10年後、20年後の日本人の雇用――10年後に食える仕事 食えない仕事 テクノロジー編
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平成30年版高齢社会白書(全体版)より |
- Digest
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- 労働者に還元されないデジタルAI経済
- 「労組のパラドックス」と「限界費用ゼロ社会」
- 中間層が減り、二極分化が進む
- ❶「新しい労働者」再定義と監督権限強化
- ❷給付つき税額控除等による再配分強化
- 人を雇うコストを上げる=自動化投資が進む
- ❸キャッシュレス&ペーパーレス断行で労働生産性向上
- 【終章のまとめ】
労働者に還元されないデジタルAI経済
今後10年20年で進行する、典型的な雇用の変化を具体的に説明する。これまで正社員として中間層にいた事務員や販売店員といった「①ロボティクス失業」エリアを構成する主要な働き手たちは、アマゾン・エフェクト等によってデジタル失業し、ニーズが一時的に高まる宅配員や配送センターアルバイトなどの「②手先ジョブ」に雇用が吸収されるケースが増える。すると、賃金が低く雇用が不安定な人たちが相対的に増えることになる。
デジタル破壊を起こす側の、いわゆるGAFA※やZOZO・楽天などプラットフォーム企業とその社員たちは、もちろん「⑤デジタル・ケンタウロス」の人たちだ。こうして、①と②から吸い上げる形で、⑤は潤い、格差がどんどん広がっていくのが、AI&デジタル社会の行く末である。中間層は低位に落ちて〝GAFAの手先ワーカー〟または〝サイバー小作人”となり、一部の独占的なパワーを持つGAFA系ワーカーとその株主ばかりが潤っていく。
人間が担当する仕事の絶対量は、一時的に増える仕事(配達業など②手先ジョブ)もあるが、全体としては自動化が進むことで、緩やかに減少していく。これが欧州のように失業率が高い国だと雇用問題になるわけだが、日本は世界一の少子高齢化大国(高齢化率が2060年まで世界一位の見通し)で、急速な人口減が今後半世紀超にわたって続くため、自動化が進んでも、まだ働き手が足りない。働き手不足が進むスピードのほうが速いからだ。
よって、AI化で失業率は上昇しないので、深刻な社会問題として顕在化しない。緩やかに、真綿で首を絞めるように格差社会がじわじわと進み、中間層が下層に落ち、生活保護スレスレの生活を送る“生かさず、殺さず”の扱いを国家から受ける人たちが増えていく
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働き手の二極分化が進むAIデジタル社会
AIデジタル社会の課題と解決策
働き手不足時代の人材捻出ポテンシャル
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