレイで人間が回って仕組みやメリットを説明しない限り、導入は一向に進まず競合に勝てない。

PayPayでは紹介をお願いする営業手法が多用され、「商店会長さんが薦めるなら(信用しよう)」と導入を決める店も多く、1紹介あたり1500円の紹介料が紹介者に支払われる仕組み。「信用」という、人間ならではの強みが有効な仕事だが、この手の営業は、AIやITをほとんど使わない体力・根性・義理人情の勝負となる。

一方、デジタル・ケンタウロス(⑤)のほうの営業職は、より複雑なソリューション営業(コンサルティングの要素を含む問題解決型)となり、AI含む高度なITツールを使いこなした人が生産性を上げ、勝ち残っていく。

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気合根性義理人情の営業で有名な野村も、営業にITを導入した

たとえば野村證券は2018年に『法人マーケティングツール』(パソコン上のソフトウェア)を営業現場に導入した

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名古屋のトヨタ産業技術記念館に掲示された、トヨタ自動車創業者・豊田喜一郎氏の言葉

第3章まとめ

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