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「急激な筋トレで発症」静脈血栓症の血管手術費が10万円だけ&4日後に共済35万円受取りで痛感した医療共済の威力

情報提供
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右鎖骨下の血管内に血栓ができ、「深部静脈血栓症」と「胸郭出口症候群」の診断を受けた筆者。血管内にカテーテル通して血管を拡張させる手術から3時間ほど経過した時点の写真。高額医療だったが、社会福祉と医療共済に助けられた。
「林さん、今から入院しても必要な物届けてもらえますよね。私が電話して紹介するので、大病院にタクシーで行ってください」。2020年8月27日、自宅近くの総合クリニック医師にこう告げられた。右肩から指先までシビレて変色し、腕が膨れ上がったので検査したところ、「深部静脈血栓症」と診断。複数の医師によれば、原因は「急激な筋トレで神経や血管が圧力を受けた」。右鎖骨下の血管内に血の塊ができ、一部が肺にまで移動しており、場所によっては死亡もあり得た。結局、入院して手術したが、「どれだけの治療費が必要なのか」と不安だった。最終的には、行政の社会福祉と医療共済に助けられた。入院手術前に高額医療の「限度額適用認定証」を得て、通院・検査・入院・手術・薬を含め出費を計10万220円に抑制。退院後は都民共済と全労済の共済金34万9500円を受領した。発症から仕事に復帰するまでの実体験を元に、おすすめの医療保険について報告する。
Digest
  • コロナ禍が始まってから自分史上最高の健康状態に
  • コロナストレスと筋トレのストレス
  • 異変の始まり――最高潮から一気に転落
  • 深部静脈血栓症の危なさ
  • 筋トレの落とし穴、胸郭出口症候群が血栓の引き金か?
  • 「高額医療になりますよ」の一言にビビる
  • 血管に1ミリのカテーテルを入れて血管拡張手術 
  • 都民共済の支払は実質月1385円で受取共済金は22万9000円
  • こくみん共済(全労済)は5年ごと15万円のボーナス
  • 巷にあふれる医療保険のCM

コロナ禍が始まってから自分史上最高の健康状態に

健康のためと思い、10年ほど前から筋トレを続けている。忙しくもあり、若い時のような体力もないので、時間があるときに近所のジムに行く程度だった。

状況が一変したのは、2020年2月に新型コロナウイルスが感染拡大を始めてから。栄養に気を付け運動もして睡眠を十分にとり免疫力を高めるようにと、筋トレも真面目に取り組んだ。

転機は3月ころ。そろそろ緊急事態宣言が発出されるのではという雰囲気になってから、私は二つのことを心掛けるようになった。

一つは、できる限り体を動かして運動し、自然の中を毎日サイクリングか、散歩すること。二つ目は、コロナ禍の中で街はどうなっているか、人々はどう活動しているかを積極的に取材すること。

以前より運動量を増やし、栄養に気を付け、睡眠を十分に採り、ほとんど毎日雑木林や小川のほとりなど自然に触れ、積極的に外出し、感染に配慮したうえで人と接触することが多くなり・・・と、充実した毎日を送った。

加えて、取材して「補償なき休業要請、外出自粛情勢はおかしい」「消費増税&コロナによる生活困窮者たちを支援する動き」というような記事を書き、感情と思考のアウトプットもバッチリだ。

これで健康にならないわけがない。身体に躍動感を感じるような、そして精神的にものすごく落ち着く、プラスマイナスゼロの安定に包まれるようになった。

そんなある日の食事の時、「自分史上最高に心身の調子がいいんだよね」と漏らしたら、家人が「えっ、そうなの?」と反応したことを覚えている。

コロナストレスと筋トレのストレス

とりわけ筋トレには集中したが、第1回目の緊急事態宣言が出されてからは、最寄りのスポーツジムが閉鎖され、運動できないようになってしまった。

そのため、自宅で数種類の腕立て伏せや、自宅にあるダンベルなどを使用するようになり、公園までランニングし、鉄棒を利用して様々な運動をすると、実に効果的なことがわかった。

ところが、公園管理者たちが鉄棒や遊具がある周辺にロープを張り巡らせて封鎖し始めた。昨日、懸垂をした公園が封鎖されていると、自転車で市内を巡り“自由な公園”を探し、そこが封鎖されると、また別の公園を探す・・・。

やっと一か所だけ自由な公園を見つけたので、そこにある遊具や鉄棒を利用して熱心にトレーニングをするようになった。

緊急事態宣言が解除されて6月に入ると、ジムが再開。しかし、いつまた同じことになるかもしれないので、コロナ前よりはるかに熱心に筋トレに励むことになった。

だが、ここまで書いてきて、ハッとした。心身の調子が上向いたのは間違いないが、それは半分の真実であり、実はコロナストレスの裏返しではなかったか。

人との接触が難しくなり、公園もジムも使えなくなり、同調圧力などの社会的空気、政府の不適切な対応・・・知らず知らずのうちに感じていたストレスの裏返しが、筋トレによる“ハイ”状態“として現れたのかもしれない。見せかけのハイ状態、見せかけのゾーンだ。

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(上)血管の中に細長い風船を入れ、血が凝固してできた血栓の近くで膨らませ、血管を拡張させる手術。
(下)血栓ができた場所から先の血管に血液が流れていなかった。右は術後、血管を拡張したことにより血流が戻っているのが見える。

異変の始まり――最高潮から一気に転落

このあと、最高の精神状態と健康状態が急反転してしまう。よくよく振り返れば2020年の正月頃から、兆候はあった。頭を右に倒したり、自転車走行中に安全確認のため右方向に首をひねるときに、ひっかかるような感じがあった。

右首の軽い痛みとともに、右肩から指先にかけて、かすかなシビレを自覚したのが、日記で確認すると8月1日だった。

そして盆明けの8月16日、腕がむくんで膨張し、皮膚が濃い色になり、しびれが強くなった。明らかに異常事態だ。それでもこの時点では、入院して手術をすることになるとは、思いもよらなかった。

決定打は、8月22日(土)のことだった。私が主催する講演会場で居合わせた医師に、「ちょっとその腫れ上がりむくんでいるのが心配。月曜日に検査してもらってください

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「標準負担額減額認定証」の交付を受けあらかじめ提出すれば、高額医療を立て替えることなく、最初から減額された金額を支払えばいい。(東京都医師国民健康保険組合ホームページより)

退院時の支払い領収書の一部。手術と入院で58万2860円の医療費が、国民保険証と標準負担額減額認定証により実際の支払いは3万6030円。支払った分はすべて医療共済の共済金で賄われた。

(上)都民共済で受けられる保障(中)申請書が先方にとどいて4日目には共済金が振り込まれた。(下)年間36000円の支払いだが、割戻金が1万9385円戻されたので、実質は年間1万6615円のみの負担となる。

(上)こくみん共済(全労済)で受けられる保障(下)都民共済同様に申請4日でスピード支払い。こくみん共済も割戻金が組合員に戻る仕組みだが、利子をつけて全労済が保管し、満期が来た時に受け取れる仕組み。

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以下、正確なものに修正しました(2021年1月29日、本文修正済み)
×一週間くらい休ませるべきだ
〇4~5日間休ませるべきだ
細かくてすみません(筆者)。
本文:全約10300字のうち約8400字が
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